ガチャ518回目:スキル整頓

「すっごいスキルの数……! あいつらのスキルに目もくれない訳だわ」

「スキル持ちの雑魚モンスターが多い影響か、いつもよりも凄いね兄さん」

「ん。大量」

「いっぱいですわー」


 溢れるスキルに盛り上がる中、両隣に座るアキとマキは心配するように見上げてくる。


「ショウタさん、休みながらで良いですからね?」

「そうそう。明日は休みなんだし、下位スキルなんかは後回しでも良いんじゃない?」

「いや、一括でできるからそんなに負担はないよ。数が多いほどまとめるのに魔力は持っていかれるけど、それも言うほど苦しいものじゃないから。心配してくれてありがとね。……アイラ、ブーストスキルから順番に頼む」

「畏まりました」


 そうしてスキルを圧縮し始め、大量のスキルは元ある在庫と合わせていく。

 まず『剛力Ⅴ』は13個もあるので、Ⅵを3個に。

 『硬化』は 無印2個、Ⅳが1個、Ⅴが3個、Ⅵが3個に。

 『再生』はLv1が5個、LvMAXが54個に。

 『隠形』は俺達5人が全員Ⅲだったことも加味して、 無印1個、Ⅲが16個、Ⅳが12個。

 『生体感知』と『反響定位』は『全感知』に圧縮できると強いので、一旦Ⅲまでにとどめておくことにして、 『生体感知』はⅡが2個、Ⅲが16個。『反響定位』は無印1個、Ⅱが1個、Ⅲが20個。

 『吸血』はLv1が4個、LvMAXが19個。


「残るは魔法か……。アイラ、風と水と土、前回分も併せたらどうなる?」

「はい、『ハートダンジョン』の未精算分ですね」

 

 『風魔法Lv1』204個。

 『風魔法Lv3』2個。

 『風魔法Lv5』1個。

 『風魔法LvMAX』16個。

 『水魔法Lv1』201個。

 『水魔法Lv2』44個。

 『水魔法Lv3』807個。

 『水魔法Lv7』1個。

 『水魔法LvMAX』1個。

 『土魔法Lv1』200個。

 『土魔法Lv3』3個。

 『土魔法Lv4』1個。


「こうなります」


 頭がおかしくなる数に、皆黙ってしまった。シルヴィに至っては宇宙猫になってた。気持ちはわかる。特に『水魔法Lv3』だ。これはアホロートルのせいだったな。


「とりあえず……まとめるか」

「……あっ、ショウタさん!」


 あまり長い間見ていたくはない光景だったので、それを無くそうと動き出した矢先、マキが待ったをかけた。


「ん?」

「今なら、4属性の魔法のLv5とLvMAXが揃っている訳ですし、『元素魔法LvMAX』が1つ作れるのではないでしょうか。アイラさん、確か『炎魔法』はLv5とLvMAXが1個ずつありましたよね」

「はい、その通りですね。流石マキ様です、私も失念しておりました」

「あ、そっか。前回は『風魔法』はLv3とLvMAXしかなくて、『土魔法』もLv3とLv4だけで、見事に噛み合わなかったんだっけ」

「あー……。完全に忘れてたな」

「では、旦那様のつよつよマジックミサイルが、更に強化されるんですのね!」

「マジックミサイルは『元素魔法』のレベルを上げるたびに消費魔力が膨れ上がるんだっけ。それも含めて、例のネックレスが役に立ちそうだね」

「ん。ショウタが強くなるなら大歓迎」


 ……そうだな、せっかくの機会だし、皆もそれを望んでる。取得させてもらうとするか。んじゃ、各属性のLv5を作るように『圧縮』して……。


 『炎魔法Lv5』1個。

 『炎魔法LvMAX』1個。

 『風魔法Lv5』1個。

 『風魔法LvMAX』37個。

 『水魔法Lv5』1個。 

 『水魔法Lv9』68個。

 『水魔法LvMAX』211個。

 『土魔法Lv1』8個。

 『土魔法Lv5』1個。

 『土魔法LvMAX』19個。


「こんな感じか。そして、気持ち減った気がする」


 正直『水魔法LvMAX』の数は認識したくないレベルで存在しているが。

 そして4属性のLv5とLvMAXを『圧縮』し、『元素魔法Lv5』と『元素魔法LvMAX』を手にした。これから振り分けに入る訳だが、せっかくだしいくつかのスキルもまとめてチェックをしておくか。


「まずは『元素魔法』だな」


 名称:元素魔法LvMAX

 品格:≪最高≫エピック

 種類:マジックスキル

 説明:炎・風・土・水。4つ全ての属性が扱えるスキルで、発動する魔法は本来以上の性能を発揮する事もある。Lv3、6、9の3段階ごとに、独自魔法を取得するが、その魔法は個人の資質によって左右される。

 ★LvMAXになると一定の条件で発動可能な特殊魔法が使用できる。


「特殊魔法……? アヤネ、そんなの使えたか?」

「いいえ、心当たりがありませんわ。イメージしても、現時点で使えるのは各属性のLvMAXまでの魔法と、12種類の独自魔法だけですの」

「12種類も十分凄いが、条件は何だろうな。ステータスかな?」

「それでしたら、旦那様は使えるかもしれないですわねっ!」

「だなー。そんじゃ、次は期待の『超防壁』だな」


 名称:超防壁Ⅴ

 品格:≪最高≫エピック

 種類:ブーストスキル

 説明:被弾時のダメージを一定値まで吸収するシールドを展開する防護スキル。無効化できるダメージは所有者の頑丈ステータス×(1+スキルレベル)。

 ★参照される頑丈はブーストスキルによる増強の影響を受けないが、統率による上昇効果は反映される。

 ★残存シールドの4倍以上のダメージを一度に受けた場合、シールドは効果を発揮せず消失する。


「書いてる通りなら確かに優秀なスキルだな。特に『頑丈』が高い俺とか。まあでも、ダメージ計算式が分からない以上過信はできないが」

「あとは『金剛外装』との併用ができるかどうかですね」

「実験は後でするとして、次はこいつだな」


 名称:吸血LvMAX

 品格:≪希少≫レア

 種類:アーツスキル

 説明:食らいついた相手から血、体液、エネルギーのいずれかを啜り、対象が人型の場合高確率で朦朧・眩暈のデバフを付与する。また、吸収する事で自身の体力及び魔力を回復する。人間は取得不可。


「まあ想像通りか。イリス、一応持っとくか」

『プルン』

「んじゃ最後にこれだな」


 名称:ミストミラージュ

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種類:スペシャルスキル

 説明:霧の中限定で効果を発揮する特殊スキル。被弾によるダメージを完全に無効化し、無効化したダメージ量に応じて魔力を消費する。


「こっちは人間でも取得できるのか。シールドや外装が無かった場合の第3の壁になりうる防壁スキルだけど、霧の中限定ってのがネックだな」

「いつでも使えたらそれこそキメラ並みにしぶとくなれるわね」

「ショウタさんは『魔力』の総量も回復手段も潤沢ですし、いつでも使えてしまったら無敵になれるかもですね」

「ん。流石にそれはモンスター」

「だよな」

「『風魔法』と『水魔法』で霧を出すことはできますけれど、旦那様の周りに常に纏わせるのは至難の業ですわ」

「戦闘中どこにいても霧の中になるように戦場を調整できたとしても、今度は視界が悪くなりますからね。調整が難しそうです」

「だよなー」


 とりあえず覚えはするけど……。大道芸で使えても、戦場で使えるかと言われると甚だ疑問ではあるな。せめて『霧生成』のスキルがあれば別なんだが、あれエクススキルだしな……。

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