ガチャ646回目:超久々のガチャ
「……でも、逆に『炎』の奴は相性ばっちりなんじゃないか? 汚物は焼いて消毒するもんだしな」
「まあ、そうだね。『炎』の取得時期ははっきりしないけど、多分彼の年齢から考えても、変質したあとに取得した可能性があるんだよね。ダンジョンの変質はそこに眠っているスキルにも影響は与えるだろうけど、『
「それは……『運』が良かったな」
「まったくだね」
膝の上で甘えてくる2匹の猫を撫でていると、1匹の子猫と目が合った。
「旦那様~。それで、そのダンジョンは行かないんですの?」
「まあ、行かないだろうな~。あんな失礼な態度取られちゃ関わりたくないし、そもそもうちの彼女達をそんな汚い場所に連れて行きたくはないし。スキルは珍しいものだろうけど、話に出た以上ガチャから出ちゃいそうな気もするんだよね」
「ふふ、それはそうですわね。あっ、旦那様。ガチャですわガチャ! もう回してもいいのではありません事?」
「ん。ショウタ、ガチャ回す?」
子猫モードで寝息を立てていたはずのミスティもバッと起き上がった。そんなに俺がガチャを回すのは、目が覚めるほどのイベントなのか。
そしてガチャを回すという言葉を聞いて、家の各所に散らばっていたメンバーが集まって来た。
「ガチャなんて久しぶりじゃない!」
「そうだね。ショウタさんのガチャは、半月ぶりだねっ」
「奥様と話をするためとはいえ、ガチャ狂いのご主人様がよくぞここまで耐えられましたね」
「ギャンブル狂いみたいに言うのやめてね?」
「ねえねえ、お兄ちゃんのガチャ、今回が更新タイミングなんだよね?」
「おお。ならば兄上が、もっと高みに登るのは間違いありませんね」
「今より強くなっちゃうのね。お兄様の成長限界は、一体どこにあるのかしら」
「あぅー、お兄さんのカッコイイ姿は、これで見納めかぁ」
「ですが、わたくし達の愛は変わりませんわ。安心して回してくださいませ、お兄様」
「そうそう。お兄様への愛は不滅だから☆」
皆楽しそうに盛り上がっている。まあ俺も、久々のガチャということもあって軽く興奮状態にあるんだが。でもなんか、忘れてるような気がするな。……なんだっけ?
そう思っていると、シルヴィがおずおずと手を挙げた。
「あの、私ここに居て良いのかしら?」
『……あっ』
全員の心が一つになった瞬間である。
「あー……悪い。完全に失念してた。シルヴィはうちの一員ってイメージが頭にこびりついていてな……」
皆がうんうんと頷いた。
「そう思ってくれるのは嬉しいけど、えっと……聞かなかったことにした方が良いよね?」
「いや。家族に隠し事はなるべく避けたい。今のエスは、シルヴィのためなら身体を張って守ってくれるだろうしな」
「ああ、当然さ。シルヴィは僕の大事なフィアンセだからね」
「エス……!」
「シルヴィ……!」
「はーい。そこイチャイチャしない」
焚きつけたの俺だけど。それはまた後にしてくれ。
「エス、俺について知ってること、全部教えてやってくれ。ただまあ、今はガチャの事だけで良いか。続きは帰ってから2人っきりの時に宜しく」
「ああ。それじゃ、まずは兄さんのスキル名からだね」
「ええ、よろしくお願いするわ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
一通りガチャの説明が終わり、シルヴィはすぐに納得したような表情を浮かべた。
「なんか、シルヴィ受け入れるの早いね?」
「だって、お兄さんが696ダンジョンから帰還する度に非常識な結果ばかり持ち帰って来るんだもの。なら、お兄さんのスキルだって非常識なものだと思って身構えるのは当然でしょう?」
「それで覚悟は事前にできていたと」
にしても、非常識ねぇ。どれのことだろうか。
最難関と言われたあそこで、3層までの攻略は、全て1日ずつ制覇していったことだろうか?
それともあの地獄の宝箱ラッシュだろうか?
それとも、スキル山脈?
いやいや、もしかしたら『神器』のことかも……。
「ご主人様、全部かと」
「全部か」
なら仕方ないか。
まあ、受け入れてくれたのなら問題ないか。とりあえず、ひっさしぶりのガチャだ。気合入れて回そう。
『ガション』
俺はリビングの床にガチャの筐体を出現させ、『10連ガチャ』のボタンを押下した。
『ジャララララ!』
結果は金1、黒3、白2、緑3、紫1。
『SSR 病気耐性Lv1』
『UR 腕力上昇+420、器用上昇+420』
『UR スキル:スキル圧縮Ⅳ』
『UR スキル:魔眼耐性Lv1』
『SUR スキル:冷気耐性』
『SUR スキル:灼熱耐性』
『BR スキル:スキル圧縮ψ』
『BR スキル:スキル圧縮ζ』
『BR アイテム:伝授の宝珠(『
『LR アイテム:月下美人の指輪』
「無料ガチャ」では赤5。
『SR 器用上昇+140』
『SR 頑丈上昇+140』
『SR 俊敏上昇+140』
『SR 魔力上昇+140』
『SR 知力上昇+140』
*****
名前:天地 翔太
年齢:21
レベル:477
腕力:59324(+29182)(+29662)
器用:59332(+29186)(+29666)
頑丈:59300(+29170)(+29650)
俊敏:59070(+29055)(+29535)
魔力:59208(+29126)(+29604)
知力:59360(+29202)(+29680)
運:31976
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武技スキル:神速・殲滅剣、閃撃・灰燼、無刃剣[双連・無刃剣Ⅲ]、閃撃[閃撃・剛]、紅蓮剣[飛剣・鳳凰Ⅲ]、紫電の矢[雷鳴の矢]、魅惑の矢、破魔の矢
武技スキル[封]:★獄炎の矢、★流れ星、★流星群、★星落とし、★滅殺の矢
称号:ゴブリンキラー、アントキラー、神殺し、★ブラマダッタの調伏者
管理者の鍵:525、★696、777、810、1086
知恵の実:No.4、★No.8
*****
『ボックスの残り 0/110』
あ~、久々のガチャは楽しいなあ! そしてやっぱり出たな、『病気耐性』。あと色んなダンジョンの話を聞いたからか、冷気と灼熱の耐性か。属性防御とはまた違った感じだろうな。
にしても、ブラマダッタで得たスキルと武技スキルが未練がましく残ってやがるな……。『封』の文字がある以上無効化状態であることは間違いないし、多分この状態でブラマダッタを持てば再び活性化はされるんだろうけど……。流石にそれはシャルに悪いし、毎回表示されるのも鬱陶しいから、今後は見えても
あとは、ようやく圧縮シリーズが揃ったな! ……AからZまで行ったんだし、終わりで良いだろ。たぶん。
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