第10話 下準備

 気配が集まってる所に行くと、そこは大きな空洞になっていて、雑な作りの小屋が乱雑に建っている。


 そして集落?の中央広場みたいな所に侍オーガが何人か集まって何かを拝めていた。


「へぇ、侍オーガの村か。でも、何拝めてんだろ?」


 そこでもっと近づいて物陰から観察してたら侍オーガが立ったタイミングで黒い卵?らしきものを拝めていたことが見えた。


「卵を拝めるのか?何か強いモンスターの子供とか?」


 う〜ん……疲れてるけど、こんぐらいの数は何とか倒せると思う。


 それと、卵がなんなのかも気になるし……よし!


 オーガ村を殲滅して今日はここで休もう!卵の中身は……厄介ごとの可能性もあるし、一旦休憩してからだな。


「さて、真正面から向かっても殺されることはないだろうけど、楽に排除したい。戦闘準備と行こうか」






「ガガギグギガががっが」


 そんな断末魔の叫びを聞き届け、俺は刀を鞘にしまった。


 これで見張りは全て殺った。あとは集落の中央で卵を拝めている奴らだけ。疲れてるけど新しいスキルも手に入ったし、スキルの内容的にも大丈夫だろ。


 侍オーガを3体倒し、そのいずれも捨身攻撃の一撃を使った俺はステータスはもちろん、スキルも一つ増えていた。


「ステータス」




榎本乃亜(種族:人間)

 レベル:813

 ・能力値

  筋力:1342

  俊敏:1301

  物理耐性:878

  魔法耐性:894

  魔力:6585/6585

  知力:1325


 ・スキルツリー

 『狂人』:レベル1

  レベル1:2倍返し

  レベル2:捨身攻撃


 『完全再生』:レベル1

  レベル1:低速再生

  レベル2:通速再生

  レベル3:発狂0/10

  発狂:狂った叫びを上げ、自身の攻撃と俊敏を一時的に上昇させる。上昇値は狂いの純度による。


 ・通常スキル

 『剣術』:レベル2

 『我流剣術』:レベル1


 物凄い勢いでステータスが上がるのを見るのも楽しくなってきたかもしれない。


 ただ、防御系のステータス低くない?


 いや、数値だけなら高いだろうけど、全体的に見ると低い。『狂人』の副作用なのか?


 あと『発狂』の横のカウンターは使用回数かな?十回使えば次のスキルが手に入る的な何か?


 今まで出てこなかったのは使用回数が一回だと考えれば、スキルに必要な使用回数はこんな感じになるか。


 レベル1:1回

 レベル2:1回

 レベル3:10回

 レベル4:10回

 レベル5:100回

 レベル6:100回

 レベル7:1000回

 レベル8:1000回

 レベル9:10000回

 レベル10:10000回


 あくまで予想だけど、十進法で考えるとこうなる。


 ちなみに、スキルツリーのレベル上限がレベル10がというのは女神からの講座で習った。


 それにしても、純度ってなんだよ、純度って。


 『発狂』のスキル説明から考えれば、つまりは本当に狂わないと最大威力が出ないということになる。


 これが、女神の言ってた「狂人のような戦い方になります」ってやつか。


 しかし、使わないという手もない。この世界だとスキルツリーは力。


 そのスキルツリーが狂えというのなら、狂ってやろうじゃないかぁ!


「うおぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!」

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