ガチャ463回目:9回目の更新

「……まあ、それは一旦置いとくとして。本来の報告したかったことだけど……」


 念のため『封音の魔道具』を起動する。ミスティにはまだ『レベルガチャ』の事を伝えるつもりはないからな。


「ミスティとダンジョンデートしたことで、『充電』が終わった」

「「「えっ?」」」

「ご主人様、『ハートダンジョン』クリア時は確か残り11ほどありませんでしたか?」

「うん。全部消化できたうえに、今のレベルは202あるから、久々に回せると思う」

「ど、どれだけ倒したのよ」

「旦那様、すごいですわ!」

「エンリルちゃんが帰ってすぐにゴロゴロし始めたのは、そういうことだったんですね」

「キープ役に、ミスティと一緒に頑張ってもらったからな。改めてお疲れ様、エンリル」

『ポ~』


 俺はテーブルに本日の戦利品を取り出した。


 『物理耐性』75個。

 『物理耐性Ⅲ』20個。

 『物理耐性Ⅴ』5個。

 『自動回復』75個。

 『自動回復Ⅲ』25個。

 『極光魔法Lv2』10個。

 『宵闇魔法Lv2』10個。

 『混沌魔法Lv2』5個。


 七色のダイヤモンド:20個。

 ブラックダイヤモンド:20個。

 七煌ダイヤモンド:10個。


 その他無数の各種スライムゼリー及び魔石。


「凄い数ね……」

「倍化したことを考えると、巨大スライム10匹ずつ、ボスは5匹も倒されたんですね」

「以前は同時撃破も大変でしたけど、今の旦那様なら余裕そうですわね!」

「ではご主人様、これらを使ってミスティ様のアクセサリーを?」

「その予定。カスミ達は合流するまで自前でやってくつもりみたいだけど、何も贈らないのは嫌だから、効果をマイルドにした類似品を贈ろうかなと思案中。まあ、性能調整ができるかはやってみないとわかんないけど」

「性能調整となりますと、以前は既製品と組み合わせて作りましたね。今回もそのような形に?」

「いや、以前と同じだと俺との経験値共有がついちゃうから、ゼロから作りつつ性能を整えようと思ってる。だから、どれくらい時間がかかるかは不明だけど、明日の報告から数日は家に籠って作業に集中するよ」

「畏まりました」


 まあ籠ると言っても、気分転換にウロウロしたりエンキ達と遊んだり彼女達とイチャイチャするから、不摂生な状態にはならないと思うけど。前回もそうだったし。


「んじゃ、アイラ。『物理耐性』と『自動回復』の今までの在庫分も出して」

「はい。こちらに」


 『物理耐性』36個。

 『物理耐性Ⅱ』2個。

 『物理耐性Ⅲ』6個。

 『物理耐性Ⅳ』2個。

 『物理耐性Ⅴ』1個。

 『自動回復』31個。

 『自動回復Ⅱ』1個。

 『自動回復Ⅲ』5個。

 『自動回復Ⅳ』3個。


 んじゃ、これらを『圧縮』して……。


 『物理耐性』3個。

 『物理耐性Ⅱ』1個。

 『物理耐性Ⅲ』1個。

 『物理耐性Ⅳ』10個。

 『物理耐性Ⅴ』6個。

 『自動回復』2個。

 『自動回復Ⅱ』3個。

 『自動回復Ⅳ』12個。


 っと、こんな感じか。

 まず『物理耐性Ⅳ』を3つずつアヤネ、アイラ、アキに。『物理耐性Ⅴ』を1つマキにあげて、彼女達を全員『物理耐性Ⅴ』に。そんで『物理耐性Ⅴ』3つを俺が取得して『物理耐性Ⅵ』に。

 最後に『自動回復Ⅳ』を3つずつエンキ、エンリル、セレン、イリスに渡して『自動回復Ⅴ』に。これでOKだな。


「それでショウタ君、筐体はどんな風に進化したの?」

「いや、それがまだ戦闘中だったこともあって、『充電』が終わったら即しまっちゃったんだ。だからまだ確認してないんだよね」

「では一緒に確認ですわ!」


 そうして皆が見守る中で『レベルガチャ』の筐体を呼び出すと、筐体はすぐに輝き始めた。どうやら、収納中に変化が完了している、なんてことはないようだな。

 輝きが収まった後、そこに現れたのはボディーが紫色に変化していたのに加え、黒の縦線が2本に増えた筐体がそこにはあった。


「今度は紫色か」


 んで、肝心のバージョンアップ内容は……。


『バージョンアップ! 出現する増強アイテムの効果が高まりました!』

『バージョンアップ! ガチャの消費レベルが14⇒16に上昇しました!』

『バージョンアップ! スキル、アイテムの排出率が上昇しました!』


『管理者権限を4つ確認。一部の特殊アイテムがアンロックされました』

『管理者権限を4つ確認。一部の特殊スキルがアンロックされました』


『ボックスの残り 100/100』


「在庫100か。必要レベルが160と高くはなったけど、これもすぐに終わるかもだな」

「向こうのモンスターの強さ次第ですね」

「だな」

「管理者権限、前回更新時は2つだったわよね。それが4つに増えたんだし、また特異なスキル出てきてくれそうね」

「そうですね。ですが、アイテムについては結局状態異常耐性の指輪以外では見かけませんでしたね。何か条件があるのでしょうか」

「その辺は、俺自身が条件を満たす行動を起こしていなかったとか、ダメージを受けなかったからとか、そんな理由がありそうだけどな」


 まあそこは、ガチャの結果を見てから考えるか。

 そうして俺は、1ヶ月ぶりにガチャを回した。

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