ガチャ569回目:豪華な報酬

「じゃあちょっと早いけど、大精霊のドロップだけ確認しようか。その後ガチャを回すよ」

「ただの精霊のドロップは後回しにされますか?」

「この後もやるかもしんないしね」

「畏まりました。では、今回のドロップはこちらになります」


 『真鑑定Lv5』2個。

 『鑑定偽装Lv5』1個。

 『物理耐性Ⅶ』1個。

 『魔法耐性Ⅶ』1個。

 『斬撃耐性Lv7』1個。

 『貫通耐性Lv7』1個。

 『打撃耐性Lv7』1個。

 『結界破壊Ⅲ』1個。

 『存在圧Ⅲ』1個。


 『大精霊の真核【風】』1個。

 『プラチナの宝箱』1個。

 魔煌石:特大 1個。


「『風』はなくても豪勢なラインナップだな」

「全くですね。ご主人様、『真鑑定』はいかがなさいますか?」

「滅茶苦茶欲しいところだが、問題は俺もスキルレベルが5という点だよな。んで、多分だけどMAXは7のはずだ。それを思うとすんごい勿体無いから、次のガチャで出なかったら取得することにするよ」

「畏まりました」

「何にせよ1個は余るけど、それについてはまずアイラが取得よろしく」

「承知いたしました」


 『真鑑定』で得た情報をチームメンバーに共有したり、戦場を見渡して司令塔の役割をする場合、ポジション的にも能力的にもアイラがうってつけだからな。今回の大精霊みたいに、前に出られるのが俺やエスくらいの相手だった場合、皆に能力の共有をしている暇って割と無かったりするし。

 んで、もしも次のガチャで出て『真鑑定』が余るようなら、次点で渡すべきはマキになるかな? あ、そういえば……。


「ミスティ。ミスティは『真鑑定』無かったよな?」

「ん、無い。けど『鑑定』に近い能力は持ってる」

「EXの副次能力か。EXで下位スキルに近い能力を持ってる場合、個別に上位スキルを取得しようとしたらどうなる?」

「ん。不明。ショウタみたいに『運』を上げてる訳じゃないから、自分でスキルを取ったことなんてほとんどない。それに、上位のスキルとなるとその分割高になるし、無駄になるかもしれないから試せてない」

「そっか。悩ましいな」


 前に出るミスティにも覚えていて欲しいところだが、無駄になった場合のダメージが大きいな。いくら倍化で増えたとはいえ……。

 うーん、ミスティに渡す場合は、本当に余り気味になってからでも良いかな。


「んじゃ、気を取り直してスキルの性能チェックをして行きますか」


 まずは、何だかんだで見る機会の無かった『真鑑定』からだ。


 名前:真鑑定Lv5

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種類:ユニークスキル

 説明:鑑定の上位スキル。鑑定では見れない情報も確認できるようになる。

 ★Lv1:武器・防具レベル 閲覧機能解放。

 ★Lv2:アイテムの説明欄 閲覧機能解放。

 ★Lv3:品格/魔法/武技スキル 閲覧機能解放。

 ★Lv4:ステータス内のスキル詳細 閲覧機能解放。

 ★Lv5:鑑定妨害及び、同レベルまでの鑑定偽装による隠蔽効果を完全無効化。


 うんまあ、ある意味既知の情報ではあったが、こうやって『真理の眼』を通して見てみると、復習にもなって良いな。

 次は、今回苦戦をさせられることになった『結界破壊』だな。


 名前:結界破壊Ⅲ

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種類:スペシャルスキル

 説明:このスキルを使うことで、対象が持つ防壁系スキルを無効化する。使用する度に魔力を1800消費する。

 ★有効射程:10メートル

 ★魔力を2倍使うことで通常攻撃・武技スキル・攻撃魔法に結界破壊の効果を付与することが可能。


 うーん。チートスキルというより、チートスキルに対応するためのスキルって感じだな。一応覚えておいて損はないだろうけど、使われたら厄介なだけで、便利に使えるわけではないというのが難しいところだ。


 名前:存在圧Ⅲ

 品格:≪遺産≫レガシー

 種類:スペシャルスキル

 説明:使用者のレベル・ステータスを参照して、目に見えない圧力を発生させ相手を萎縮させるスキル。相手との差が一定値を超過すると、人間が対象の場合は気絶の状態異常を付与し、モンスターが対象の場合は怯ませる事が可能。

 ★状態異常の判定は対象の耐性に依存する。

 ★圧の強さは段階ごとに設定可能。


「あ、これクッソ便利な気がする」

「ん。ショウタが本気で使えば皆気絶しちゃいそう」

「問題があるとすれば、参照される数値は本人が扱える範囲の数値となるか、基礎ステータスになるか、『統率』などで増強されたステータスも込みか、ですね」

「なんにせよ、街中では封印決定ですね」

「だなー」


 さて、スキルの確認は終わりっと。あとは……。


『ポポ! ポポ!』

『プッルプルプル!』

「ん? どうした2人とも」

『ポポポ!』

『ププルプル!』

「落ち着け落ち着け」


 大興奮な2人をなんとか宥めて理由を聞いてみると、大精霊のドロップ品である真核と魔石が欲しいらしい。

 まあイリスが魔石を欲しがるのはわかる。今のイリスの魔石は『魔煌石:大』だ。もうワンランク上の物に取り替えることで、もっと強くなれるからな。その気持ちはよーくわかる。

 初の『魔煌石:特大』だから貴重なアイテムであるのは間違いないが、大事な家族が欲しがっている以上渋る理由はない。問題は、真核をエンリルが欲していることだ。

 あげる分には構わないが、なんでこれが欲しいんだ?


「んー……? 『真鑑定』『真理の眼』」


 名前:大精霊の真核【風】

 品格:≪高位伝説≫ハイ・レジェンダリー

 種類:魔石

 説明:大精霊の器となっていた、真なる力を秘めた魔法の輝石。中にいた存在は消え去ったが、その力の残滓はこの輝石の中で燻り続けている。


『ポポー、ポポ』

『プル~ン』

「分かった分かった。あげるから冷静になれって」

『ポポ!? ポポー』

『プル! プルル!』


 2人にゆっくり手渡すと、エンリルは翼を広げて抱きしめるように真核を抱え込む。まるで卵を温める親鳥のような感じだ。

 しかしイリスの方は相変わらず、身体をアメーバのように広げて一口で魔煌石を飲み込んでいた。取り込み方も人それぞれと言うかなんというか。

 彼らがこの後、どう進化するのかは見ものだな。

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