第18話


「それで…相談って何なの?あなた」

「お前にミイラになるまで絞り取られてなかったら昨日のうちに話せたんだがな。」

しわがれた覇気のない声で弱弱しく呻く

「アサヒは…今頃男の娘じゃなく女の子になってるはずだ…そこで、性転換手術を受けさせようかとな」

りんごの皮を夫に刺さったナイフで剥きながら話を聞く。

「それで?まだそれが正しいかわからないってこと?」

「久しぶりに討論して決めたいの?」

「いいや、そうじゃなくってさ…それに今そんな元気はない」

ふと目を離した隙にりんごは全て食べられていた。

「あぁ、りんご自分で剥いて全部自分でたべちゃうんだ、まあやるかもなって一瞬思ったよ、くそっ」

「昨日21回目が終わった時私の下で『離婚も考えようかな』なんて面白くない冗談を言った旦那さんにあげるものなんて無いもんね」

(冗談じゃなくて思わず声に出た本音じゃい)

「まあいい、アサヒとコウを一緒に住ませて性別が変わることのメリットとデメリットを判断して理解するようにしてるわけだ、本人たちはそこで話し合ってもらうが、一応おめーも親だ、子供の将来としてどう思う?」

「私はあなたを失わないならなんでもいいよー、子供って言ってもアサヒは半分しかあなたの成分がないからねー、私で薄まっちゃってるから」

「俺の体に傷が増える事を覚悟して言うがそういうとこ嫌いだ」

「まあその気持はわかるよ、でも私そこに嘘はつけないから」

「アサヒを含む全人類が滅ぶよりあなたが死ぬ方がよっぽど嫌なの」

「だから、私に聞くよりも」

糸目の隙間で夫と数秒目を合わせる。

「だから私のことなんて気にしないであなたの考えた結果とアサヒの気持ちを何よりも優先してあげて」

「…っけ、そんなわざわざ俺に嫌われるような事を言わなくても何をすべきか言えばよかっただろ」

「なんのことかしらね、私は思ったこといっただけだよ~」

「それにあなたが私に聞いてくるときは大概冷静さを欠いて碌なことにならないんだから」

「あ、勘違いしないで!私はあなたがまた選択を間違えたって後悔する姿を見たくないだけで…決してあなたよりアサヒのほうが大切だから言ってるってことじゃ…」

「あーあーあーわかったわかった、でも俺はアサヒのほうが大切だって言ってるおめーの方が好きだけどな」

「それだけはできないねー、いくらキミのお願いでもキミが一番じゃないなんて到底言えない」

「そんなことを言わせようとするような輩は誰だろうと許さないよ、たとえそれがキミでもね」

「おめーはいいな、一番が俺だけで」

「確かに良いところを見るのなら人類で1番楽だろうねー」

「それじゃあアサヒちゃんに聞いてみるね、少しの間だけ離れちゃうから…」

「やめてやれよ、2人だけの時間に水を差すなんて無粋なこと、範馬勇次郎じゃあるまいし、携帯で連絡すりゃ済む話だろ」

「なにー!夫のくせに彼女様に口答えするのかー!」

「いやいや流石にかわいそうだろ、どんだけモラルないんだよ」

「だって二人がちゃんと愛し合ってるのかも確認したいもん!」

「だからってなぁ…」

「それに、あなたの性癖を誤解するかもよー」

「私の足の型を取って作った本物そっくりなシリコン足を彼が見たら警察に通報するかもよー」

「…一理あるな」

「でしょー!私だっていろんなこと考えてるんだからねー!」

「それじゃあ頼むよ、でもせめて連絡してから行ってやれよ?くれぐれも現場を押さえないようにな」

「はーい!じゃあ待っててね〜」

「あーはいはい浮気してまってるぞ」

病室の扉に手をかけた彼女の手が止まり糸目が開き彼を睨む。

「へー…そんなつまんない冗談言っちゃうんだ…」

「冗談じゃないかもな」

「ふ~ん…」

おそらく差し入れの果物をよっぽど食べたかったのだろう、少し苛立った口調で彼女にせめてもの抵抗をする。


「そんなこと言っちゃうんだ」

「持ってきててよかった」

「あなたは彼女様だけのものだってまたわからせないとね」


「よし!」

「どう?痛くない?」

「はぁ…おかげさまでな!ったく!なんで俺がこうして入院してるのか考えてみろアホンダラ!」

「クソ…!貞操帯なんかつけやがって…」

「これ学生の時に30日間つけられてからトラウマなんだよ!!!」

「でもあの時はちゃんと溜まらないように私が相手してたじゃん!」

「そういう問題じゃねぇよ…クソ…」

「まぁいい…帰ってきたら外してくれるんだろ?そんなん全然楽勝だな、誰かさんに搾り取られたせいで苦じゃねぇ」

「そーやって言ってられるのも今のうちだよー」

「それじゃあ私がいないとダメだってその閉ざされたおち◯ちんに教えてあげるよー」

「やってみろよ、もー勃たねぇんだわ精子の出がらしも在庫切れなんだワ」

「うふふ〜」

「うふふ〜うふふ〜うふふ〜」

  

