第6話
「ごちそうさまでした、アサヒの母さん」
「はーい、それじゃあ後で片付けておくからそのまま机の上に食器とかおいててー」
「私は…キミたちがあんまりイチャイチャするもんだから私もおとーさんとイチャイチャしてくるねー!」
「あー…はい…それじゃあ僕たちは学校に行ってきますので」
「いろいろとお世話になりました」
「あーあ、お父さん今日はもう行動不能になっちゃうよ」
「そんなにすごいの?」
「本当にお母さんはお父さんのことが大好きだからね、今日は干物になると思うよ」
「それじゃあアサヒは不倫の子でも橋の下で拾ったわけでもないんだな?」
「家族写真のお父さんがあんまり似てなかったが」
「とんでもないこと言わないでよぅ!」
「いいからはやく着替えて!!学校行くよ!」
「んあ…それじゃあ俺はアサヒの部屋か廊下とかで着替えてるから荷物の準備でもしててくれ」
「わかったよー」
「あ、あとアサヒ!」
「ん?」
「その裾に隠した包みの中はなんの薬だ?」
「…ア、アレルギーの薬だよ」
「俺はなんのアレルギーもないぞ、俺の飲み物に入れたみたいだが」
「うーん…一筋縄じゃ行かないね…」
「油断も隙もあったもんじゃないな」
「そんなにこの家が信じられない環境なら私のいる前で着替えてたほうがいいんじゃないの?」
「そうなんだけど…付き合ってるとはいってもこんなかわいい女の前で着替えるってなると…恥ずかしい…」
「なんだよそれー!いつもあんなに好き勝手恥ずかしいことしてる恥知らずな存在なのに私に着替えを見られるのが恥ずかしいの?この永遠の童貞!」
「そ、そんなボロクソ言わなくてもいいだろ…じゃあいいよ、俺ここで着替えるからあんまり見ないようにしてくれよ?」
「わかったわかった、どうせコウ君の裸なんていつも見てるのに…ブツブツ…」
アサヒに背を向けて前日にアサヒとデートしていた時からの服を脱ぐ。
ったく…恥ずかしいもんは恥ずかしいんだから仕方ないだろ…あんまりかわいい子に対しての耐性ないんだよ…いまだにアサヒと目が合うと恥ずかしくなるし…
そういえば…あんなに薬を混ぜるのがバレバレなほど不器用だったか…? カチャカチャ…スッー…
まあそっちの方が助かるからいいか…
んあ…?そういえばなんだか変だな…やたらと目の前で着替えさせたがっていたような…視線も感じるし…
気味が悪いな…早く着替えてしまおう… スッ…ビチョ!!
「ん?」
制服がなんか濡れてる?
「ハァハァ…!!!あああ♡…!!やったぁ!!」
「コウ君が…私のザー汁で…穢されちゃった!!穢されちゃったぁ!!!ハァハァ…」
シャツの襟もとを捲って確認してみると見慣れた白濁液が胸のあたりまで垂れ始めていた。
「もう…我慢できない…!!私の子種が…コウ君の身体に受精しようとしてる!!制服まで汚して!!!」
「んっ…///おちん〇ん擦るの気持ちよくて止まんない!!!早漏しちゃう!!!」
「コウ君が…私のこと見てる!!こんないやらしい私を見てる!!軽蔑した目で見てる!!」
「何にも言わずに!!ただ軽蔑した目で!!!見られながら…イ…イクぅぅぅぅぅぅぅうううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!」
「はぁはぁ…えへへ…いっぱい…でちゃった…」
「なあなあ」
「ん?」
「この学校で一番かわいい女って誰だと思う?」
「えー…アサヒは含まれる?」
「いやいや、ありゃ殿堂入りだろ」
「だよな、レベルが違うさ。でもあいつ自分を男だと思って接してくるから俺たちみたいな童貞の心臓に悪いよね」
「わかる…普通の女子とは違って距離が近いって言うかなー…」
「それで勘違いして告白って流れだろうな」
「何回見てきたんだって話だよね」
「んで男だって現実を突きつけられて告白した癖にアサヒを振るんだよな」
「まあ勝手な話だけど…仕方ないところもあるよね」
「でもコウは…」
「コウ君は変わらずに大好きだって言ってあんなにラブラブだからなー」
「んで?『女子』では誰が好き?」
「うーん…僕は愛ちゃんかな…」
「ん?そんな子いたっけ?」
「いや、英語の先生」
「えぇ…40代じゃん…(ドン引き)」
ガラッ!!
