第19話

「はぁ…気持ちよかった…」

コウがアサヒから抜いた瞬間糸を引いたようにずるっと精子が溢れぐったりしていたアサヒがビクッと電撃が走ったかのように体をよじる。

「はぁ…はぁ…それは…よかったよ、わざわざコウ君の家から持ってきた甲斐があったね」

「ああ、まったくだこういう時のタメに買ってたんだからな、看病ックスでアサヒに似合うだろうと思ってな」

「こちとら数日も射精できてなかったんだ、今日は一日付き合ってもらうぞ」

「はぁ…はぁ…あはは…体力持つかなぁ…」

「ああ、頑張ってくれ俺は自分で動けないから頼んだぜ、アサヒの騎乗位はかわいいおち〇ちんが必死にガシガシ揺れるのが見れるから大好きだぜ?」

「次は淫乱系ナースお姉さんに甘えるイメージプレイがいいな」

「もー…どんだけナースさんに夢見てるのー?これだから私以外の女性と経験ない童貞は」

「うるせ、ってかそれにしてもアサヒ演技力すごいな」

「嫌々してるのにのめり込んでるって言うか…役になり切ってるって言うか」

「コウ君のせいでくすぶってた演技の才能が開花したんだよ、いつかコウ君に仕返しするためにも練習してるの」

「そりゃ楽しみで今にも股間がうずくな」

「ん、ホントだ」

「じゃあそろそろ二回目…する?」

「うん…」

「ん…ぅ」

ピコピコとナニを上下させてアピールする彼を確認し軽くキスをし部屋を後にする


(アサヒ以外の女…本当の女と経験がないってのはホントに刺さるな…やっぱり尻込みしてないで…アレやってみるかー)

(まあよっぽどアサヒにはバレんだろうが、失敗しないようにしないとな)


「やっほ、コウ君」

「!?!?!?!?」

どうせまた汚れるだろうと軽くウェットティッシュで精液をふき取っただけの上から着衣しアサヒの準備を待って寝転がっていると、明らかにアサヒの声ではない何かに囁きかけられる。

