2.天邪鬼

 「ありゃりゃ。もろいねえ」

 

 思いきり顔の真ん中を殴ったら鬼の首が千切れて頭が飛んで行った。

 頭の無い鬼の体が立ち上がり、頭の所に歩いていく。頭を掴むと必死に首を繋げようと押し付ける。


 「さて、と」


 軽く屈伸をして瞬時に鬼の前に立ち角を掴む。

 「じゃあな」


 ボキッ!鬼の額から生えていた角が砕ける。すると頭がなくても動いていた鬼の体がビクッと蠢き煙のように消えてしまった。


 「まあまあだな。さすがオレ様」


 やっと手に入れた肉体だ。もう少し慣らしたい。今回開いた鬼道は小さいがまだまだ鬼が湧いてきているはずだ。獲物を探して歩き出す。


 しばらく鬼を狩っていると声をかけられた。


 「あなた!何をしているの!!」


 人間。3人か。その恰好は知っている。討鬼士だ。符術を使い鬼を祓う陰陽師と違い、刀を持って鬼と戦う。


 「オレ様の名前は天邪鬼!最強の鬼だ」


 自信満々に名乗りを上げると討鬼士達が身構える。


 どれ一つ今の人間の力、みてみるとしますか。

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