「おはよう」
「おっ、コウじゃんおはよ…ってなんでアイマスクつけてんだよ…」
「アサヒの顔を見てしまったら俺はきっと許してしまう」
「そう…か…」
「じゃあ…この学校じゃない制服を着てるのはどうして…」
「ん?これか?アサヒの父さんの学生時代の制服だぞ」
「どうやって生きてきたら性別が同じ恋人の父親の学生時代の制服で学校に登校しなくちゃいけないことになるんだよ…」
「知りたいか?朝から精液入りコーヒーを飲まされかけて拒否したら奪われてた制服に精子かけられて気付かずに着た俺を見て興奮を抑えられなくなったアサヒが俺に向かって射精して制服が完全にだめになったから足コキプレイ中のアサヒの父さんの制服を借りたからだ」
「俺はめっちゃ怒ってるけど俺のことだからアサヒの顔を見たら許してしまうだろ?」
「だからこうやってアイマスクをせざるをえないんだ」
「ア、アサヒの家って…そんなド変態家族なのか…?知らなかった…」
「俺も付き合う前の片思いしてた時にはもっと普通だと思ってたよ」
「常識はあるくせに性欲と性癖と性別が普通じゃないんだよ」
「性に嫌われてるな」
「仲たがいしている今なら俺がアサヒにやらせてくれって言ったらやらせてくれるかな、俺もアサヒ好きなんだよな絶好のチャンスだ」
「やってみせろよ、俺が殺してやる」
「っへ、なんだかんだ言って好きじゃねえか」
「今は怒ってるの!」
ガララッ!!!
「おっはよー!」
「この声はアサヒ…!あいつなんであんなに元気なんだよ…!」
「みんなおはよー!!」
「あ、アサヒちゃんおはよー!」
「どうしたの?今日すごい元気じゃん!」
「いやー!昨日コウ君とデートしてからそのまんまお泊りしたんだ!」
「でもコウ君はアイマスクしてどこかわらない制服着てすっごい不機嫌だよ?」
「むふふー!どうしてかわからないけどきっと私のことをすーぐに許しちゃうと思うよー!」
「まあ見てなって!!」
「ねぇねぇ田中くーん」
「ん?どうした?」
「私この前どこかの誰かさんのせいで警察にいってて授業受けられなかったでしょー?そのときのノートをみせてほしいなーって!」
「もーちろんタダで見せてもらおうなんて思ってないからね」
「この前キミに彼女ができたことないって周りに馬鹿にされるって言ってたからさ!」
「私がキミの彼女として馬鹿にしてきた奴らに見せ付けるようにイチャイチャしてあげる!」
「な、なにを…」
「あはっ、私としては彼女のフリじゃなくてもいいんだよ?キミならね」
「ア、アサヒ…お、俺は…お前が本当の彼女なら…」
「アアアアアサヒ!!!!!こんんのクソビッチがああああああああ!!!!!!!」
「っは!そうだ!お前にはコウがいるじゃないか!俺を嫉妬させるためだけに使うんじゃない!」
「もー…私は本気だよー?あんな大好きな彼女に負けちゃうからって理由でアイマスクをつけなくちゃ生活できないよわよわ♡彼氏なんて寝取られて当然なんだから!」
爪を掌にめり込ませてアサヒの言葉責めに寸でのところで耐える。
「ほらほらー何とか言ったらどうなの?そんな風に意地を張って無理に見ないようにしてないで、そろそろ私の顔を見て許して♡」
くそっ!!!こんな仕打ちにこれ以上耐えられそうにない!!もう…アイマスクを外して…アサヒのかわいい顔をみて心を落ち着かせたい!!
「ほーら♡素直になっちゃえ♡」
うおおおおおぉぉ!!!もう取ろう!素直になろう!我慢できない!!
彼はアイマスクをしていたためアサヒがどのくらい近くにいるのかがわからない状況だった。
自分の決死の覚悟が心変わりしないうちにアイマスクを取っておこうと素早く腕を動かしたことが裏目に出た。
彼の肘になんだか柔らかいような固いような形容しがたい何かが当たる。
グニィッ!!!!
意図せずアサヒのスパッツ越しに金的をしていた。2人をしばらく見ていた周りの野次馬たちは痛みに共感し青ざめている。
「ぐおおおおおお!!!」
「痛ってええええこんちくしょおおおおぉぉぉぉ!!!!!」
コウの視界が初めて自由になった最初に目にしたのは苦しみ悶えるアサヒの姿だった。
「うおおおおおおおおおおおおお…」
「くっそがああああ!!コウ君!覚えとけよおおおおおお」
ドサッ…
「アサヒ!大丈夫か!」
「アサヒちゃん大丈夫?」
「ひどく苦しんでる…」
「なんてかわいそうなことを…いったい誰が…」
「…」
「なんだよ…どうしてみんなして俺に目線をやるんだよ…」
「最っ低!」
「喧嘩してるからって女の子に手をあげるなんて!」
「男としての風上にも置けないカス野郎!」
「死ね!」
「いやいや…俺はその…悪気がなかったていうか…たまたまっていうか…いや、
そっちの『たまたま』じゃなくって…」
「…って!そいつは女じゃなくて男だろうが!」
「それより誰か死ねって言ったな!出てこい!表出ろ!!」
「うるせぇ!オメーに発言権があると思ってんじゃねえ!!!ほら見ろよ!このアサヒちゃんの苦しそうな顔を!!!」
「…ゴクリ」
「勃起してんじゃねえ!!!人間モドキ!」
「あ、アサヒ…これで今朝のことをチャラにしてやるから…その…許してくれ…」
「あと、その顔すっごい興奮したから今度玉責めプレイさせてくれない?」
「・・・」
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