18.対応
ミコト隊長が臨時隊長会から戻ってきた。
24番隊の被害は重症者3人、軽傷者4人。特に24番隊隊長の傷は深いらしい。
「羅切と名乗った4角の鬼。ジャック君知ってるかい?」
「知らないみたいです」
頭の中でジャックが否定したので隊長に伝えた。日々の訓練と実戦によって霊力が高まったみたいで、ジャックを完全に押し留めることが出来ている。
『やり辛い。替われよ』
勝手に体を使われるのは嫌だが緊急事態だ。ジャックと隊長の会話でなにか重要な事がわかるかもしれない。
「あ〜。最近ずっと押し込められていたから窮屈だったぜ」
ミコト隊長はジャックと替わったのを確認して改めて質問した。
「羅切は24番隊が退いた時も特に追い掛けてくることもなく、他の隊が救援に来た時には消えていたらしい。この行動は?」
「まだ鬼道は狭い。開く間隔だって散発的だ。遊びに来たが長居するつもりはなく大人しく帰ったんだろうさ」
「君の言い方や羅切動きからして百鬼夜行が近々起きる…ということかい?」
隊長の笑顔は変わらないが言葉からはいつもの軽い感じはしない。
百鬼夜行。とても広い鬼道ができ大量に鬼が湧く現象。
「勘のいいヤツは気付いてるだろうさ。今回は大きいのが開くってな」
ジャックが楽しそうに言う。
「君の目的は、…教えてはくれないんだね。まあ、いいさ。討鬼士のすることは変わらない。どんな状況であろうと人を脅かす鬼を討つ。それだけさ」
これからは今までの様にはいかない。そんな空気を感じ取った。
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