第48話びっくりしちゃった
ホムラの授業はわかりやすく生徒の質問にも優しく答えた。その優しく腰の低い態度に一部の女子生徒達から熱烈な視線を浴びていた。
「それでは授業を終わります、また次の授業も受け持つので良ければ聞いてくださいね」
そう言ったホムラはチャイムが鳴るとすぐに周りを生徒達が囲む。
「あの!さっきの授業で質問が!」
「ホムラ先生は恋人がいたりしますか?」
生徒達はホムラを気に入った様で授業についてやそれ以外の事について質問をしている。
リリアンナはそれを遠目で眺めながら教科書を机の中に仕舞う。
「ホムラ先生人気だね」
「うん、授業もわかりやすかったしイケメンだもんね」
ルイの言葉にリリアンナが応えるとルイは少し苦笑しながらリリアンナに問いかける。
「僕は?」
「え」
「僕はイケメン?かっこいい?」
突然のルイの質問にリリアンナは面食らうが、すぐに答えた。
「ルイもかっこいいよ」
「そっか、ありがとう」
「でもびっくりしちゃった」
「何が?」
リリアンナの返答に満足したのか、さっきよりは少し優しい笑顔で聞くルイにリリアンナは言う。
「私、街中で偶然ホムラ先生と会った事があるの。一瞬だけどね」
学園に遅刻しそうになった時、思い切りぶつかった相手がまさかの魔法使い、しかも特別講師とは…リリアンナは世界は狭いなぁなんて思考に陥った。
「そうなの?ただの人違いじゃ無くて?」
「うん、絶対ホムラ先生だよ!だってあんなに綺麗な髪色の人見たことないもの」
メルシアの街で黒髪の人はなかなか見かけない。だからリリアンナもその容姿が強く記憶に残っている。
ルイとリリアンナがそんな会話をしている内に次の授業開始のチャイムが鳴る。
ホムラを囲んでいた生徒達は慌てて席に着く。
リリアンナは綺麗な黒髪を揺らすホムラに釘付けになっていた。
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