ガチャ580回目:秋と冬

 次の日、俺達は秋の島で大暴れをしていた。


*****

名前:アースエレメンタル

レベル:80

腕力:0

器用:0

頑丈:1500

俊敏:200

魔力:30000

知力:1500

運:なし


パッシブスキル】土耐性LvMAX、物理耐性Ⅱ、魔法耐性Ⅱ、斬撃耐性Lv2、貫通耐性Lv2、打撃耐性Lv2

マジックスキル】土魔法Lv5、砂塵操作Lv5、土の鎧Ⅱ、魔力回復Lv5


装備:なし

ドロップ:土の精霊のコア

魔石:中

*****


 秋島にいた精霊はこんな感じで、スキルのラインナップはやはり同じ構成のようだった。土属性は、他の3属性と比べると魔法的現象よりも物理的な現象という側面が強い。

 その為攻撃手段も石の礫や砂嵐、大岩の散弾がメインとなるため、大体は剣でなんとかできてしまう。それでもまあ、数の暴力というのは厄介で、その場に留まり続けての狩りをするというには骨が折れるんだが。

 ただまあ、物理的な魔法が多いことから、他の精霊と比べて戦いやすい点があった。それは、流れ弾が戦場の外にまで流れにくいという点だ。物理的に存在している分、勢いが落ちれば地面に落ちる事になるからな。

 その為、戦闘中に追加の精霊がやってくる事などほとんどなく、不意打ちされずに順調に進んだので、途中からはエンキに釣り役をお願いしたりした。


『ゴゴ!』


 魔鉄のボディを持つエンキを前に、岩の散弾などなんの脅威もなく、簡単に100体討伐を完了させた。精霊石を手にした後も、エンキを盾にしながら大立ち回りをして、気付いた時には結構な時間が経っていたらしく、あのままアイラによって精霊石を取り上げられなければ、何時間でも戦っていたかもしれないな。

 反省。


「ご主人様、楽しむのは結構ですが、目的は忘れませんように。エンキも、久しぶりにご主人様と戦えて嬉しい気持ちも分かりますが、何事もほどほどにですよ」

「ごめん」

『ゴー……』


 2人で正座をして反省のポーズをする。そしてお許しをもらった俺達は、過ごしやすい秋島を出て拠点へと戻ってきた。


「ご主人様の頑張りにより、土の精霊はトータル875体討伐されました」

「ん。すごい数」

「いっぱいですわー!」

「ドロップの詳細を確認されますか?」

「いや、別にいいかな。残りの精霊と一緒に済ませよう」

「ショウタ君、次の島はめちゃくちゃ寒いらしいから、気を付けるのよ」

「気を付けるって言われても、防寒着でも着ていくのか?」

「ん。ぶっちゃけそのレベルで寒い」

「マジか……」


 聞けば、俺の考えているようなやんわり寒い冬などではなく、ガッツリと氷点下以下にまで気温が下がるエリアらしい。まあ、夏島がうだるような暑さだったし、そうなるのも必然か。

 レベルが上がったことで凍傷なんかは起きにくくなってるが、寒すぎれば色々と動きが阻害されるだろう。その上、暖を取るためとはいえ、厚着なんかしたらもっと動きが阻害されるはずだ。


「対策は魔法的なものに限られるか……」


 しっかし、夏真っ盛りなフィールドは体験したことがあったから、事前にある程度の予想は立てられたし覚悟も決められたが、極寒の地域は初めてだな。

 ……入る前から気が滅入ってきたぞ。


「……こう言っちゃなんだが、不人気そうだな」

「ん。夏と冬は誰も来ない。基本春島と秋島が人気」

「……もしかして、ワープゲートが見つかってるのって」

「ん、そう。……ワープゲートのネタバレはしていい?」

「そう言うってことは、アレだろ。ここで見つかってるワープゲートは、春と秋、どちらも同じ条件下や似たような場所で出るとかだろ?」

「ん。予想ついてた?」

「まあ、属性と色合いと季節気候。それ以外はまるで変化のない島だからな。じゃあ夏と冬も出る条件はほぼ想定はされてるけど、あまりにも探索するのが億劫すぎて見つけようとしてないってところか」

「ん。大正解」


 何ともな話である。まあ俺も、夏島の暑さを経験した以上、そんな考えに至るのもわかるっちゃわかるが。あんなエリアで魔法もなく探索しろっていうのは、俺からしても割と地獄だからな。


「今からもう行く気が失せてきたが、飯食ったら頑張るかぁ。ああ、そうだアグニ」

『キュイ?』

「向こうについたら、小型サイズになって首に巻きついてくれるか?」

『キュイキュイ!』


 これで少しは寒さもマシになるだろ。



◇◇◇◇◇◇◇◇



 ミスティから既に聞いていたんだろう。テントで着替え始めた彼女達は、事前に用意していたであろうモコモコの防寒具を身に着けた。寒くもなく暑くもないこの中央島では、ちょっと苦しそうだけど、これくらいしないとあっちではやってられないとか。

 俺もアグニを首に巻いて、冬の島へと上陸した。


「さっむっっっ!!」

『キュイー!』


 予想通り、そこは極寒の銀世界だった。いつもの状態だと寒くて動けなかっただろうけど、アグニが首元にいてくれることと、更には彼と俺とで二重に『炎の鎧Ⅴ』を使用することで、しばらくすればいつも通り動けるようになった。

 ただ、『炎の鎧』は外装2種よりも外側にある影響か、被弾を続けると真っ先に消失してしまう。今まで以上に回避に専念しなきゃだな。


「てか、こんな極寒の地で『水魔法』なんて被弾したくはないよな」

『キュイー』


*****

名前:ウォーターエレメンタル

レベル:80

腕力:0

器用:0

頑丈:1500

俊敏:200

魔力:30000

知力:1500

運:なし


パッシブスキル】水耐性LvMAX、物理耐性Ⅱ、魔法耐性Ⅱ、斬撃耐性Lv2、貫通耐性Lv2、打撃耐性Lv2

マジックスキル】水魔法Lv5、水流操作Lv5、水の鎧Ⅱ、魔力回復Lv5


装備:なし

ドロップ:水の精霊のコア

魔石:中

*****


 うん、もはや見慣れたラインナップだ。夏を先に攻略してアグニを仲間にしていなかったら、地獄を見ただろうな。いやまあ、夏島もたいがい地獄だったが、戦闘中気温で動けなくなる可能性があるのは冷気の方だからな。

 やっぱこの順番での攻略は必然だったわけだ。


『キュイキュイ』

「そうだな、そろそろ狩るか。アグニも、その状態でなら暴れていいぞ」

『キュキュイ!』


 その後、俺たち2人が中心となって暴れ続けたところで、1つ試したいことが出てきた。それは、別属性の精霊石を取り出してみたらどうなるのか、というものだ。

 しかし、3属性を個別、複数セット、どのパターンを試してみても、連中はぴくりとも動かなかった。

 やっぱり、別属性だと食指が動かないらしい。まあ当然と言えば当然か。

 そうして冬島でも100体殲滅を完了した俺達は、そのまま精霊石を使用しての乱獲を開始したのだった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


この作品が面白いと感じたら、ブックマークと★★★評価していただけると励みになります!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る