ガチャ647回目:11回目のガチャ更新

 ガチャを終え一息ついていると、筐体が輝きだした。


「頼む。充電期間は無しで頼む……!!」


 ガチャの筐体の輝きはどんどん強くなり、そしてゆっくりと光が消えて行く。そこに残ったのは、ボディが緑から水色へと変化し、黒の縦ラインは2本の筐体へと変化した。


「ん? 水色って、思えば初めてだな……?」


 これも、俺が各段階は実は8種類ある事に気付いた変化だろうか? それとも、白青赤紫緑白のループは2周したから、新カラーのバリエーションが増えたとか……?        

 まあ何にせよ、『無料ガチャ』と『10回ガチャ』のボタンは健在だということは、『充電』期間じゃないということだ!


「よし、セーーーフ!」


 んで、肝心のバージョンアップ内容は……。


『バージョンアップ! 出現する増強アイテムの効果が高まりました!』

『バージョンアップ! ガチャの消費レベルが18⇒20に上昇しました!』


『管理者権限を5つ確認。一部の特殊アイテムがアンロックされました』

『管理者権限を5つ確認。一部の特殊スキルがアンロックされました』

『特殊枠【Cスキル】【Dスキル】確認。一部の特殊スキルがアンロックされました』


『ボックスの残り 120/120』


「今度はレベル200消費か。分かっていたとはいえ、やっぱ消費がデカいな」


 けどまあ、今のレベルなら2回分回せるか。

 だが、その前に……。


「圧縮だ!」


【スキル圧縮を使用しますか?】


「使用する」


【該当のスキルを確認中……】


【該当のスキルを確認】

【該当のスキルを圧縮中……】


【該当のスキルを圧縮成功】

【URスキル『スキル圧縮Ⅴ』。及び付随するBRスキル『スキル圧縮α、β、χ、Δ、ε、Φ、γ、η、ι、κ、λ、μ、ν、ο、π、Θ、ρ、σ、τ、υ、ω、ξ、ψ、ζ』オプションシリーズを一括圧縮。LRスキル『スキル進化』に圧縮成功しました。以後、該当スキルは元のランクからは出現しません】


「おお……!」


 なんか知らんが、凄い事だけは分かるぞ!

 直接視れはしないから、とにかく試してみるか!


「『スキル進化』を使用する!」


【使用者の意志を確認】

【対象の進化可能スキルを一括で進化させますか?】


「当然、進化だ」


【該当のスキルを進化成功】

【SSRスキル『炎耐性LvMAX』、『風耐性LvMAX』、『土耐性LvMAX』、『水耐性LvMAX』、『光耐性LvMAX』、『闇耐性LvMAX』を併合】

【EXRスキル『全属性耐性LvMAX』へ進化しました】


【SSRスキル『体術LvMAX』、SURスキル『剣聖LvMAX』、『剣王LvMAX』を併合】

【EXRスキル『剣帝』へ進化しました】


【SURスキル『蒼炎操作LvMAX』、『風雷操作LvMAX』、『濁流操作LvMAX』、『砂塵操作LvMAX』を併合】

【EXRスキル『元素統括LvMAX』へ進化しました】


【一部スキルレベルが不足している為、処理が実行できませんでした】


 おおー!

 『スキル進化』は所謂、『スキル圧縮』の正統進化というか、幅広くパワーアップした感じのようだな。より複数のスキルを混ぜ合わせて、更に強力な上位スキルへの進化が可能という事だ。それに、俺のスキルの中にはスキルのレベルさえ上がれば進化できるスキルがまだ眠っていると分かったのも大きいな。

 まあ、レベルがMAXになりきっていないスキルなんて山のようにあるから、当たりをつけるのは困難だが。


「旦那様、終わりましたの?」

「ショウタ君、どうなったのー?」

「結果を教えてくださいっ」

「ああ、そうだな」


 早速俺は、その場にいる全員に進化したスキルの事を伝える。そして進化の条件を満たせそうなスキルに対して進化を実行。全員の操作スキルを『元素統括LvMAX』へと進化させた。流石に4属性の耐性は全員持っていたとしても、光と闇の耐性を持っているのはエスくらいのものだ。なのでエスだけは『全属性耐性LvMAX』に進化しておいた。

 それにしても、『スキル進化』になっても他者のスキルへ干渉してグレードアップする機能は健在で安心したよ。


「ご主人様。在庫に操作スキルが山ほど御座いますので、こちらを進化させて効果を見ませんか?」

「そうだな。取り出してくれ」


 ぱぱっと進化させ、覗いてみる。


 名前:元素統括LvMAX

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種類:マジックスキル

 説明:万物の基となる元素に対し、自由に生成・干渉し、意のままに操る事が可能となるスキル。自然界に存在する元素に干渉する際の限界規模は、術者によって左右される。


「……ふむ。なんか危険な匂いがするし、これは市場には流さないようにしようか」

「承知いたしました」

「皆も、ダンジョンでなら使っていいけど危なそうだから人のいるところではなるべく使わないようにね。ただまあ、内々で遊びに使う分には問題ないと思うから、各々の判断で使うように」

『はーい!』


 うちの彼女達なら、馬鹿な真似をする子はいないだろうし、皆しっかりしてるから例え誤って暴走したメンバーがいたとしても、周りが気付いて止めてくれるだろう。

 そういえば、『体術LvMAX』が『剣帝』に持っていかれたが、これ個別に取得し直すことは出来んのかな?


「アイラ、『体術LvMAX』は在庫あるか?」

「はい。こちらに」

「じゃあちょっと使ってみるか」


 お、取得できた。進化には必要だけど、扱いは基礎的なスキルだからいけるのか。


「兄さん、さっきのガチャで何か指輪を手にしてたよね。それはどういう効果なんだい?」

「ああ、これな。俺も今から調べようと思ってたところだ」


 ただまあ、タイミング的にこれはサクヤさん対策なんじゃないかと思うんだよね。


 名称:月下美人の指輪

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種類:アクセサリー

 説明:所有者が完璧に抵抗できた状態異常に対して、以降該当する状態異常に対して、強力なレジスト機能を発揮できる特殊な指輪。着用していないと効果は発揮されないが、レジストの対象は着用者の周囲にいる仲間にも作用される。


 あー……。これは確かに、サクヤさん対策の指輪ではあるが……。これ、装着した状態でないと効果が無いって事は、これを付けた状態で1度レジストしないと抗体機能は発揮されないって事だよな?

 うん、有能なのは間違いないが、これじゃない感がすごい。当たりではあるけど、ハズレとも言い難い微妙なアイテムだ。まあ、装着するけどね。


「アイラ。サクヤさんの秘密について、皆に共有を頼む」

「畏まりました」


 俺からこんなアイテムが出た理由も、一緒に説明しなきゃな。

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