おそらく貞操帯をつけておくという選択は正しかったのだろう。


「なあ、看護婦さん俺ぁ今こんなんなってっからいつも当たり前にできてたことが満足にできないんだわ」

爪を短く整えた手を腹の前で組み淡いピンクのナース服はピンとノリが付いており作業のために作られた衣服にしては清潔感がありすぎる。

そんな衣服に関する疑問はどうだっていい。

問題は見下す目線の先のやけに明らかにおかしいハリをした布団だ。普通は恥ずかしがるようなものをまるで勝ち誇っているかのように見せつけている。

「だからさナースさんちょーーーっとしごいてくれるだけでいいんだ」

「…私の職務に含まれていません」

「そんな義務なんざ無いってか?俺たち患者の世話係だろ?ほら口でしてくれればいいからさ」

「はぁ…まったく、失礼な人…」

口ではそういいつつも彼のベットの前に跪き黒いきれいな前髪を耳にかけ、病衣ではなく彼の私服のファスナーをビィっと下ろし躊躇なく咥える。

もぎゅもぎゅと伸縮する音をたてる。

整った顔立ちがひょっとこのように吸い付き崩れる。

「どうです?痛くはありませんか?」

口を離し顔を伺う。

「最高に…気持ちぃです…あぁ…」

「むほほ…それはよかったです」

彼女の2つの目は彼を捉えて離さない、世の中の汚れに負けなかった白目が薄く青く綺麗だ。カラコンを入れているのだろう、黒目をよくよく見ると桜の模様が浮かんでいる。

基礎体温が高いのか彼女の口の中は火傷しそうなくらいに熱かった。

「あああぁ…!イクッ!イク!ナースさん!口で受け止めて!」

「ん…んぅ…はぁ…」

口を止め舌でなぶり口を三角にあけ彼に精子にまみれたベロを見せつけ口内にしまいキレイになった舌を見せた。

「はぁ…はぁ…ありがと、ナースさん…もういいから…」

「もういい…と?」

「そうだよ、ありがと」

「私ももうスイッチが入ってしまいました、ほら、私の中にも出して、私も気持ちよくして?」

「ハハハ…こりゃ困ったな…」

まったく困ってなさそうに言う。

ナース服を残し下半身は全裸になり彼に跨る。

「ほら、もう待ちきれないんですよ…それじゃあ頂きます♪」

「んぅ…はぁ…コレ…イイ…!」

彼のブツを体内にゴブンと呑み込み腰を上下し彼をもてなしつつ自分を楽しませる。

体が揺れるたび遠心力で先が揺れる。

ナースの切っ先は桜の花びらのようにかわいいピンクをしていた。鈴口からとろーりと我慢汁が溢れ出る。

「ああああ!コウ君…!コウ君!気持ちいい!」

「おいおいアサヒ、今はアサヒとコウじゃなくてナースと患者だろ?」

「はぅ…ごめんなさい…!でも…気持ちいいからぁ!コウ君!大好き!!!!!コウ君!!キスして!」

「はぁ…仕方ねぇな…んんんんん!!!!! 」

「ぷはぁ…アサヒとのキスぎもぢいいいいいいいいいいいいい!!!! !!!」

「ナース服のアサヒかわいい!好き!大好き!大好き!!」

「コウ君!!私もコウ君大好き!コウ君!」

「アサヒ!イク…!腹の中で受けとめろぉぉ!!」

「コウ君!!!私もイク!!!!一緒にイク!!!!!」

「「アサヒ!コウ君!」」


強すぎる快楽のあまりアサヒは天を反り仰ぐ

コウの角度からはいつもマフラーで隠している喉仏がよく見える。

アサヒのブツはぴくっぴくっと脈打つようにとろとろ精子を吐く。

コウの腹にぶちまけられた精子は火傷しそうなほど熱い。

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