第21話 女神の弱体化
「第一回の勇者召喚か。まぁ、なんか対応が手慣れてたな。明らかに、異世界人の情報を持ってたし」
それと、レオナルド・ダ・ヴィンチが召喚されたのも驚きはしたが、事実として認めよう。もしくは、ダ・ヴィンチ信者の異世界人がダ・ヴィンチを名乗っていたか。少なくともこの世界の人ではないんだろう。
ただ、ここだとダ・ヴィンチは気になることを言っている。
「”我ら勇者は、元の世界の様々な時代から集められた優秀な人々だった”だったか?」
この一文を読むと、あたかも様々な時代から優秀な人材を選んで召喚したかのように思える。
なにそれ、Fa○eですか?ナポレオンとか、信長とかが召喚されてたかもしれないって言う事だろう?
ロマンを感じるよ。他にもあるのかな?第一回勇者が残した遺産みたいなの?あるなら、見つけたい。
まぁ、女神に地獄を見せてからになるだろうけど……。
いや、脱線した。
ともかく、この文章は俺が召喚された状況と矛盾する。
俺が召喚されたのはクラスの奴らと一緒に、だ。女神側は明らかに召喚される側を選んでいない。いや、選ぶ能力がないと言ったほうがいいか。
例え選べても、中学生をクラス一個分召喚することに意味がないからだ。
確かに、コントロールしやすいと言う利点があるかもしれないが、最重要なのは戦闘力だ。これなら、現役軍人を分隊二つ分召喚したほうがいいだろう。
それに、ダ・ヴィンチは”様々な時代から”と言っている。つまり、時代を超えて色々な人々を召喚できることも女神側にできたと言うことになる。
なら、今の状況はなんだ?この情報をまとめて、俺が召喚された時の状況に比べると、面白い結論が出る。
「弱ってんだな、アイツ。こりゃ好都合だぜ」
女神は第一回勇者召喚の時に比べ、弱っている。これが今回限りなのか、傾向として続いているのかはわからないが、弱っていると言う事実があるだけでも使える。
それに、今回の収穫はこれだけじゃない。
さっき手に入れた記憶はダ・ヴィンチのものらしく、錬金術についての事ばかりだ。それも、基本中の基本から奥義レベルのものまで幅広く取り上げられていて、初心者でも使えるようになっている。
何か、武器とか役に立つアイテムが作れるかもしれないし、意外と簡単にできるかもしれない。
「やってみるか」
「グル!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます