第11話使い魔

昼休み、リリアンナとルイはマディス学園の中庭のベンチに腰掛け昼食のサンドイッチを食べていた。

「…怖い話していい?」

「何?」

「私が召喚の儀式をしたら絶対失敗して終わるっていう想像」

リリアンナはたまごサンドをもぐもぐと頬張りながらそう言う。ルイは片手にあるお茶を飲んではぁ、と息をつく。

「そんな想像しなくても大丈夫だよ、リリーは絶対成功するって」

ルイはそう簡単に言ってのける。リリアンナはうぅ~と頭を抱える。

「う〜ん…でもなぁ…」

「それにリリーは魔力値が低いって周りから言われているけどちゃんと合格点に達しているし使い魔だってきっと召喚出来るよ」

ルイの信じて疑わないその言葉にリリアンナは眉を寄せながら聞く。

「…どうしてそこまで自信満々に言えるの?」

リリアンナが心底不思議そうにたずねるとルイはゆっくり笑って

「さて、何故でしょう」

そう言った。

──────────

夕方、リンに集められた生徒達はリリアンナとルイが昼休みに昼食をとった中庭で召喚陣を囲む様に立っていた。リンは腕に着けてある時計を眺めたあと生徒達が全員いることを確認し、声を上げる。

「皆さん集まりましたね、それでは召喚の儀式を始めます」

その言葉を聞いた生徒達は緊張した様子でリンを見つめる。

「朝にも言いましたが召喚の儀式はとても神聖なものです真剣に行う様に、いいですか」

リンはそう告げると召喚陣の中心に立ち、生徒達を見回す。

「ここで名前を呼ばれた人は召喚陣のところに来て下さい、何か暴走したり危なくなったら私が止めます」

リンのその言葉にリリアンナは少しほっとする。暴走は無いだろうがリンが側にいれば安心する。

「魔法使いは使い魔という存在がとても大切です、殆どの魔法使いは精霊を使役しています…人間の姿をした使い魔を召喚するのはプロの魔法使いでもなかなか居ません、だから貴方達は使い魔になる精霊を思い浮かべながら魔力を込めて祈って下さい」

リンはそう告げると召喚陣を起動させる魔法をかける。

「それでは召喚の儀式を始めます、全員真剣に取り組んで下さい」

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