第4話
「さて・・・魔物を狩りに行くか」
この世界には、魔物と呼ばれる生物が、存在しており、人を襲ったりなど凶暴なのだ。中には、言葉を喋れるものもいるようだが、それらはランクの高い奴らだろう。
魔物にはランクがあり、一番下のFは四級魔導師や、剣士が殺せるレベルで、一番上のSSS級は、大賢者が、百人いても、勝てるか分からないレベルであるそうだ。別名厄災と呼ばれているそうだ。
厄災相手には、魔術師、剣神、超越者と呼ばれているもの達が、戦うそうだ。
超越者とは人の存在を捨て、新たに進化した人間の事らしい。有名なのは、勇者と呼ばれている奴らだ。
いずれ戦う事になるだろうが、それも楽しみの一つだ。どれ程強いのか?どれだけ俺を楽しませられるのか、楽しみで仕方がない。
今は力をつける時。別邸の傍には森があり、魔物が住み着いており、魔法の練習相手になってもらっている。
「今日は何匹殺そうかな?ククククッ」
森へ入り、魔物の気配を探す。
「見つけた」
歩きながら移動する。少し先にゴブリンの巣があった。
「グギャッ!」
「グギャッ!」
ゴブリン共が俺に気好き、巣の中から十匹程出てくる。
「相変わらず気色悪いな、お前らは。まぁそれが良さでもあるが」
「グギャッ!!」
「おっと、すまんすまん。言葉が分からなかったな・・・・俺とした事が悪い事をした。別にバカにしている訳ではないぞ?お前たちのその醜さも魅力だと言っているんだ」
「グギャッ!!」
一匹のゴブリンが襲いかかってきた。
「クククッ愚かな奴め」
「ギィ!?アァァァ!?」
俺に近ずき、木の棒を振り下ろそうとしたゴブリンの体が、微塵に切れ、血を流し倒れた。
「『風の守り』風の中級魔法だが、込める魔力によって、強度も切れ味も変わってくる。いい実験台になってくれて助かったよ」
「グギャッ!」
「グギャッ!」
「グギャッ!」
襲ったゴブリンが一斉に襲いかかってきた。
「今回は魔法以外でも相手をしてやろう」
俺は空間属性の〘空間個〙の中から剣を取り出す。一般に売られている剣だが、問題ないだろう。
「ギィ!?」
「ギガァ!?」
「アァァァ!?」
一匹二匹と、次々に切っていく。首を切られ即死するもの、胴体を切られるもの、心臓を刺され死ぬもの様々だ。
「どうした、来ないのか?」
「グギャッ」
「グギャッ」
「足が震えているぞ?」
残り二匹のゴブリンは、俺に恐怖を抱き戦意喪失している。
「つまらん・・・・『圧縮』」
「ギィィィィィィィィィ!!!」
「ギャッァァァァァァァァァ!!」
最後の二匹は呆気なく潰れていった。
「戻るとするか・・・・ん?」
「ブヒィ」
「ブヒィ」
「クククッ!今日の俺はついているらしい。今度は豚が現れたか」
別邸に戻ろうとしたところ、森の奥から剣を持ったオークが現れたのだ。ゴブリンより巨体で、デブなのが特徴だ。
「さて・・・どうやって遊んでやろうか」
「ブヒィ!!」
一匹の豚が剣を振り下ろしてきた。俺はそれを軽く回避し、反撃しようとしたところ、死角から、もう一匹の豚が剣を投げてきた。
ガキィン!
「!?」
「驚いたか?お前ら豚には出来ない芸当だろうからな」
今回使用した魔法はバリアだ。魔力操作を極めて出来るようになったが、魔力を体の外に放出し、放出した魔力を操作する事によって、体の周りにバリアを展開したのだ。
「驚いている暇はないぞ?」
剣を投げてきた豚に、光の初級魔法である、『光の矢』を放つ。
「ブヒィ!!!!!」
光の矢が豚の右肩に当たり、腕が吹き飛んだだ。
「ブォォォォォオ」
同胞が傷付けられたのを見た豚は、此方に向かって突進し、剣で攻撃してくる。
右手にある剣でそれを受け止め、そのまま豚の剣を折り、豚に向かってある魔法をかけた。
「『闇ノ幻覚』」
闇魔法は、主に呪い関係と、精神を攻撃する魔法だ。今使った魔法は、今右腕が無くなり、崩れ落ちている豚を、俺に見せかけているのだ。
魔法をかけられ豚は、途中落ちていた剣を拾い、今も右腕を庇いなら苦しんでいる豚の所に行き、その剣を首にめがけて振り下ろした。
「ブヒィィィィィィ!!??」
首が跳ねられた豚からは、大量の血が飛び散っていた。
魔法がとけ我に返った豚は、同胞を殺してしまった同様、そして絶望していた。
「クククッハハハハハハハハハハハハハッッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!愉快!愉快!その絶望した顔!!その顔が見たかった!!!」
人間でない豚にも、仲間を思う気持ちはあったようだ。人間が絶望する顔もいいが、魔物が絶望するのも悪くないな。
「ブォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオ!!!」
「クク!同胞が殺されキレたか?先程の豚の命に何の意味がある?所詮貴様らは下等種、その命に価値はない」
「お?何をする気だ」
右手に魔力を集める豚。その手のひらから、火の玉が出現し、俺目掛けて発射した。
火の玉を避ける事無く受ける。当たった場所から、火が広がり、煙があがる。
「ブォォォォォオオオオオオオオオオオ!!」
仇をとったと言わんばかりに吠えるオーク。
「何かと思えば、ただの初級魔法。それも魔力もろくに篭ってもいない」
「ブォ!?」
煙が腫れ無傷な姿を見て、驚愕する豚。
「・・・・そろそろ終わらせるしよう『テンペスト』」
「!?」
豚の周りに竜巻がおこり囲みはじめる。
「ブヒィィィィイイイイイ!!」
豚の体中が切り刻まれていき、あちらこちらから血が出ている。
「ハハハハハハッッッ!!!無様だな!!」
「ブ、ヒィ・・・・」
豚が息絶え倒れた。最早原型を留めていない。
「ようやく静かになったか。下等種が中々楽しめたぞ」
今日の収穫は、ゴブリンと豚か。俺の、魔法の実験台になれたのだ、満足しているだろう。
「魔石を回収して帰るとするか」
魔石とは魔物の核であり、力の源と言われており、殺す事によって死体から出てくる、もしくは取り出すのだ。
魔石の役割は主に、魔道具と言って、魔力で動く道具の事をいい、この世界では、平民でも買う事が出来るなど、広く使われている。その他かにも、魔石を売る事で、生計を立てている冒険者などもいる。
「今日は、ゴブリンの魔石が十個と、豚の魔石が二個か・・・・ボチボチだな。そろそろ帰るとするか」
出て来た魔石を『空間個』に入れて、別邸へ帰るために歩き出したのだった。
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