第45話三大魔法士について

全速力で校舎内を走り、目的である教室へと飛び込んだ。

「ギリギリ………セーフ!!!!」

「また遅刻ですか!リリアンナ・フローテ!」

聞こえた声に顔をあげると既にホームルームは始まっていたらしくリンが教壇に立ち怒っていた。

「あぇ、へへ…すみません…」

にへら、となんとも言えない笑顔を浮かべるリリアンナを一瞥するとリンははぁと溜息を吐く。

「…静かに席に着いてください、説教は後にします」

「はい…」

リンの言葉を受け、そのまま自分の席へと向かう。クラスメイト達がくすくすと笑っているのが聞こえる。

「リリー、大丈夫?」

「大丈夫だよ、ありがとう」

心配そうなルイにリリアンナが笑顔でそう言うとルイは安心した様に前を向く。

「今日はこのメルシアの街を守り戦う三大魔法士について勉強していきます」

「三大魔法士…」

リリアンナがボソッと呟く。三大魔法士…魔法使い、そしてメルシアの街に住む人間なら誰もが知っている。

………その昔、大魔法使いであるメルシアを支え、共に街を救った三人の魔法使い。その魔法使い達はメルシアの次に崇められ、三大魔法士と呼ばれる様になった。

「本などにも載っている様に三大魔法士はこのメルシアの街を今でも守り続けています…政治も三大魔法士が纏めていますね」

リリアンナはリンの話を聞きながら胸を躍らせた。一体、どんな人物なんだろう。どんな魔法を使うのだろう…そんな事を考えていたらチャイムが鳴り、リンの話が終わった。

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