第24話 銃


 早速、ノートに形状変換の錬成陣を描き、そこにバスタードソードを置く。最後に魔力を流すと…………はい、完成!


「って訳にはいかないよな。……うん、知ってた」

 

 そもそもの話、銃の部品を一つずつ錬成してから組み立てることしかできないんだよ。そんで、一つ一つの部品を漢字で表現していかないといけない。これ最悪だ。結果、全人格フル稼働してなんとか表現を捻り出して完成した銃は二丁。「ザ・火縄銃」みたいなやつとリボルバー、そしてその玉だ。


「あ゛〜〜〜〜漢字はもう見たくない〜〜〜」

「グルル」


 ゴジに慰められた。なんだろう、何かに負けた気がした。


 まあいっか、とりあえず銃も作れたしそろそろ次に進もう、今日はこのぐらいにして明日はここにある鉱物とをありったけアイテムバッグに詰めて、試験射的に行こう。






 翌日……


 バンッバババンッババンッ

「キシャァァァァァアアアアアア」


 うん、このリボルバー威力すごい。試し撃ちの実験態だった蜘蛛の魔物が可哀想なぐらいの威力だ。


 今、目の前で断末魔をあげているこの蜘蛛は全身にポッカリと六つの穴が空いている。

 

 朝起きてから最初に見つけた魔物は外骨格が硬い昆虫系の蜘蛛だったから、弾がダメージを与えられるか心配だったけど、全く問題なかったわ。


 頭の隅で銃が魔物に通用しない可能性は考えていたけど、さすがは地球一の殺戮兵器だ。全く問題ない。

 

 ん?火縄銃はどうだったかって?攻撃力はスズメの涙ほど……。そして、次弾装填にかかる時間が長い。多分もう二度と使うことはないな。

 

 ともかく、このリボルバーは戦力になる。この洞窟を進むスピードも早くなるだろうし。

 

 にしても、この洞窟、デカくないか?数えるのをやめてたけど、もう何ヶ月も経ってるはずだ。


 アリスたちは大丈夫かな?いや、彼女は勇者だ。悪い扱いは受けていないはず。でも、早くここから出るに越したことはない。


 そんなこと歩きながら考えていると、洞窟の道が大きなドーム型の空間の壁に出た。そして、壁像を渦巻くように取り付けられている階段を目で辿っていくと、それが目に入った……


「へぇ。なんだ、思ったより早くここを出られそうじゃないか」

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