ガチャ445回目:新ランクの宝箱

「それじゃ、スキルを振り分けるぞー。つっても、ほとんど俺が貰うんだが」


 俺は『天罰の剣』1個、『光耐性Lv5』1個取得。『神弓術Lv2』1個で『神弓術Lv5』に。『空間把握Lv1』1個で『空間把握Lv4』に。『曲芸Lv4』1個で『曲芸Lv6』に。『魔導の叡智Ⅲ』1個取得。『急所突き』1個で『急所突き(2/3)』に。『重ね撃ちLv2』1個で『重ね撃ちLv4』に。『聖魔法Lv1』1個で『聖魔法Lv2』に。『魅惑の魔眼』1個、『天使の祝福』1個を取得。

 アイラは『予知』『狩人の極意LvMAX』『暗殺の極意LvMAX』を取得。

 ハルは『予知』を取得。


「ご主人様、ありがとうございます」

「ありがとうございます、お兄様。このスキルで皆を守ってみせるわ!」

「おう。……そんじゃ、お待ちかねの宝箱だな」


 全員でサングラスをかけ、手元に『アダマンタイトの宝箱』を持ってくる。


「楽しみですわー」

「ドロップ武器からして『伝説レジェンダリー』だものね。こっちも期待できるわ」

「ドキドキ」

「わくわく」


 皆待ちきれないみたいだし、早速開けるか。

 ゆっくりと蓋を持ち上げると、期待通り中は暗闇になっていて、手を突っ込むと金属的な物質が手に触れた。形状としては平らな所もあれば、段差があったりする感じで、正直言ってよくわからなかった。


「んん?」


 まあ、手触りでわからないなら見て判断するしかない。

 俺は持ちやすそうなところをおもむろに掴んで持ち上げた。


「お、こいつは……」


 名前:天翼の兜

 品格:≪遺産≫レガシー

 種別:防具

 防具レベル:53

 説明:天翼シリーズの兜。正体不明の鉱物で作られた兜。強靭な防御力を誇り、邪悪なるものを打ち消す力を持つ。シリーズ装備の着用数に応じてボーナス。

 ★2つ:防御力上昇

 ★3つ:攻撃力/防御力上昇

 ★4つ:攻撃力/防御力/武技スキル威力上昇

 ★5つ:攻撃力/防御力/武技スキル威力/魔法威力上昇

 特殊効果:地獄のモンスターへのダメージボーナス


「あいつの兜かぁ」


 ボーナスは強そうだけど、あいつと連戦するには強化体の周回が必要不可欠だし、現実的じゃないな。てか最後の『地獄』て。さっきも『天界』ってワードが出て来たけど、ダンジョンにはそういう別世界が内包されているのか、はたまた別世界が干渉してダンジョンに影響を与えてるのか。興味が尽きないところではあるな。

 そう思ってると、両隣にいたアキとマキに腕を引っ張られる。


「ショウタさんっ」

「ん?」

「ショウタ君、まだ残ってる!」

「え?」


 よくみれば、いつもなら消えてなくなっているはずの宝箱がその場に残り続けていた。そこから発する光量は減っているが、消えていないという事は、つまり……。


「まだ入ってるのか!?」


 慌てて兜を置いて中に手を伸ばすと、の金属片が手に当たった。俺はそれらを1つずつ取り出していく。

 そして出てきたのは予想通り、奴が身に着けていたのと同じ『天翼の鎧』『天翼の籠手』『天翼のレギンス』『天翼のグリーブ』だった。


「……おお」

「まさかの結果ね」

「1つの宝箱でシリーズ防具コンプリートですか。流石ご主人様です」

「こんなことになるのは、後にも先にも兄さんだけだろうね……」

「すごいです!」

「旦那様、早速着けてみましょう!」


 そうして彼女らに手伝ってもらいつつ、マントを除いた全身の部位を更新。現在の防具は大幅に強化された。


 頭:『固有ユニーク』Lv35『ゴブリンガレア』

 胴:『遺産レガシー』Lv40『アサシンメイル』

 手:『固有ユニーク』Lv33『山熊の籠手』

 脚:『希少レア』Lv22『ミスリルレギンス』

 足:『固有ユニーク』Lv31『牙王の脚絆』

 背:『固有ユニーク』Lv38『ミラージュマント』


 これが。


 頭:『遺産レガシー』Lv52『天翼の兜』

 胴:『遺産レガシー』Lv54『天翼の鎧』

 手:『遺産レガシー』Lv52『天翼の籠手』

 脚:『遺産レガシー』Lv53『天翼のレギンス』

 足:『遺産レガシー』Lv52『天翼のグリーブ』

 背:『固有ユニーク』Lv38『ミラージュマント』


 こうなった。


 うーん、一気にレベルアップしたな。

 これなら、並大抵の攻撃は外装が無くても弾き返せそうだ。……ミスティの弾丸やエスの不可視攻撃は無理そうだけど。


「はわぁ……」

「……カッコイイ」

「うっとりしちゃう」

「……ステキ☆」

「物語に出てくる王子様みたい!」


 王子様ねぇ。ミスリルの時もそう言われたな。


「お兄さん超似合ってるー!」

「胸がドキドキするわ」

「ん。今なら文句なしにSランクの風格ある」

「ああ。今なら他所に行っても舐められることはないね」


 皆、熱い視線で見つめてくるが、鏡で自分を見ると、自分でもかっこよく見えてくる。

 これがレベル400越えの境地なのかな? まあ、このオーラは後日ガチャで消し飛ばすんだけど。……しばらくは箔付けの為に『充電』はしなくていいかな。それに、にも箔は必要だろうし。


「それじゃ、アイテムの整理も終わったし、このまま『ダンジョンコア』のところに行こうと思う。今回もどれくらいで帰ってこれるかわからないけど、ちょっと色々と試してこようと思うから数時間戻らないかも」

「はい。いってらっしゃい、ショウタさん」

「『ダンジョンコア』の写真、今回もお願いねー」

「旦那様、ぎゅーっ! ですわ!」

「ご主人様、いってらっしゃいませ」


 彼女達と順番に抱擁し合ったあと、今度はカスミ達とも抱擁し合う。


「お兄ちゃん、いってらっしゃい!」

「ああ、行ってくる!」

「あ、ショウタ。その間、着ぐるみ試しても良い?」

「ああ、そういえばそういう話だったな。良いけど、カスミ達も遊ばせてやってくれな」

「ん。独り占めはしない。……いってらっしゃい」

「おう」


 テントを出た俺は、彼女達に見送られながら宣言する。


「管理者の鍵を使用する」


【所持者の意思を確認】


【管理者キー 起動】


【管理No.810】

【ダンジョンコアへ移動します】


 さーて、今回でレベル4だ。何ができるようになったかな。

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