ガチャ398回目:湖に潜む者
デカヘビはゆっくりと近付いて来るが、遠距離攻撃をしてくる様子はない。射程が短いのか、そもそも手段がないのか。待っている間、俺達はフォーメーションを整える。エンキが正面、その両肩にはエンリルとイリス。両隣には俺とアイラ。エンキの背後にアヤネとセレン。そのさらに後ろにカスミ達だ。
しかし、最初に叫んだこと以外、本当に何もしてこないな。もしかして、あんな仰々しい場所に居座っておいて、ほんとは滅茶苦茶弱いとか?
そんなバカなと思っていると、ようやく『真鑑定』の射程距離まで近づいてくれた。
「『真鑑定』」
*****
名前:レイクサーペント
レベル:130
腕力:1400
器用:1400
頑丈:800
俊敏:1350
魔力:2000
知力:500
運:なし
【
【
【
【
【
装備:なし
ドロップ:ランダムボックス
魔石:特大
*****
「ふむ……」
弱くはない。が、今までの強敵たちと比べると、強すぎると言う事もない。
いやまぁ、第一層や第二層に出てきたレアⅡと比べると軽く凌駕するほどの強さは有るけれど、今の俺達が恐れるようなものは何もないな。なんだ、ただの肩透かしか……?
「撮影は」
「バッチリですわ、お兄様」
「カメラ回してるよー☆」
「よし、エンキ、エンリル、イリス。相手の実力はさほど脅威ではないようだ。遊んでやれ」
『ゴゴ!』
『ポポー!』
『プルルン』
エンキがダッシュで突貫すると、『レイクサーペント』は威嚇するように嘶く。
『シャアアアッ!!』
遠目でも巨大に見えた『レイクサーペント』だったが、実際に5メートルもあるエンキが近付く事で本当の縮尺が見えてきた。体長は目算で8メートル以上。胴回りは少なくとも2メートルはあるだろう。俺達程度なら簡単に丸呑み出来てしまいそうだ。
同じ蛇系の『オロチ』同様、締めつけたり噛みついたりが基本行動なんだろうが、いくらデカかろうと奴の攻撃じゃエンキの身体を傷つける事は出来なかった。上空を飛ぶエンリルにはそもそも当たらないし、イリスは回避も上手い。特にイリスは、尻尾で振り払われそうになっても、その尻尾に粘着してへばりつき、そこから毒攻撃を仕掛けたりと回避から攻撃につなげていた
これなら問題はなさそうだ。
『プルルン?』
「おお、良いぞ」
『プルーン!』
「お兄ちゃん、イリスちゃんはなんて?」
「このまま食って良いかってさ。まあサーペントといっても見た目は蛇だし、旨そうに見えたんじゃないか?」
『シャアア!?』
イリスは器用な事に『レイクサーペント』の尻尾にしがみ付きながら、毒と麻痺を流し込むと同時に捕食を始めた。イリスは自分が作れる毒は自分で中和出来るので、味にスパイスというか、調味料代わりになってるのかもしれないな。
結局、戦闘時間でいえば数分と保たなかった。なにせ、正面からはエンキによってタコ殴りにされ、頭上からはエンリルのカマイタチが降り注ぎ、身体の末端から喰われていったのだ。モンスターとはいえちょっと哀れだったな。
【レベルアップ】
【レベルが82から154に上昇しました】
倒れた『レイクサーペント』は煙になり、霧散する事なくその場にとどまり続けた。この様子ならレアⅡになるのも時間の問題か。
「エンキ、エンリル、イリス。『海割り』解除するから一旦戻っておいでー」
『ゴ!』
次が出るのにどの程度時間があるのかは不明だが、ひとまず『充電』は済ませたいし、10分以上無駄に割り続ける必要もないしな。
そうして『海割り』を解除すると、水が元通りになり煙ごと飲み込んでいくが、不思議な事に煙は水に飲み込まれる事無く浮かび上がってきた。そういや海のスタンピードでも、『クラーケン』の煙は海面に浮かんでいたな。けど第二層では水中に煙が出現していた。
もしかして、倒した状況に煙は引っ張られるのか? 水中にいる状態のまま倒したら、出現するモンスターも変化する??
*****
名前:天地 翔太
年齢:21
レベル:54
腕力:32958(+16422)(+16479)
器用:32966(+16426)(+16483)
頑丈:32754(+16320)(+16377)
俊敏:32054(+15970)(+16027)
魔力:33402(+16646)(+16701)
知力:33744(+16817)(+16872)
運:16184
*****
『11/50』
どうなるか気にはなるが、ひとまず『充電』は完了っと。
弱くはあったけど、久々の100越えモンスターだったから数日ぶりに『充電』出来た。戦った子達の『魔力』を補充をし終えると、煙が膨張を開始した。
「早いな、まだ5分も経ってな……!?」
『ゴゴ!』
煙からは何度か経験のある圧力と悪寒を感じた。これは『ダンジョンボス』級か!?
鏡が割れるような音と共に煙に亀裂が入り、中から巨大な質量の何かが産み落とされる。ソレは湖の中に落ちて行き、姿ははっきりと視えなかったが、明らかにこちらへと敵意を向けて来ていた。
再び『海割り』で引きずり出すかと迷っていると、ソレはゆっくりと湖から顔を出した。
「2匹の蛇……? いや、違う!」
その首の根元は、繋がっていた。
『シャアア!』
『シュラララ!』
2つの頭を持つ蛇が、こちらを睨みながら威嚇をした。
更にこの『ウェンカムイ』に近い感覚、何か隠し持ってるな!?
「『真鑑定』『真理の眼』」
*****
名前:レイクナーガ
レベル:200
腕力:1800
器用:1500
頑丈:1000
俊敏:1850
魔力:9999
知力:3000
運:なし
【
【
【
【
【
【
★【
装備:なし
ドロップ:ランダムボックス、大蛇の蛇酒、管理者の鍵810(3)
魔石:極大
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新しいスキル枠に、カギ持ちだと!?
これは、気を引き締めて戦わないとな……!
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