27.陰陽庁※ミコト視点
「カラスマさん、今大丈夫ですか?」
総隊長室には大分疲れている様子のカラスマさんが書類の整理をしていた。
「総隊長殿と呼べ。……なんだ?」
「襲撃してきた鬼が陰陽術を使っていた可能性があります」
カラスマさんは書類を置き、こちらを鋭い目で見詰める。
「なにか根拠があるのか?捜査は継続しているがそんな話上がっていないぞ」
ジャック君の事を話す。
「急に隊員を入れるから何かと思っていたが。情報の秘匿など、お前でなければ懲罰処分だぞ。」
すみません、と謝った。カラスマさんは考え込んでいる。
「鬼がどのような形で陰陽術を使っているかはわからんが、使っていると考えると色々と辻褄があう。今後の対応の厳しさもな」
討鬼府は陰陽術で成り立っている。陰陽術が当てにならないとなると組織を一から作り直すに等しくなる。
「……陰陽術か。丁度いいのかもしれないな。今、陰陽庁から使者が来ている。今は上層部が相手をしているが、いずれ私も会うことになるだろう。そこにお前も参加してもらうぞ」
「陰陽庁がこのタイミングで?」
陰陽庁。西にある対鬼組織。討鬼府の母体でもある。陰陽庁の一部の者達によって東側を守るべく討鬼府が創られたという経緯がある為、陰陽庁の者は討鬼府を下に見る傾向がある。
「陰陽庁も鬼に襲撃されたようだ。被害は無かったと自慢げに話していたよ。へたに陰陽術に触れたらなんと言うか。お前がいると助かる」
カラスマさんは陰陽庁と関わるのを心底嫌がっている。
「ジャック君を黙っていたこと許してくださいね」
陰陽庁の使者に呼び出されるまで2人で色々と今後の対応について話し合った。
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