ガチャ625回目:スキル確認

「なるほどね。それでショウタ君、アグニを連れて行ったんだ」

「ん。見せびらかすためかと思ってた」

『キュイ!?』

「まあアグニは可愛いし、カスミ達も会いたがってたからな。戻る時は『アトラスの縮図Ⅱ』の機能で転移しちゃえば楽だし、そのままついでに狩りもしちゃえば良いかなって」

「ですがショウタさん、良かったんですか? ダンジョン間の大移動なんて使ってしまったら、ショウタさんがワープできる事が白日の下に晒されたも同然ですっ」


 マキの心配はもっともだが、安心させるために頭を撫でる。


「まあコレについては遅かれ早かれだと思うし、他の人からすれば『楔システム』で連結したダンジョン間を、好きに移動できるように映るんじゃないかな? 逆にそう思わせることができれば色々と好都合だし」

「お兄ちゃんが言ってた、例の悪い人たち?」

「そそ」


 スキルや管理者権限を使って悪さをする連中がいる事をカスミ達には共有しておいた。流石にこの手の話は初耳だったようだが、レッドカラーがいるのだ。もっと大規模な連中がいてもおかしくはないなと、納得するスピードも早かったが。

 世界中の人間がこの情報を認識しても良いとは思うんだけど、あまりにセンシティブな内容だし、記者会見やインタビューの場でポロリするわけにもいかないからな。難しいところだ。


「それではご主人様。積もる話は後ほど共有し合うとして、まずはその強敵が落としたスキルの整理をしませんか?」

「あー、そうだな。一部のスキルはこの子達に分けちゃったけど」

「そのようですね。では内容は私が確認しましょう」


 そう言ってアイラは俺の『魔法の鞄』に手を突っ込んで、スキルを数え始めた。その様子を、イズミは興味深そうに見ていた。


「では、今回得られたスキルは以下の物ですね」


 『剛力Ⅲ』1個。

 『剛力Ⅴ』2個。

 『剛力Ⅵ』1個。

 『怪力Ⅲ』1個。

 『怪力Ⅴ』2個。

 『怪力Ⅵ』1個。

 『阿修羅』1個。

 『阿修羅Ⅲ』2個。

 『阿修羅Ⅳ』1個。

 『怪力乱神Ⅱ』2個。

 『怪力乱神Ⅲ』1個。

 『鉄壁』1個。

 『鉄壁Ⅳ』1個。

 『鉄壁Ⅵ』2個。

 『鉄壁Ⅶ』1個。

 『城壁』1個。

 『城壁Ⅳ』1個。

 『城壁Ⅵ』2個。

 『城壁Ⅶ』1個。

 『金剛体』1個。

 『金剛体Ⅳ』2個。

 『金剛体Ⅴ』1個。

 『力溜めⅢ』1個。

 『剣王LvMAX』1個。

 『神盾術Lv2』1個。

 『破壊の叡智』1個。

 『破壊の叡智Ⅴ』1個。

 『重力操作Lv3』2個。

 『炎魔法LvMAX』2個。

 『火炎操作Lv2』623個

 『火炎操作Lv7』3個。

 『火炎操作LvMAX』2個。

 『風塵操作Lv5』3個。

 『風塵操作LvMAX』2個。

 『砂塵操作Lv1』1個。

 『砂塵操作Lv3』1個。

 『灼熱の鎧』2個。

 『溶岩人形Ⅲ』3個。

 『溶岩人形Ⅴ』1個。

 『魔力回復Lv5』3個。

 『魔力超回復Lv5』2個。

 『無形流転Ⅱ』6個。


 『アメジストの宝箱』1個。


 うーん。高レベルスキルが乱立しておる。それに宝箱も。あ、そういえば。


「イズミ、俺に開けてもらう予定だったって話の宝箱も、一緒に開けようかと思うんだが、今持ってるか?」

「あ、そうね。今から出すわね☆」


 そう言ってイズミが取り出したのは『金の宝箱』が18個。イズミでもこの数の宝箱を量産できるというのは、凄いことではあるよな。……ん?


