ガチャ414回目:コスプレ衣装

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詳細は文末で。

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 まずは鳥たちの巣から入手した卵の確認をする。


 名称:レイヴンの卵

 品格:≪希少≫レア

 種別:食材

 説明:無精卵のためどれだけ世話をしても孵らないが、彼らは後生大事に世話をしている。とても美味。


 名称:ルフの卵

 品格:≪固有≫ユニーク

 種別:モンスターエッグ

 説明:ルフの巨大な卵。魔力を込めて世話をすると怪鳥ルフの幼体が生まれる。初めて見た人間を親と思う習性を持ち、人に懐く。30日ほどで成体になるが、サイズは親鳥の半分ほどで止まる。


「おお」

「成体になるのはや!?」

「あのサイズの半分でも、結構な大きさですね」

「一般家庭では不可能ですわ」

「ですが、それよりもこの国でモンスターを正式にペット化出来る手段が見つかったのは大きいですね。問題は『ルフ』の出現に必要な『運』と、ドロップに必要な『運』ですが……」

「そこはほら、例の黄金計画でなんとか」

「ですね……」


 そしてうちでも1体生育するという話になったりしつつ、次は宝箱だ。見た目が全く同じ宝箱が6つも並ぶと、どれがどれだか分かりにくいが、『真鑑定』を使えば見分けが利くな。この手前の5つが『ルフ』の物か。


「まずは『ルフ』の方から開けようか」


 エスもミスティも把握しているのかサングラスを装着し、俺は『ルフ』が落とした5つの宝箱を一気に開封した。


「おお……!」

「全部、当たり……!」


 全て暗闇だったので、ひとまず一番手前の箱から手を突っ込む。すると、なんとも柔らかい質感の物が手に触れた。少し手探りに、あちこちに手を伸ばすも、そのどれもが柔らかく、掴みやすい取っ手のようなものは存在しなかった。


「……? なんだこれ」


 宝箱からこんな柔らかさを持つアイテムを取得した覚えはない。近いものとしては例のアレな下着と、マントくらいのものだ。だが、わざわざ暗闇であるくらいだから大きさはそれらとは比較にならないはずだ。

 それに、これが何かはわからないが、こんな宝箱に入っているくらいだ。きっと上質な物に違いないし、勢いよく引っ張って破れてしまってはコトだ。慎重にその柔らかな部分を鷲掴みにし、ゆっくりと引き上げていく。


「おお……?」

「これは……」


 宝箱から引っ張り上げても、出てきたそれはほんの一部で、大部分はまだ宝箱の中に引っかかっていた。

 どれだけ大きいのか想像もつかないが、アイラにアイコンタクトをして宝箱を掴んでもらい、俺はそのまま糸をたぐるようにその柔らかな物を引き摺り出していく。


「え、コレって……」

「とっても大きいですわ!」


 とうとう宝箱が消失し、中身が俺たちの前に広げられた。全貌が明らかになったそれは、俺たちにとって誰もがよく見知った物であり、これを知らない人間はこの国にはいないだろう。


