第27話仕返し

ルイの父親は相変わらずリリアンナに冷たい視線を向ける。それだけでリリアンナを怯えさせるには十分だった。

「…先程までの魔法の練習を見ていたが、いやはや」

ルイの父親はリリアンナを嘲笑うかの様に続ける。

「たかだか低級魔法である風魔法すら使えないとは…本当にお前はポンコツだなぁ?」

その言葉にリリアンナの心臓は凍った様に冷たくなる。ルイがすかさず声を上げる。

「本当に父さんちゃんと見てたの?リリーは風魔法を完璧にコントロール出来ていたでしょう?最初は誰だって失敗するよ」

「ふん、相変わらずお前はこの小娘に優しいなぁ?いや、甘い、というべきか」

ルイの父親は完全にリリアンナを舐め腐っている。ルイの父親がもしルイにとって赤の他人だったら魔法を使って口を聞けなくさせるところだっただろう。

「学園でも噂が流れているそうじゃないか、ポンコツ…あはは!本当に笑える!」

ルイの父親は手を叩きながら大声で笑う。リリアンナは何も言えずその場に立ち尽くしていた。

「父さんいい加減に…」

ルイは痺れをきらした様に自分の父親の元へ向かおうとしたが…

「ウィンド」

「うぉっ!?」

そう魔法の呪文を唱える声が聞こえたかと思うとルイの父親は空に放り投げられ思い切り尻もちをつく。

「…っ、誰だ!」

「誰って…僕だけど?」

ルイの父親は怒りの表情で言うとジャックが無表情でそう言った。

「あんまりにも汚い言葉を使うから風で吹き飛ばしたくなっちゃったんだ」

ジャックはそう言って少しだけ嗤う。どうやら先程の魔法はジャックが使った様だ。

「それにしても…」

ジャックはルイの父親を見つめたかと思うと…

「こんな低級魔法に簡単に吹き飛ばされるなんて…ポンコツだね?」

ジャックはルイの父親が言った様な言葉を真似しながらそう言った。

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