「私ねー…本当はコウ君とアサヒちゃんがヤッてる真っ最中に入りたかったんだー」

「ど、どうしてそんな邪悪なことを…」

振り向くと俺にとっての恐怖の根源、アサヒの母さんが背中に取り憑いていた。

「そりゃちゃんと二人が仲良くできてるかなーってさ、あと男の子同士だとどうやってするのか疑問だったしー」

「まま、それはいいや、コウ君この前はごめんねー?冤罪で殺そうとしちゃって」

「は、はぁ…僕の事より旦那さんは無事だったんですか?」

「あ!、そーだよ!そーだった!キミのせいで私があの人に嫌われるとこだったじゃん!!もう!!もうもう!」

「はー!?何言ってるんですか!?逆恨みもいいとこですよ!まず人を本気で殺そうとする方が問題でしょ!?」

「ふん!もーいいもん!私はあの人の意見しか取り入れるつもりないもん!」

「なんなんだよこの人!怖えーよ!二人きりになりたくないよー!アサヒ助けてーーー!!!」

「コウ君!?大丈夫!?」

「んんん?おかーさん?」

もうほぼ準備万端なナース服姿のアサヒが扉を勢いよくあけ、彼女と目を合わせる。

「んー?アサヒちゃん、その恰好はどーしたのー?」

「あ…!いや…その…これは…」

「そんな隠そうとしなくてもいいわよー、せっかくコウ君がケガしてるからナース服で看病プレイってとこでしょー?」

「流石おかーさんだねー…それで何しに来たの?」

「ん?ああ、そーだったそーだった」

「実は二人に大切なことを聞きに来たんだ」

「大切なことー?」

「そうよー?おとーさんが悩むくらいの大切さだよー」

「そ、それはホントに大切なお話だね…」

「いやあのイカレ野郎だって悩むことくらいあるでしょ」

「あのね、二人とも…」

「アサヒちゃんに性転換手術を受けさせるかどうか…なんだけど…」

「…え?」

「いいの!?」

目をキラキラさせて喜ぶアサヒと引き換えにコウはすっかり青ざめていた。



夕日で赤く染まった空の色が病室にも差し込んでいる。

彼のいるベットを隠すように囲んだカーテンに張り付いている

『睡眠中 起こさないでね:)』

がまだ剥がれていないことを確認しこっそりとカーテンの隙間から密室に入りこむ。

「やぁやぁ、ごめんねーずいぶん遅くなっちゃったー」

「あはは、そんな目で見ないでよ、ちゃんと伝えてきたからさ」

「あの様子じゃまだまだ考える時間が必要かもね」

どさっとベットの上の彼をよけて腰かける。

「ん?なんでこんなに遅くなったか?最初に家に行ってアサヒちゃんたちにその話をしてー…次にカラオケでしょー?そのあとはデパートでショッピングしたの、ほらもうすぐ私たちが初めてキスした記念日でしょー?」

「あなたへのプレゼントを選んでたんだよー」

「あなたはもう何か買った?それともこれからだったかな?」

「まあ、だからずーっと歩いてたよー、このブーツでね…」

「ふふっ、ふふふふふ…わかってるでしょ?これからどうなるか、なんでこうなったか」

「キミがあんなこと言わなきゃよかったんだよー?ちょっと機嫌が悪かったのかなー?でも私を不安にしようとするなんて許されるわけないよねー?だからこれはお仕置き、もしかしてキミにはご褒美だった?」

「うふふ…じゃあそろそろ口は解いてあげるね」

「5時間お利口に待ってたんだねーえらいえらい♪」

「ほら、そんな目で私を睨んでるけど体は正直に反応してるじゃない♪」

「そんなに良かったのかなー?私の連履きした靴下」

手足を拘束され口をふさがれ鼻にフィルターのように取り付けられた彼女の白靴下が黒く目詰まりしていた。

「ほら、これで少しは反省した?さっきキミは貞操帯なんて余裕だって言ってたくせに、こんなにパンパンにして~あなたはお嫁様には敵わないんだよ」

「はい♪どうだった?ご感想はいかが?」

「かはぁ…うぅ…だ…き…」

「ん~?」

「大好き…本当に…よかった…お前と結婚して…」

先ほどまでのニヤニヤと打って変わり口角から何まで顔がとろけてしまう。

「…ムフー!えへへー!」

「って違う違う、ん゛ん゛!!」

「そんなこと言っても喜んだりしないよ!そんなにちょろい女じゃないんだからね!」

「大分喜んでただろ…」

「ふんっ!そんなことないよ!」

「でもね、キミは私の機嫌を取ることには成功したから~」

「はい♡あなたの好きな今日一日中履いたブーツを嗅がせて手で扱いてあげるね♪」

「まったく~本当に変態なんだから~」

「普通の人は…私以外の人はこんなことしてくれないんだからね!」

「ね?だからさ…」

唐突に目の奥のハイライトが消滅し急な早口でまくし立てる。

「私を捨てようなんて思わないでよ?ほら、こんなことしてあげる人なんて私しかいないんだから、私なんかできることはこのくらいだしキミにはふさわしくないのかもしれないけどこうやってキミのやりたいこととか好きなことを頑張って叶えて見せるから、ね?キミにはたくさん選べる人とかがいるのかもしれないけど私にはあなたしかいないんだから、ね?それにキミってば今日みたいに私に好きって言葉とか態度で全然示してくれないじゃん…ほら、腕も私のせいでケガしちゃったわけだし私なんてキミを傷つけてばかりだからさ、もうわたしの事なんて愛してくれてないのかなって思っちゃう時もあって…」

「どうしたらキミが私のものになってくれるのかずーーーーーーーっと考えても私なんかに出来ることなんて全然思い浮かばないの、ねえねえねえねえねえねえ私キミのために役に立ててるかな?私あなたと一緒に入れて本当に幸せなのにいつか私の前からいなくなるんじゃないかって思っちゃうの、ごめんねこんな私重いよね?…」

「さっき言ってた浮気して待ってるってのは冗談だってわかったんだけど本当に不安になったんだよ?もしかしたら本当に浮気するんじゃないかって…キミのことを信じてないってことじゃないんだよ?でもキミってば本当に有言実行を体現したような人だし…コウ君もキミがナースさんをナンパしてたなんて言うんだしもう私…私…」

「いいから…早く扱いてくれぇぇぇ!!!!」

二人しかいない病室に彼の叫びが木霊する。



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