「『真鑑定』『真理の眼』」


 名称:ルフ鳥の羽毛布団

 品格:≪固有≫ユニーク

 種別:アイテム

 説明:魔鳥ルフの羽毛を贅沢に使った至高の一品。この布団に包まれれば、使用者はたちまち眠りにつき、幸せな夢を見られるだろう。

 特殊効果:睡眠時の体力、気力、魔力の回復速度が2倍になる。


「やっぱり掛け布団かよ!」

「回復速度上昇の寝具……! これはすごい!」

「つーか、デカすぎでしょ。キングサイズの数倍はあるわよ」

「モンスターが巨大でしたからね。そこから採れる羽毛となると、これくらいのサイズになるのかもしれません」

「ふかふか、もふもふ」

「これ1つで5人一緒に眠ってもまだ余裕がありそうですわ~」

「手触りも良いですね。お洗濯は大変そうですが……」


 他の宝箱も確認したが、全部布団だった。

 これは……。うちのチーム、カスミ達、義母さん2人へのお土産、そんでエスとミスティへのプレゼントで良いかな。


「良いのかい!? もらってしまって」

「いいぞ。てか、2人に1個で悪いけど大丈夫か?」

「エスなら一緒でも大丈夫」

「僕たちは何があろうとも兄妹だからね。特に問題はないよ」

「なかよし」


 ミスティがVサインを送ってくる。本当に仲が良いみたいだな。


「じゃあ最後に、強化体の宝箱か。こっちも寝具だったりしてな」

「布団はもう勘弁してほしいわね」

「楽しみですわ~」


 ぱかりと開けると、そこには暗闇が広がっており、またしても柔らかな感触があった。


「柔らかいなぁ……。でも、布団とは違ってそこまで大きくないみたいだ」

「また羽毛関係でしょうか?」

「ワクワクですわ」

「ショウタ、はやく出して。気になる」

「せかすなって」


 ゆっくりと引きずり出したそれは、黄色い体毛の……。ヒヨコをモチーフとした着ぐるみだった。


「は? 着ぐるみ??」

「可愛い!」

「可愛いですわ!」

「またもふもふだ」

「えぇ……? なにこれ??」

「レベル200のモンスターから、着ぐるみですか……?」

「……まさか、これは」

「とにかく確認するか。『真鑑定』『真理の眼』」


 名称:小鳥の着ぐるみ

 品格:≪遺産≫レガシー

 種別:変身具

 説明:魔力を500消費する事で、着用者を既定の種族に最大3時間変更する魔道具。

 タイプ:鳥人族


「変身!?」


 なんだそれ、聞いたことが無いぞ。


「これはとんでもなく珍しいアイテムが出たね。流石兄さんだ」

「エスは知ってるのか?」

「ああ、我が国のオークションに2度ほど出品されたことがある。こちらのタイプは『虎人族』だったかな。その名の通り虎の着ぐるみだったんだが、それを使うと虎人間に変身したんだ。特に戦闘能力が上がる訳でもなく、パーティー用グッズとして使われてるね」

「へー。幾らで落札されたんだ?」

「最初は確か3000万ドルだったかな」

「うげぇ」


 何だその値段。しかもそれ、円じゃなくドルだろ?

 パーティー用グッズなんじゃなかったのか?


「変身は文字通りの変身でね。肉体の中も外も人間ではなく、完全に変身先の種族のものへと身体が作り替えられるらしいんだ。レントゲンやCT、MRI検査とかで変身した人間を調べてみたところ、内蔵や骨格なんかが、全くの別物になっていたらしい」

「へぇ」

「だから、どこかの物好きが生命の神秘が知りたいとかで解剖実験をしたんだ」

「か、解剖!?」


 なんだそのマッドサイエンティストな話は。変身といっても3時間しかないし、それって生きてる人間なんだろ!? 世の中には頭のイカれた奴もいるんだな。

 うちの彼女達も顔をしかめているし、関わり合いになりたくない。


「けれど安心してくれ。実験は大失敗。虎皮にメスを入れた瞬間に着ぐるみが破け、変身機能が失われ、元の人間へと戻ったそうなんだ。それ以降はどう修復しようともソレはただの着ぐるみと成り果てたそうだよ」

「つまり、変身で見た目も中身は変わっても、身体を傷つけられた瞬間着ぐるみ本体がダメージを受けて、そうなると変身は解除されて二度と使い物にならなくなる、と」

「そういうことさ。大枚叩いたそのマッドな科学者は、結局何も得られずご破算となった訳だ」

「その話は興味深いが、出会いたくない人種であることに変わりはないな。それはともかくとして……安全であることが分かったし、誰が着る?」


 そうして聞くと、マキ、アヤネ、ミスティが手を挙げた。そして熾烈かつ高速なジャンケンバトルが開催されたのだった。

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アンケート:https://twitter.com/hiyuu_niyna/status/1747089838183190740


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