ガチャ546回目:技術認定
5体の『ビッグランスモール』を灰燼と化した火の鳥は、ダンジョンの壁に激突するとしばらくの間その場で燃え盛り続けた。
その勢いは凄まじく、1分ほど続いた後ようやく落ち着き、鎮火したのだった。普通の洞窟でこんなことしたら酸欠間違いなしだな。まあここはダンジョンだから、そういう空気の配分とかも自動調整されるので、なくなる心配はないみたいだけど。
「旦那様、すごい威力でしたわー!」
「ん。凄かった!」
「斬撃と炎上の極限強化かぁ。すっごい技だったわね!」
「ショウタさん、カッコよかったです!」
「ああ、ありがと」
立ち昇る5つの煙は、すぐには動きを見せないようで、俺たちはゆっくりとその場を離れ、ガチャのために腰を下ろした。
「ふぃー……」
「ご主人様。新技の威力は本当に素晴らしいものでした。ですが、初めて発動させたのがここでよかったですね。普段使いとするには、少し問題のある技のようでしたし」
「そうだな。敵を倒してもそのまま突き進んで、壁に激突するか時間が経過するまで直線上の全てを焼き尽くす。乱戦では使いづらいし、更には巻き込みの関係上、人が多いフィールドじゃ使えないよな」
今後も遭遇するかは未知数だけど、もしも外でスタンピードに遭遇しても、使う場面は限られてるだろう。海とかならまだしも、技による損害が多すぎるし、何よりマップが使えないから安全の確保ができない。
「問題は山積みだな」
「それでも、今までの兄さんにはない高威力、広範囲の一撃必殺型の技じゃないか。二次被害の可能性は置いとくとして、技の開発とその成功は大切だと。今後のためにも必要な経験だよ」
「技のレパートリーが多そうなエスにそう言ってもらえるとありがたいよ。……そんじゃ、気を取り直してガチャを回しますかね」
ガチャの筐体を取り出すと、アキとマキが立ち上がった。
「じゃ、あたしとマキはいつもみたいに見張ってくるわね。2人とも、ショウタ君をお願いね」
「レベルアップで消費はなかったようになってますけど、急激な魔力の消費が起きて少し体調に影響が出ています。ショウタさんも、ガチャが終わっても少し身体を休めてくださいね」
「かしこまですわ!」
「ん。任せて」
マジで?
確かにちょっと疲れたかもしれないが……。俺でも気付かないくらいの変化なのに、よく見てるなぁ。
そして俺は前回同様、身体の前面をミスティ、背面をアヤネに濡れタオルでゴシゴシされながら、ガチャを回した。
『ジャララララ!』
結果は金1、黒2、白2、緑3、紫2。
『SSR 腕力上昇+280、器用上昇+280』
『SSR スキル:痛覚耐性Lv1』
『UR 頑丈上昇+420、俊敏上昇+420』
『UR スキル:空間把握Lv1』
『UR スキル:気配偽装Lv1』
『SUR ステータス6種上昇+350』
『SUR スキル:虚空歩』
『BR スキル:スキル圧縮γ』
『BR スキル:スキル圧縮η』
『LR 武技スキル:神速・殲滅剣』
「無料ガチャ」では赤5。
『SR 腕力上昇+140』
『SR 器用上昇+140』
『SR 頑丈上昇+140』
『SR 俊敏上昇+140』
『SR 知力上昇+140』
*****
名前:天地 翔太
年齢:21
レベル:78
腕力:50126(+24982)(+25063)
器用:50134(+24986)(+25067)
頑丈:49822(+24830)(+24911)
俊敏:49872(+24855)(+24936)
魔力:49730(+24786)(+24865)
知力:49882(+24862)(+24941)
運:28658
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武技スキル:★神速・殲滅剣、★閃撃・灰燼、無刃剣[双連・無刃剣Ⅲ]、閃撃[閃撃・剛]、紅蓮剣[飛剣・鳳凰Ⅲ]、紫電の矢[雷鳴の矢]、魅惑の矢、破魔の矢
称号:ゴブリンキラー、アントキラー、神殺し
管理者の鍵:525、810、777、1086
封印の鍵:タイプL、タイプB
知恵の実:No.4
*****
『ボックスの残り 70/110』
LRから出た新武技スキル、名前からしてなんとなく想像はついたが、イメージするとはっきりと分かった。これは、さっき俺が『グランドグリフォン』相手に繰り出した、スキルを組み合わせて作った必殺技だった。
つまり、ここに形となって現れたと言うことは、アレを一つの武技スキルとして世界に認めてもらったということになる。技の発動内容をイメージしても、俺がやったように『空間魔法』と『虚空歩』を足場に、『神速』を使って縦横無尽に斬り裂く技で間違いなかった。
まあ、実は武技スキルとして既に存在していて、俺が真似たことでガチャが引き寄せた可能性がないこともないが、それは悲しいので考えないようにしよう。
「旦那様から嬉しそうな気配を感じますわ」
「ん。金ピカから良いもの出た?」
「ああ」
俺は彼女達と、煙を警戒しながらも耳をこちらに傾けている皆にドロップした内容を伝えた。
うーん、にしても想像通り『スキル圧縮』のオプションは終わらないか。てか今更だけど、マップ機能のオプションは理解できる。カメラ機能だとか、マップ共有だとか、仲間との共有や、共有した仲間の位置表示だとかさ。
けど、圧縮のオプションって、なんだ? ……全然分からん。
あとは『気配偽装』も、またLv7でMAXになったか。『
「ショウタさん!」
そうして云々と唸っていると、マキに呼ばれたので顔を上げる。
するとそこでは5つの煙が3つと2つに集合し、2つの巨大な塊へと変貌していた。数に応じて現れる敵が違うのか? そしてそれの最大数が3なのか……?
仕組みは分からんが、面白い結果になりそうだ。
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