どんなに科学が発展した先でも、人間の性は変わらないというあたりにリアリティがあり、色々と考えさせられました。
すこしずつ舞台背景の靄がはれていくような構成も良かったです。
素敵な読書体験をさせていただきました。ありがとうございました。
作者からの返信
初めまして。感想ありがとうございます。
VRものといえば未知の世界や未来の象徴ですが、人間の本質は変わらないんじゃないかな、というのが書くきっかけでした。
どんな夢でも実現するという華やかな具体例と、現実を望んだ場合との温度差を体感してもらおうと、この構成を選びました。謎解きの感覚も味わえますしw
大人向けのお話でしたが、汲み取っていただけて感謝しきりです。
またよろしくお願いします。
美しい!最初は何の話なのか分からずに、少し困惑しました。ですが、VRの説明が来てから全てが動き出しました。
そして後半のロイと老人のやり取りで、何が起こっていたのかを理解しました。
とても面白かったです。
称賛するのは簡単なので、自分が思う改善点を述べたいと思います。
個人的には、序盤の方に少しだけネタバレが欲しかったです。
ドアによる変化が続くので、どう捉えて良いのか困りました。
ここで挫折する人もいるかもしれません。
以上です。
大人向けの企画から来ました。自分もショートストーリーを書いたので、良ければ見にいらしてください。
作者からの返信
感想ありがとうございます😊
大人向け企画に参加して正解でしたw
改善意見もありがとうございます。
再度読み直し検討してみましたが、この小説は千五百文字の掌編です。
VRだと判明するまでは千文字もなく、謎のままでも読み通せる分量だと判断しました。ネタバレというかヒントという意味では、《扉》の表記やつながりのない世界がそうですし。
とはいえ、忌憚ないご意見には感謝です。
私も感想で嘘が言えない体質ですので、ありがたい限りです。
そちらの作品はジェンガが題材ですね。
ゲーム関係の小説は大好きです。
忌憚ない感想でよければ、書かせていただきます。
どこかにでも行けるシステムなのに、
最後は見慣れた場所に戻るというのは
皮肉でありつつ、人間の性にも思えます。
また、最期を看取る人物にAIを指名するというのも
今風なのかなあと思います。
昔だったら大家族で看取ったはずなので。
でも、昔でもAIという概念があったら
AIを選んだのかもしれませんねえ。
作者からの返信
感想ありがとうございます!
「やっぱり家が一番」ではないですが、最後を過ごしたくなるのはそうかな、と考えました。同時に、どんなスーパースターより、本物の自分で最期を迎えたいのではないかとも。
最後に誰と過ごしたいかも同じで、おそらくこのホームの老人には看取るつもりの家族はいないものと思われます。故にVRが必要なのだと。最後にロイがVRの家族を作る提案をしていましたが、そこでもやはり「本物」以外は不要と判断したものと作者は考えています。本物の家族がもしいたら、違う最後があったかもしれません。
でも私も、AIに看取られる最後というのも悪くない気がします。湿っぽいのが苦手ですしw 身近なAI、例えばスマホなんかに見送られる未来が、案外望まれるかもしれませんねー。
ひたすら余韻だけが残る、どうコメントすべきか困るような作品ですね w。
この手のテーマは、もはやテーマと言うよりジャンルになっている感があって、ただVRオチでは話が成立しなくなってるほどなんですが、いろんな含みを持つこのような作品を読むと、まだまだ書きようはあるものだなと思います。
それにしても改めて読むとこのシステムはいいです。
決して他人事ではない年齢に差し掛かっている身からすると、こういうのも理想的だなと思ってしまいますねえ。
「何でも望みが叶う、そんな仮想空間のはずなのに」というのは、肩透かしを食った開発関係者たちの述懐かも知れませんが、そりゃそういう時期の年寄り相手じゃね 笑。
でも案外、人の幸せに対する想像力って、その人の記憶の範囲でしか広がらないものなのかも知れません。
それか、その人が観たり読んだりした「作品」の範囲内か、ですね。
その意味では、こんな補完型のVRシステムでも、大体の人は安全に楽しめるんではないかと勝手に推測しますが。
現実のデータでは「最期にはなじみの家で過ごすことを選択する顧客が多い」とか、そんな味気ない総括になるのでしょうね。巡回しているのがAIだからこそ、これだけの重みのある描写になったのでしょう。
次第に設定が明らかになっていく開示の仕方がお見事でした。
いつもながら一文節たりとも過不足のない、キメキメの文体も素晴らしいです。
堪能させていただきました。ありがとうございます。
作者からの返信
いつも感想ありがとうございます!
フルダイブVRものというと、ゲームだったり派手派手なイメージが強いので、現実的に着地させたらこんな感じかな、と思ったのが書いたきっかけです。湾多さんの昔書かれたヴァーチャル葬式的な発想ですw
この話、ある程度以上の読み手には刺さるかなと思ってましたが、狙い通りで満足です。私も自分だったり、自分の母のことを考えながら展開練っていました。
最初は理想的なシステムじゃないか!と思いかけたんですが、おっしゃる通り、「最後は自分の家」というオチが一番多そうな。もしくは仕事するとか、畑をいじるとかw
多分システム的には、膨大なデータが準備してあって、経験以外の希望にもかなり添える(無理な部分は想像補完)ようになってると想定してます。ワールドカップとかそんなプログラムなんだと。まあでも、ほぼ経験内の範囲になりそうな。もしくは有名作品チョイスか。
実は投稿寸前まで、夕焼け見ながら二人で語るパートが五百文字くらいありまして、色々人生語ったりしてたんですが、読み返すとどうにもバランス崩れてる気がして、ガッツリ削って今に至ります。短編は読者のイメージを信じて投げる勇気も必要だなと。
リハビリ作品で多少自信なかったんですが、満足していただけたなら何よりです。さあ、次作に取り掛からねば……!
拝読いたしました。
なんか少し虚しいというか悲しい気持ちになりますね。
望めばどんな美しい景色にも出会えるし恐らく見たことない景色だって見られる技術なのに、最期に見たいのは自宅の景色…
ただ、自分でもこうなるんだろうなっていう気もしてしまいます。
いつぞや「明日は世界が終わる日で、今日一日を自由に行動できるとしたら何をするか」みたいな話題をTwitterで見かけた時、「なんだかんだで普段の休日を過ごしてる感じで終わるのが満足かな」と思ったことを思い出しました。最期だからこそ、当たり前にあった「いつも」が愛おしくなるのかもしれませんね。
作者からの返信
感想ありがとうございます。渋いとこチョイスしましたねw
今作はわりと大人向けというか、若い人には共感難しい感覚があるような気がします。私も若い頃なら虚しさを感じたかも。
双町さんがお幾つかは存じませんが、ちょうど中間くらいの感性なのかもしれません。
おっさんになって、そろそろジジイの入口も見えてくると、こういう話がリアリティを持って来るんだなと、年食って知りました。
「やっぱり家が一番ね」じゃないですが、人が最期に過ごしたい場所は未来でなく過去、失われた「いつも」にあるんだなと。
SFながら、まるでらしからぬ本作ですが、自分の「いつか」を考える切っ掛けになれば幸いです。