第15話「復活、最凶の四天王」
別日―――――
「よし、リハビリ運動でもしようか」
「だな!体が鈍ってると今後の活動に支障をきたすしな!」
久しぶりにとある平原に四人で来た。
「私はギルドに行って注意喚起をしておきますね」
「んじゃ~私はバリアでも貼って被害を抑えるね~!」
「お~、二人共、頼んだ」
ナルとスーミラが別々で行動を始めた。
準備が整い――――
「そんじゃ」
「やりますかぁ!」
お互いに初っ端からスピードを上げて組手を始める。
「スピードが落ちてんぞ?リーダー?」
「手加減してやってんだよ!バーカ!」
お互いにそう言い合いながら徐々にパワーとスピードを上げていく。
一方で――――
「・・・ギルマス、あれって俺らが活動しているクランの名物の?」
「おう、昔から定期的にやってたっつう【スピード組手】だ。ただ・・・」
「・・・ただ、まぁ~」とギルドマスターのギリアムは腹を抑える。
「アイツらについて行ける奴ら居なくてな」
「・・・そんなにやべぇやつなんですか?」
徐々に冒険者の人だかりが出来ていた。
場は戻り――――
「――――と、ここまでにするか」
「そうだな!さすがに目立ち過ぎたか~俺ら」
組手を早々に終わらせて解散した。
「―――で、一度、お前の母国に行こうと思うんだが・・・どうだ?」
「そうだな・・・弟がこの国に来て以降、俺が亡くなった後もまだ情報はないんだろ?」
彼ら兄弟ははとある国の出身者。
だがしかし彼らは身分を偽り兄弟共々、今居る国に引っ越して来たのだ。
「あぁ、だからこそ調査をしたい」
「・・・っし!行く準備するか!」
こうして、彼らは目的地に行く為に早速準備を始めた。
「ナル、予備は?」
「異空間の中に保管して貰ってます」
「スーミラ、お前の自作のポーションセットを異空間の中に突っ込め」
「おっけぃ!」
彼らが準備を始めている余所で、幹部の彼らは―――
「え?今から準備してるんですか?クランリーダーは」
「あぁ、お前の母国に調査をしに行くんだとよ」
ギルドマスターのギリアムは読んでいた新聞紙を机の上に置き、掛けていた紐付きの眼鏡を外して首にぶら下げる。
「確か、今は亡国なんだよね?」
「あぁ、これでも元貴族だからな。父さん達が亡くなった後に兄貴と急いであの国から離れたからな。唯一の情報源が亡くなった父さん達に雇われていた従者達なんだ」
「今持っている情報はそれだけなんだろ?新たに情報を得る為にリスクを冒してまで会いに」
彼らはギルドで成果を上げた事でギリアムの元へ来ていたのだった。
「アイツらはああ見えて随一の元暗殺部隊ですから。捕まっても情報を抜かれる前に最終手段として自害もする程に己の信念を持ってますんで」
「そっか~」
彼らは再び受けた依頼の場所へ足を運んで行った。
「・・・なぁ、アイツらだけで十分な情報を得れそうか?」
「そうね~、特にナルさんの情報の扱いは随一ね」
ギリアムの妻のティージリアは飲み終えたコップにまたお茶を淹れ直す。
「確かに。あの4人は古くからの付き合いだったけか?」
「えぇ、前にそう聞いているわ」
ギリアムはお茶を飲みながら窓の外を眺める。
「さて、あと残りの仕事はどれ位だ?」
「あと半分ね。私も手伝うわ」
場面は戻り――――
「よし、出発は明日の午前!それまでに各自忘れ物チェックをしとけよ」
「「「了解」」」
各自、チェックを入れて点検していると、一人の男が現れた。
「おっ、情報屋か」
「チッス~☆君らに情報渡した方が良いかと思って、来たよん☆」
情報屋の女はとある資料を僕にくれた。
「・・・これ本当なのか」
「そーそー☆例の女、みんなが向かう目的地の国にいるらしい情報を得たんだ☆」
アイツ、目立つ様な行動は隠す筈だが・・・
「罠・・・だな」
「だよな、やっぱ」
この場にいる四人全員がその女に関して性格も行動もすべて把握している。
「ありがとうな、情報屋。ホレ、金貨」
「うひょ~☆金貨五枚は太っ腹~♪」
情報屋の女は僕が渡したお金を持って出ていく。
その間際――――
「そうそう、また何か得たらギルドと君らに共有しておくね☆」
「あぁ、その時は頼む」
情報屋が出て行った後、四人でもう一度話し合う。
「・・・で、どう思う?」
「ん~、多分あそこの門に入った瞬間から監視とかされてんじゃね?」
監視か・・・
「確か暗殺部隊が多く居るような国だったか?」
「あぁ、どの奴も手練れが多い。多分だが・・・俺が死んだ事もその情報が洩れてる可能性が高い。だから俺自身は変装しようと思う」
確かに、ゼクターの事を知らない国ではないな
「そんじゃ、そうしよう。全員もう一度情報を整理してからだな」
「わかりました。スーミラと話し合って情報整理をしておきます」
「じゃ、先に部屋に戻るね~」
ナルとスーミラが出た後、二人でもう一度確認する。
「・・・で、あの女があの国に居る可能性は・・・」
「変装か、もしくは整形で姿を変えている可能性はある。アイツは弟子にした時からそうだったからな」
充分に話をした後、そのまま別々の部屋で就寝した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます