ガチャ626回目:ボスドロップのスキル群
「そういやイズミ、そっちは『真鑑定』持ちはいなかったよな」
「ええ」
「それでスキルも見て欲しいって話でもあったよな。んで、その見て欲しいスキルを落としたのって、どんな相手だったんだ?」
「ダンジョンボスだよー」
「ああ、ボスか」
となると、あのアルマジロか。
映像で見たけど、面白い対戦映像ではあったよな。ハリネズミみたいになったアルマジロが縦横無尽に転がり続け、待ち構えていたハルが受け止めて勢いを殺す。そして止まったところを一斉攻撃。また転がり始めたらもう一度受け止めるという流れだ。
映像を見た後は、勝利者インタビューが聞きたかったんだが、我慢できなくなった彼女達に襲われて何も聞き出せなかったんだよな。思えば確かに、ステータスチェックもし損ねていた。
「んじゃ、早速ステータスから頼むわ」
「ちっとまってねー。……はい、まずはこれがステータスだよ☆」
*****
名前:ヘイトレッドアルマジロ(ダンジョンボス)
レベル:235
腕力:2500
器用:2500
頑丈:4000
俊敏:3000
魔力:20000
知力:300
運:なし
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武技スキル:クラッシュローリング、大車輪
装備:なし
ドロップ:憎悪する魂、異界の断片、ランダムボックス、管理者の鍵(086)
魔煌石:中
*****
ふむふむ。納得のボス級ステータスに加えて、未知のスキルのオンパレードだ。んじゃまずは……。
「この『針千本Ⅳ』だが、なんの前触れもなくボスがスキルのⅣを持って出現するなんてほぼ稀だし、その前に無印のスキルを持つモンスターとかいたか?」
「うん。でも、お兄ちゃんの負担になりそうだから、出さないでおこうかなって」
「別にいいって。今更単一スキルが山ほどあったって大したことじゃない」
宝箱という苦行を思えばなんてことはない。
「それなら……」
「兄上がそう仰るのであれば……」
「他のスキルもまとめて貰っちゃう?」
「まずは『針千本』から片付けてしまいましょう」
「それじゃお兄様、ここに出しちゃうね。『針千本』756個と『針千本Ⅱ』3個、それからボスの『針千本Ⅳ』だよ☆」
「おおう」
やっぱあったか。
名前:針千本Ⅳ
品格:≪固有≫ユニーク
種類:アーツスキル
説明:自身の身体や装備に針を生み出し、望んだタイミングで斉射する事が可能。針を硬質化し鋭利にすることも、柔らかくすることも自由自在。人間は取得不可。
★スキルレベルに応じて生み出せる針の質が向上する。
「モンスター専用スキルか。まあ針人間になったところで、使い所は難しいしな」
「ほっ」
「使っても取得できなかったのね。使えてたら嫌だから、結局試せてはいなかったけど」
「毛むくじゃらになったらお兄さんに嫌われるもん」
「嫌ったりはしないが、身体に生やしてたら服とかがボロボロになってただろうな」
そんじゃ、これらは全部圧縮して……。
『針千本Ⅳ』1個。
『針千本Ⅴ』3個。
となった。
「じゃあまあ、人間に使えない以上カスミ達には活用のしようがないし、売れたりもしないだろうから、俺が貰っちゃっていいか?」
「もちろん!」
「お兄様に使っていただけるのでしたら、スキルも報われますわ」
「ありがとうな」
「お兄ちゃんが覚えるわけじゃないんだよね?」
「俺は人間だっつの。んじゃ……イリス、おいでー」
『プルルン』
転がってきたイリスにスキルを覚えさせると、全身から硬質化した金属片のようなものを生み出した。まるでウニのようだが、イリスの場合スキルがなくてもウニ化することは以前からできてたんだよな。でもそれはあくまでも自分の体積を使って身体を伸ばしただけに過ぎなかった。
でもそれが、毒針のように鋭い金属製の針になったわけだ。こりゃ、敵にしがみついて毒を注入するやり方にも幅ができそうだな。あとはこの針は、全方位に射出したり、一方向にのみ飛ばす事も、また消失させることすら自由自在のようだった。
『プルンプルン』
「次は……。この『スペシャルスキル』3点セットか」
名前:鎧袖一触
品格:≪伝説≫レジェンダリー
種類:スペシャルスキル
説明:相手に触れることで効果発動。接触した相手の体力・気力・魔力のいずれかを著しく削る。肌と肌で接触することで効果は激増するが、装備と装備では効果が激減する。
★自身の身体から生やした存在も術者の肌として扱う。
★リキャスト1分。
「ほぉ。こいつは凄い」
「受け止めるたびにハルが疲れてたのはコレが原因かぁ。まさかあの針も生身扱いだなんてね」
「装備と生身であれだけ疲労が起きるのであれば、使い勝手は抜群でしょうね」
「スキル的には敵との接触が多いハルかなー」
「いえ、私なんかよりもお兄様に使っていただいた方が……」
「好意はありがたいけど、盾役が持ってこそ輝くスキルだろう。それにボスを倒したのはハル達なんだ。遠慮なく取得してくれ」
「……はいっ。ありがたく頂戴します、お兄様」
んで次は名前からしてアレなコレだな。
名前:憎しみの波動
品格:≪遺産≫レガシー
種類:スペシャルスキル
説明:相手に対する害意の強さに応じて、攻撃力と防御力を上昇させるスキル。ただし、活用し続けると常に何かを憎しみ続けるようになるため、扱いには注意が必要。
★悪意のオーラを持っていると、憎しみに囚われる心配がなくなる。
おお。まさか悪意と親和性があるとはな。悪は悪を呼ぶのか。
カスミ達は頷き合うと、カスミが代表して俺に告げる。
「それじゃ、これは満場一致でお兄ちゃんが取得してね」
「ああ、ありがとう。まあこんな危険物、万が一欲しいと言われても無理やり取り上げたけどな」
「あたしだってそんなの許さないわよー。憎しみに囚われたメンバーとか見たくないもの」
だよな。
最後にっと。
名前:狂化乱舞
品格:≪固有≫ユニーク
種類:スペシャルスキル
説明:敵に対して攻撃を行えば行うほど狂化の状態異常に囚われる。敵味方の区別がつかなくなり、防御能力が落ちる。その代わり、絶大な攻撃能力を手にすることが可能。
★長時間攻撃対象を見失うと効果が終了する。
「……これは封印指定というか、研究所送りかな」
「研究所でも持て余しちゃいそうだね」
「まあ父さんなら大丈夫だろう」
「あはは、そうだねっ」
さて、スキルのチェックはこんなところか。
次は、お待ちかねの宝箱だな。
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