第6話 冬って都合いい

 未咲「はい進くん、あーん♡」

 進「あーん……なんかいいのかな、僕全然社会復帰できてないけど……」

 未咲「いつかきっとうまくいくよ、わたしもがんばるから、ね?」

 進「うん、もちろん僕もがんばるよ」


 そう話しながら、これからどうしようか考えていくことにした。


 未咲「職業探さなきゃだね~、いいところあった?」

 進「なかなかないね……僕にあった内容がまわってこないよ」

 未咲「そっか……それでも探していかないとね」

 進「そうだね……大変だけど、しっかりやっていくよ」


 冬って都合がいいかもしれない。いつしか春泉ちゃんのことも忘れて生活に戻っていった。これでいいとは思ってないけど、ほんと冬って……。


 そしていつしか進くんも職に就きだして、少しずつ生活が安定してきた。


 進「きょうはできそう……?」


 そんなこともしちゃったりして、けっこう充実していた。


 未咲「やんっ進くんっ、それ気持ちいいっ……おしっこ出ちゃいそう……」


 そんな色にベッドを汚したりもして、ちょっぴり恥ずかしかった。


 未咲「春泉ちゃんのおしっこのにおい、わたし結構好きだったな……」


 なんていうと、あの世にいる春泉ちゃんから怒られちゃいそうだけど。


 未咲「もし春泉ちゃんが死んじゃった原因がわたしにあったら、ちゃんと幸せにならないとだね……ありえない話ではないと思うし……」


 死人に口なしだから、本当のところはわからないけど。


 未咲「わたしが勝手に考えてるだけかもしれないんだよね、全部……進くんと幸せになれるかどうかだって、ふんわりとしかわからないよ……」


 これも冬の都合のよさなのかな。不幸なことはあってもこうして続いているから。


 未咲「負けないように頑張らなくちゃ……進くんのもいじってあげよ……」


 ちっちゃくて健気なあそこの先っぽは、ちょっと触っただけでも大噴水に。


 未咲「男の人のおしっこもいいなぁ……進くんだからかな」


 特別視してるところはあるかも。でも幸せだからいいか。

 戻れない日々の中にそういうのを発見すると、なんだかうれしい。


 未咲「あっそうだ進くん、女の子の恰好またしてみない?」

 進「いや、それはいいよ……十分楽しんだから……」

 未咲「遠慮しなくてもいいのに~、あれ可愛かったと思うよ?」

 進「ほんとにいいから……気持ちだけそうしとくよ……」


 照れているところも愛せる。どこまでもいけそうな気がしてきた。


 その夜のことだった。


 春泉「ミサキ……ミサキ……」


 春泉ちゃんが夢の中に出てきたような気がした。はっきりとそうだとわかったのは、起きる直前だった。


 未咲「あれ、春泉ちゃんの声だったよね……なんだか苦しそうだったな……」


 二度寝を決めるのんきなわたし。春泉ちゃん、ほんとにごめん……。

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