第11話 殲滅
「うおぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!」
敵は12体。
そしてその全員が俺の突然の突撃に反応が遅れ、混乱する。
今まだ戦った中で、侍オーガには多少の知性があることは分かっている。それでも、所詮は魔物。統率なんてできるわけがない。
「みっけぇ!」
「ギギがグギ」
「ガガガガッギグッ」
「ガッ」
まずは3体。
固まっている所に駆け込んでいき、侍オーガの首の高さまでジャンプし、『捨身攻撃』で筋力が3倍になった斬撃を回転しながら放った。
残り9体。
「次!お前だぁぁあああ!」
「がギギギギギグッグがガッギグッグがが!」
次の侍オーガは刀を抜いていた。しかし下級の戦士だったらしく、刀はただの鉄。俺の筋力を乗せたミスリルの刀を受けられるわけもなく、呆気なく刀ごと真っ二つにされた。
残り8体。
しかしこれで、戦闘開始から20秒も立ってしまった。
流石の侍オーガたちも気を取り直し攻撃を仕掛けて流ようになってきた。
また、厄介なことに、緩くも連携が取れている。2体1組で片方を攻撃しようとしたらもう片方がその隙をつくというシンプルかつ厄介な戦法だ。
でもだったら、その隙を埋めるまで!
俺は腰にあったもう一本のミスリルの騎士の剣を抜いた。つまり、二刀流だ。
あっちは2体1組だから『捨身攻撃』は使えない。
「かかってこい!『浮遊城流 壱の太刀 爆ぜる星々の流れ』!」
これもアニメ界の二刀流マスターから借り受けた16連撃技だ。
「グギ!?」
「ガガガガッぎっぐっグッグがが」
「ガガグギ」
「っががグギギぎぎぎ」
「ギっががッグ!?」
「ギギギぐっガガガッ」
「ガガがギギぐ」
14撃で7体倒せた!残り2撃!
7体の断末魔の叫びを聞きながら俺は最後の侍オーガへ向かった。
「はぁぁああああああああ」
発狂を重ね掛けしながら、俺は『捨身攻撃』の力も加えて侍オーガを切りつける。
「がぎギギギっググっっガガガガガガ!」
「ゴフッ!?なぜ?」
驚いた。
俺は確かに侍オーガの首を刎ねた。
しかし、侍オーガは俺に勝てないと知っていて相打ちを狙っていた。
最後の瞬間まで引きつけ、首を切られながらも俺に突きを繰り出した。
今、彼の刀は心臓には刺さらなかったものの、俺の胸を串刺しにしている。
なんてやつだ。
「はははははっははは、はははっはははっははは!」
楽しい、痛いのに。面白い、敵なのに。
笑いが込み上げてくる!感謝が湧いてくる!
ありがとう!こんな楽しい戦いをさせてくれて、ありがとう!
あぁ、俺は狂ったんだな。戦闘が楽しい!もはやこれは戦闘狂。
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