第7話
さらに二年がたち、俺は九歳になった。
身長も伸び、筋肉も少しづつ付いてきた。順調に大人の体に成長している。
この二年間殆どを、魔法の修行に費やしてきた見た。たまに剣術や、武術の訓練もし、こちらの方もだいぶ上達した。
魔法も全属性の神級魔法まで、使えるようになり、魔力量もだいぶ増えた。
「そろそろ森の中にあると言っていた、村に行くとするか」
召喚魔法の生贄に捧げる、人間の品質を見ときたいしな。あと一年もすれば、魔術師に到るだろうからな。
「まずはここから出るか」
俺が今いる空間は、周りに何も無く、真っ白な空間が広がっている。
空間属性の神級魔法『異空間』だ。膨大な魔力と、精密な魔力操作ができなければ、使えない魔法で、この空間では、神級魔法を使っても、外部には一切影響のない隔離された空間だ。
『異空間』を覚えた事によって、魔法の修行が、だいぶ捗ったからな。
「『異空間ゲート』」
目の前に黒い渦が現れる。空間属性の最上位魔法だ。黒い渦の中は、元いた世界の俺の私室に繋がっている。
渦の中に入り私室に戻る。
戻るとそこにはメイドが立っていた。
「お疲れ様です」
「ああ。ラール村に向かう。着替えの準備をしろ」
「かしこまりました」
ラーる村に行ってから、まず確認しなければいけない事は、どれだけの人数が住んでいるかと、強者が何人ほどいるかを確かめなければな。
「着替えをお持ちしました」
「ご苦労」
白のシャツを袖に通し、黒のズボンを履いた後に、黒の羽ジャケットを羽織った。
「では行くとするか。生贄達を見定めに」
「………」
「メイド。貴様も着いてくるか?」
「……いいのですか?」
「構わん。だが、貴様が死にそうになろうが、俺は助けたりしないが、それでもよいなら着いてくるがいい」
「……」
「無言は肯定ととってもよいのか?」
メイドは下を向いて顔をあげようとしない。一体何を考えているのか、まるで分からん。
それから二分ほどたって、考えが纏まったのか顔をあげた。
「……行かせていただきます」
「そうか。では行くとしようか」
こうしてラール村に向けて出発したのだ。
後書き
投稿再開していこうと思います。
今回は短くてごめんね〜
魔術師に至りし王は、世界を蹂躙します。 こたろう @marimo0214
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