ガチャ432回目:ウーパールーパー
「お、出た」
海底洞窟を進むこと数十分。100匹目の討伐でレアモンスター出現の兆候が現れた。
第三層、第四層と、これまでの階層は100匹討伐とは違うタイプだったから、こうやって素直に出てきてくれると嬉しくなるな。
そしてこの煙だが、『運』をしっかり割り振っているメンバーとそれ以外で、見え方が明確に違っていた。レベル1ごとに1ずつ割り振っているアキとマキは現在300ちょい。彼女達にはこの煙はそれなりにハッキリと見えているのに対し、急激なレベルアップ後一切『SP』を使えておらず『運』が39で止まっているイズミには薄っすらとしか視えていなかった。
そしてそれ以外のメンバーにはまるで見えていない様子だった。
となると、ここのレアは『運』が初期値だと出現率0%で、数十あっても1%あるかないかと言ったところか。聞いたところによるとこの階層では、今までレアモンスターは見たことがないそうだし。
このアホロートル、名前はふざけているように見えても同レベル帯ではしっかりと強敵だし、そんな相手を100匹連続は困難だろう。キャンプをして連日狩るのなら特定の誰かが100匹討伐を成すこともあるだろうけど、ある程度の『運』が無ければ、そもそも煙は蜃気楼レベルで見えないときた。
「煙の行先は……あっちか」
どうやらその場湧きはしないらしい。
まあそりゃそうか。今まで見つかってないんだもんな。『運』が無くても運の良い矛盾したラッキーマンも中には居たかもしれないけど、それでも見つかってないってことはそういうことなんだろう。
煙を追うと、ソレは1本の側道へと入って行き、代わりに内部からはアホロートルの群れが逃げるように逆走してきた。この煙、逃げるモンスターもいれば忠誠を誓って足止めを仕掛けてくるモンスターもいるが、違いは何なんだろうか?
移動タイプの上でモンスターが逃げ出したのは『マーダーラビット』『オロチ』『ドレッドボア』『黄金蟲』。そしてコレだ。
逆に煙の支援に回って来たのは『コマンダーゴブリン』『ハイオーク』『チャンピオンゴブリン』の獣人系。
確認が取れなかったのはレアⅡになった途端に移動型に切り替わった『アサシンカメレオン』と、周囲のモンスターを無作為に食い荒らした『ヒュージーレインボースライム』くらいか。
こう考えると、動物系は逃げて、人型系は逃げないのかもな。
まあその辺の検証も、色んなレアモンスターと戦っていけば数がこなせるはずだ。
「ようやくか」
通路の奥、地面が水浸しとなった小部屋の中央にそれは鎮座していた。
*****
名前:ブルーウパルパ
レベル:60
腕力:500
器用:500
頑丈:650
俊敏:350
魔力:1000
知力:900
運:なし
【
★【
装備:なし
ドロップ:ウパルパのヒレ、ブルーカラーの氷晶石
魔石:大
*****
ウパルパという略され方は謎だが、見てくれは普通に青くて巨大なウーパールーパーでしかなかった。ちょっと可愛いくもある。まあ見た目は良くても強敵じゃないし、能力もそれほど脅威ではない。『水魔法』のレベルは高いが、この小さな小部屋では全力を出せないだろう
なので、撮影もほどほどにさっさと倒してしまう。
『斬ッ!』
【レベルアップ】
【レベルが78から79に上昇しました】
雑魚の積み重ねもあってか、1レベルだけ上がってくれたな。
そう思っていると、煙は霧散するでも膨れ上がるでもなく、突然移動を開始した。
「追うぞ!」
側道を飛び出した煙は、洞窟の奥へと向かっていく。煙の動きは遅すぎず速すぎずといったもので、それなりに余裕を持って、雑魚を討伐しながら追う事ができていた。
「どこに向かってるんだ?」
直線で動いていた煙は突然直角に折れ曲がると、2番目の側道へと入って行く。それを追って通路を抜けると、先程と同じ構成の部屋に、今度は水色のウーパールーパーが鎮座していた。
*****
名前:コバルトウパルパ
レベル:70
腕力:600
器用:600
頑丈:750
俊敏:450
魔力:1500
知力:1000
運:なし
【
★【
装備:なし
ドロップ:ウパルパのヒレ、コバルトカラーの氷晶石
魔石:大
*****
「ブルーの次はコバルト? ……嫌な予感がして来たな」
「兄さん、何か心当たりが?」
「……ああ。次は多分緑が来るんじゃないか?」
記録もそこそこに討伐を優先すると、煙は再び洞窟へと飛び出し、やはりというか3つ目の側道の正面までくると、直角に折れ曲がり内部を突き進んだ。
そして中に鎮座していたのは……。
*****
名前:グリーンウパルパ
レベル:80
腕力:700
器用:700
頑丈:850
俊敏:550
魔力:2000
知力:1200
運:なし
【
★【
装備:なし
ドロップ:ウパルパのヒレ、グリーンカラーの氷晶石
魔石:特大
*****
ほらきた。
……しっかし、こうなると後の流れは確定だな。
けど、あっちは物理攻撃型だったのに対してこっちは魔法型か。となると『ダンジョンボス』もそうなるのか? それはそれで非常に厄介そうだから、対処法を考えないとな。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この作品が面白いと感じたら、ブックマークと★★★評価していただけると励みになります!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます