ガチャ572回目:エンリル強化
『プルプル』
イリスを囲んで、褒めたり撫でたりして皆で可愛がる。女性陣に褒められたり揉みくちゃにされてご満悦の様子だ。食べ物の食指もそうだけど、そっち方面の嗜好も俺にそっくりだよなぁ、イリスって。
『プルンプルン』
それはつまり、俺もあんな風にされたらデレッデレになるということだ。……なるね。絶対なる。
「はい、なります」
「さいですか」
『ポポー……。ポ!』
そんな風にアイラといつも通りのやりとりをしていると、エンリルが光を放った。どうやら、彼も取り込みが完了したらしい。
光が収まったそこには、一見普段と変わらない姿のエンリルがいた。けれど彼から発せられる力強い波動は、先ほどの大精霊を彷彿とさせた。お前はどんな風に成長したんだー?
名前:エンリル
品格:『
コア:ゴーレムコアⅤ、大精霊の真核
材質:風雷魔装体
魔力:3200
スキル(10/10):金剛外装Ⅲ、物理耐性Ⅴ、摩擦抵抗Ⅲ、自動回復Ⅴ、瞬迅Ⅳ、天鼓雷撃Ⅲ、風雷操作LvMAX、風魔法LvMAX、風の鎧Ⅳ、無形流転Ⅱ
スキル(1/10):風
武技スキル:真空斬り
魔技スキル:なし
「……マジか」
『ポポー!』
エンリルが翼を自慢げに広げて甲高く鳴いた。強くなったから褒めて欲しいらしい。
彼の要望に応えるために喉を撫で上げながらエンリルのステータスについて考えてみる。品格が『
エスのアイデンティティーが無くなったように思えてしまうが、今まで俺が与えてきたスキルとは別枠にあるということを考えれば、なんとなく察しがつく。
「エンリル、そのスキルは取り外しができない。そうだな?」
『ポ!』
「やっぱりか」
そしてコアにもしっかりと先ほど取り込んだ真核があるということは、ダブルコアシステムになったということだ。コアが2つあるため、帰属可能なスキルの枠も2つ分になったとみるべきだろう。
言うなれば、心臓が2つあるようなものだ。
「……エンリル。試す気はないが、もしかしてこれ、仮にコアが破壊されても問題なかったりする?」
『ポ? ポポー……。ポポ!』
「そうか。なら安心感が増すな」
どうやら、エンリル的には多分大丈夫らしい。
仮にコアの片方が破壊されたとしても、もう1つのコアが心臓の役割を引き継ぎ、継続して生き延びられるかも、らしい。
もしかしたら、その間に破壊されたコアを修復することができれば、また命のストックを増やすこともできそうな気がする。
ただ、考えられるデメリットがあるとすれば、壊されたコアに帰属するスキルは、修復が終わるまで使用不可能になりそうな点だよな。まあそこは仕方がないだろうし、もしそれで復活時に全部元通りになるなら問題はないだろう。
最悪スキル欄が空っぽになっちゃったら悲しいが、エンリルを喪うことに比べたら大した問題ではないな。うん。
そうして俺が考えている間、アイラとマキが『真鑑定』で見た情報を他のメンバーに伝えてくれたらしく、そっちはそっちで盛り上がっていた。
うーん、めちゃ助かる。それだけでも『真鑑定』が取れてよかったと思えてしまった。
『ポポー』
『ゴゴ!』
『~~♪』
『プルル』
仲間達からも祝福され、エンリルも嬉しそうだ。
……おっと、忘れてた。
「エンリル、残りの9枠だが色々試しても良いか?」
『ポ!』
そうして色々と試してみた結果、エンリルのスキルは以下のようになった。
名前:エンリル
品格:『
コア:ゴーレムコアⅤ、大精霊の真核
材質:風雷魔装体
魔力:3200
スキル(10/10):金剛外装Ⅲ、物理耐性Ⅴ、摩擦抵抗Ⅲ、自動回復Ⅴ、瞬迅Ⅳ、★迅雷Ⅱ、★魔導の叡智Ⅲ、★反響定位Ⅲ、★暗視Ⅲ、無形流転Ⅱ
スキル(10/10):★風の聖印Ⅲ、★魔法耐性Ⅲ、★風耐性LvMAX、天鼓雷撃Ⅲ、風魔法LvMAX、★泡魔法LvMAX、風雷操作LvMAX、★混沌魔法LvMAX、風の鎧Ⅳ、風
武技スキル:真空斬り
魔技スキル:なし
「うん、滅茶苦茶充実したな」
『ポポー!』
色々スキルを着け外しして分かった事がいくつかある。
まず、『風』以外のスキルならば、真核も今まで同様にいくらでも着脱が可能だという事。
次に、通常のコアは何でも取得できたが、真核には風属性に関するもの、もしくは風属性と相性の良い属性のスキルじゃないと装着できないという点だ。これに関しては少し謎だが、『泡魔法』と『混沌魔法』は通って『土魔法』や『水魔法』が通らなかったのだ。明確なルールがあるんだろうが……今はこれ以上の考察は難しいだろう。
『ポー。ポポ。ポー』
『ゴゴ? ゴゴー。ゴゴゴ』
『~~♪ ~~~♪』
『ポー?』
『プル~ン』
エンリルは、エンキ達にも真核をゲットさせてあげたいとおねだりをしてきたが、他の面々が危ないからやめておこうと説得しているようだ。
まあエンリルとイリスが強くなっても、肝心の俺がこのざまだからな。
「もうちょっと待っててくれな」
『ゴ!』
『~~♪』
「そんじゃ、軽くこの中央島を探索しようか」
「「「はいっ」」」
「「了解っ」」
◇◇◇◇◇◇◇◇
そうしてしばらく皆で手分けをして探してみたが、この中央島は四隅に各島へ渡る為の石橋があるのと、中央に噴水がある以外は、特別特徴的な何かがある訳ではなかった。……いや、ここも浮島であることを忘れてたか。でも、それはこの階層全部がそうだから、やっぱり特別でもなんでもないよな。
そんな感じで公園を歩き回ったが、収穫はこの階層にキャンプを張ってる冒険者達に不思議そうな目で見られたくらいで、何も得られなかったのだが。
「けど、何かあるとしたらここだよなぁ」
だが、諦めきれない俺は、スタート地点である中央の噴水を睨みつけていた。
この中央の噴水には、第三層からの出現地点と第一層への帰還ゲートの2つが存在している。前者が、中央の噴水から見て冬島の正面にあり、後者が正反対の位置にある夏島方面だ。
となれば、何かありそうなのはシンメトリー的に噴水の春島側と、秋島側のはずだが……。噴水の周囲をぐるぐると見て回っても、特に何もわからないな。
『プル~ン』
『~~♪』
イリスとセレンが探索を終えて戻ってきた。どうやら彼らは一緒に行動していたらしい。
「2人とも、悪いがこの噴水に変なのがないか、探すの手伝ってくれるか」
『プルル』
『~~♪』
イリスが勢いよく噴水に飛び込みアメーバのように水の中に溶け込んでいく。そしてセレンは触手を全方位に伸ばして噴水の外周部をチェックし始めた。
うーん、凄い光景だ。
そう思ってると、2人が同時に何かを発見した。
『プルプル!』
『~♪』
「お! ……これか?」
どうやら噴水の内部と外部に、何かをはめ込むようなくぼみが隠されており、直接触れてくぼみを認識しないと見えない仕様になっているようだった。
くぼみは春島側に2カ所、秋島側に2カ所あるようで、くしくもその数は属性数と一致しており、形状はバラバラだった。だがその内の1つ、春島側に存在するくぼみの1つは、先程手にした精霊石と酷似していたのだ。
「……なるほど、そういうギミックか」
謎は全て解けたな。
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