「そういや、ダンジョンボスの宝箱とかはどうしたんだ?」

「アレはあたし達が責任を持って開けたわ。……あ、もしかしてお兄様、開けてみたかった?」

「いやいや、流石にそんな横取りみたいな真似はしないよ。けど、ソレを開けるんなら、イズミがこいつらも開ければ良かったのに」

「そ、それにはちょっと事情があるというか……」「んん?」


 イズミだけでなく、カスミ達も宝箱と俺とを交互に見つめた。何か言いたげだが、俺に開けて欲しい何かが出る可能性があるのか?


「まあいいや。まずはスキルの方から片付けていこう。この中で気になるスキルを見て行くとして、『剣聖』との違いが気になるコレだ。


 名前:剣王LvMAX

 品格:≪固有≫ユニーク

 種類:パッシブスキル

 説明:大剣の扱いに対しての理解が深まり、的確に振るうための道筋が見えるようになるスキル。剣聖スキルとの共存可能。


 ほう、剣聖とは別枠か。それにしても大剣ねえ。ホブゴブリンの剣みたいな巨大な物くらいでないと、スキル効果の適用が難しそうだ。

 うちのメンバーに大剣使いはいないけど、黒騎士の真似をさせたエンキならワンチャンあるかな?


『ゴ?』


 とりあえず撫でておく。


『ゴゴー』


 そういや、アイツの纏っていた黒色の鉱石っぽいのも手に入れたし、あとで試してみるかな。エンキが両手剣を扱えればカッコいいんだけど、今のメインは拳だからなー。


「そんじゃ、お次はコレだな」


 名前:重力操作Lv3

 品格:≪遺産≫レガシー

 種類:アーツスキル

 説明:自身及び装備などの限定的な範囲内の重力を変動させられるスキル。変動させられる重量は、重くする場合はスキルレベル×1倍まで。軽くする場合は1÷スキルレベルまで可能。


「純粋に凶悪なスキルだな」


 使いこなすには練習が必要だけど、上手くいけば単純に剣とかの武器で直接攻撃をする場合、併用はできないが、振る速度か威力のどちらかを何倍にもすることが可能だろう。

 そして現段階でも重さ3倍、軽さ1/3まで可能な上に、このスキルは2個あるからな。俺がまとめて覚えるのもアリだし、エンキと分け合って問題があれば回収しても良いかもしれない。


「次にこいつだ」


 名前:灼熱の鎧

 品格:≪遺産≫レガシー

 種類:マジックスキル

 説明:炎の鎧の上位スキル。全てを焼き焦がす灼熱を身にまとい、攻撃してきた相手を焼き尽くす。

 ★周囲にマグマや熔岩があると直接纏うことが可能。その場合、魔力を消費しない。


 ふむ。上位互換となると、上書きかな?

 でもスキル内容的に、鎧スキルの最大値よりは弱そうな気がするが……。


「最後にこいつだな」


 名前:溶岩人形Ⅴ

 品格:≪遺産≫レガシー

 種類:マジックスキル

 説明:指定した範囲内に溶岩の人形を無限に生み出す溶岩の塊を発生させる。スキルレベルに応じて溶岩の範囲、一度に湧きだす上限、個体の大きさが異なる。他の人形スキルと比べて高い防御力と高い攻撃力を持つ

 ★人形も、発生源の溶岩も、水にめっぽう弱く、雨の中では発動すらしない。

 ★また、展開後は一定レベルの水は弾くことは可能だが、高レベル・高威力の水魔法を受けると発動が即座にキャンセルされる。


「ああ……。なんというか残念なスキルだな」

「対策が簡単に取れる分、発動させれば火力が高そうだし、無双できそうね」

「水系統の魔法が使えない相手なら、蹂躙しちゃえるのね」

「なんてピーキーな能力……」


 まあ完全にメタられさえしなければ、それなりに活躍はできるかもな。でも、多分今まで通り、使わないと思うけど。

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