第12話 お姉様が来た
閉ざされた薄暗い部屋の中で、セラもロッタもまだその騒ぎには気付いていなかった。
しかし、
「お姉様、お姉様、助けて、助けて……」
「しつこいわね!
いくら呼んだってお姉様なんか来ないわよ!
それともそのお姉様も一緒に
「ほぅ、私を可愛がってくれるのか?
それは楽しみだ。
こういう趣味は、私も嫌いでは無いぞ」
厚い扉が吹き飛ぶように開け放たれ、女の声と共に重たげな何かが部屋の中に投げられ転がった。
「な……何!?
あ……お、お父様……!?」
ロッタの絶叫が響き渡る中、そのロッタの姿に、女は「なるほど」と
指に黒薔薇の指輪を
「どうやらその指輪には私の魔力が反転して流れ込んでしまっていたようだな、凡ミスだ」
つぶやく女の声に、
「お姉……様……?」
背中の皮膚に直接フックをかけられ天井から吊るされ、全身に血の
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