ガチャ529回目:捧げもの
『シャ! ……シャシャ!?』
ファンキーなリザードマンは、出現した時点で既に俺達に囲まれている事に気付き、慌てて臨戦態勢を取った。しかし、スキルは『逃走術』なんていう今まで見た事もないようなスキルだし、逃げる事に関してだけならばステータスで見えている以上の腕前がある事は確かだ。逆に言うと、戦闘スキルは無いに等しいまである。
だからファイティングポーズは取っていても、多分どこかで隙を突いて逃げ出すかもしれない。それは避けたいし、試したいことがあるんだ。
「おいお前、これを見ろ!」
『シャ? ……シャシャア~!!』
ファンキーなリザードマンは、『英雄の証』を前に頭を下げた。
どうやら、コイツ相手でも有効な手札のようだな。
「ははっ、『変わり者』でも証は有効なんだね」
「ん。権力には逆らえないのかも」
「リザードマン社会も世知辛いな」
『シャア、シャアッ』
ファンキーなリザードマンは、他のリザードマン同様に俺に何かを捧げるように両手を差し出してきた。
「これは……なんだ?」
それは光り輝く
俺は恐る恐るそれに手を伸ばすと、スキルオーブを取得した時のように光が俺の中へと入り込んできた。
【封印の鍵:タイプLを入手しました】
「なに?」
メッセージが消えると、ファンキーなリザードマンも煙となって消えていった。どうやら役目を果たしたらしい。
「どういうことだ……?」
「ショウタさん、今のは?」
「どうなったのー?」
「ああ、えっとだな……」
俺は今起きた出来事を簡潔に話すと、皆が顔を合わせた。
「封印ねぇ。わざわざここで手に入った以上、何かしらの意味はあるわよね」
「第一層や第二層では見かけませんでしたし、この階層で使う物なのか、それとも他のダンジョンでも使う物なのか……」
「わたくしは、この階層で使うことに賭けますわ!」
「お嬢様の予想通り、連続で手に入ればこの階層やダンジョンで封印を解放することになるかもしれません。ですが、以前の『知恵の実』の件もあります。どう転ぶかは判断しかねますね」
「ん。難しい話」
「封印か。そんな怪しい場所、このダンジョンにあったかな……」
皆が思い悩む中、俺は思っていたことを口にした。
「んーまあ、なるようになるんじゃないか?」
「兄さんは相変わらずだなぁ」
「それに、このダンジョンでもエスの知らない場所は有るんだし、もしかするかもしれないだろ?」
俺はそう言って足元を指した。
ここは既に山の中腹に近い場所だから、この下にも当然、例の洞窟は続いているんだよな。このまま上へと登って行って、洞窟への入口が見つからなかったら……。掘削するのも手だよな。
まあ、掘れる材質だったらの話だけど。
「そうか……。それもそうだね」
「んじゃ、リザード相手にできる事は全部やったし、ガチャを回すかな」
『ジャララララ!』
結果はいつものごとく黒2、白2、緑4、紫2。
『SSR 魔力上昇+230、知力上昇+230』
『SSR スキル:ガンナーLv1』
『UR 頑丈上昇+380、俊敏上昇+380』
『UR スキル:充電Ⅱ』
『UR スキル:気配偽装Lv1』
『UR スキル:魔眼耐性Lv1』
『SUR ステータス6種上昇+300』
『SUR スキル:急所突きⅡ』
『BR スキル:魔導技師』
『BR スキル:時空魔法Lv1』
「無料ガチャ」では赤5。
『SR 腕力上昇+125』
『SR 器用上昇+125』
『SR 頑丈上昇+125』
『SR 魔力上昇+125』
『SR 知力上昇+125』
*****
名前:天地 翔太
年齢:21
レベル:98
腕力:42076(+20937)(+21038)
器用:41834(+20816)(+20917)
頑丈:42142(+20970)(+21071)
俊敏:42192(+20995)(+21096)
魔力:41770(+20786)(+20885)
知力:41612(+20707)(+20806)
運:26618
【
【
【
【
【
【
【
武技スキル:無刃剣[双連・無刃剣Ⅲ]、閃撃[閃撃・剛]、紅蓮剣[飛剣・鳳凰Ⅲ]、紫電の矢[雷鳴の矢]、魅惑の矢、破魔の矢
称号:ゴブリンキラー、アントキラー、神殺し
管理者の鍵:525、810、777、1086
封印の鍵:タイプL
知恵の実:No.4
*****
『ボックスの残り 20/100』
また新しいスキルが手に入ったな。リストの位置的には『魔導の御手』の関連スキルか? 使ってみたらわかるだろうか。
あとは、覚えても結局使えていない『時空魔法』だな。結局このスキル、謎のままなんだよなぁ。いい加減ステータスも飽和して来たし、そろそろ使えてもおかしくないはずなんだが……。まだ反応は無いんだよな。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この作品が面白いと感じたら、ブックマークと★★★評価していただけると励みになります!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます