21.天才②※タケル視点
大鬼の体長は15mといったところか。急激に巨大化していたが10mを超えたあたりからペースが落ちてきている。
「まかされるのは良いですけど…、原川光クンとの時間もらえますか?」
未だに鬼の憑依についての調査が出来ていない。今回の合同任務で何かしら進展させたかった。
「ヒカリ君の意思を尊重するけど、善処するよ」
佐野隊長から言質を取れた。良し。大鬼を見上げ刀を構える。
「《解放》、餓者髑髏纏」
餓者髑髏は骨の妖。妖刀は骨へと変わり僕を包みこむ。霊力を注ぐとそれに合わせ大きくなっていく。大鬼と同じ大きさにまでなった人骨の中でさらにもう一刀抜き霊力を込める。
「《解放》、鎧武者」
巨大な人骨が具足を着込む。二刀解放。膨大に霊力を消耗するので隊長の中でも使える者は多くない。僕は討鬼士としては落ちこぼれだった。体格が小さく力が弱かったから。足りないものは他で補う。妖刀餓者髑髏と鎧の力で強力な身体を得た。
大鬼に組み付く。互いの力が拮抗する。
「この躯痴様と力比べをしようってかぁ!」
大鬼に押されだす。この鬼、歪に角が生えていると思ったが1本角が折れている。実際は4角か。
佐野隊長を中心に隊員達が結界を強化してくれたようだ。大鬼を逸らして距離を取り刀を構える。
「うおおおおオオォ!」
「はあああああああ!」
突進してきた大鬼を一刀両断にした。さすがに疲れた。《解放》を解く。
角を折られていてよかった。本来の力はどれほどだったのか。
どうやら鬼道の発生も打ち止めのようだ。さてどうやって説得するか。どんな実験をするか。まだまだ忙しい。
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