ガチャ388回目:海のレアⅡ狩り

本日は投稿開始1周年。そして、第二巻の発売日の情報公開記念日です!

詳細は「活動報告/近況ノート」を更新済み!

なので本日も2話投稿します!(2/2)

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『~~♪』

『ギョギョ……!』


 セレンの触手に貫かれた『人面魚人』は、煙となって消えていき、煙はその場に残った。

 ふざけた見た目だし、レベルも35と大したことないモンスターだが、スキルは『怪力』『身体強化Lv1』『槍術Lv2』『水泳Lv1』『水魔法Lv2』とそれなりに豪華なモンスターだ。

 鳴き声が五月蠅い事に耳を塞げば、それなりに美味しい相手といえる。あと、雑魚モンスターで検証したところ、セレン達が倒してもちゃっかり倍化は発生するようだった。

 これならドロップも期待できる。何が2倍になるかなー。


「キモイモンスターだったわね……」

「あれ、夢に出るタイプだよー」

「アイツも相当だが、通常モンスターの人面魚の方がもっとアレだぞ?」

「お兄様、イズミこわーい☆」


 イズミが上目遣いで猫撫で声を出してくる。冗談のつもりだろうが、お前のオーラレベルでそれをやると、耐性のない人間は1発ノックアウトだろうな。


「そんな顔してもダメだぞ。他のモンスターに手を出したら強化体のフラグが消えかねないから、これからそのキモい魚の群れを突破して行くからな」

「ぶー」

『~~♪』

「ああ、セレンもご苦労様。わざわざ連れて来てくれてありがとな」

『~~♪』


 頬擦りして甘えてくるセレンを撫でているとイズミが口を尖らせた。


「むむ。お兄様、あたし達に抱き付かれるよりセレンちゃんに甘えられる方が嬉しそうじゃない?」

「それはそうだけど」


 何を当たり前のことを。


「断言された!?」

「イズミちゃん、関係値的に仕方ないんじゃないのー?」

「そうですわ。わたくし達はまだこれからですわ」

「あー、イズミ。セレンや他のエンキ達に対抗心燃やすのは止めておきなさい。ショウタ君、あたしやマキが抱きついても喜んでくれるけど、エンキ達には敵わないって思うもの」

「そうなんですか!?」

「そうですね。ショウタさんにとって、エンキちゃん達は家族以上の絆で結ばれていますから」

「なんていったって、旦那様が自らの力を分け与えて生まれた子供ですもの。大事にして当たり前ですわ!」

「ほぇー、そうなんだー」

「これもまた愛の形ですわ……!」

「むぅ、子供相手じゃ勝ち目はないか……」


 与えたと言っても『魔力』とスキルくらいだが、まあでも子供か。確かに最初はペット感覚で作ったけど、今では大事な家族であり息子みたいなものだもんな。性別はないと思うけど。

 あとアキ達にあげた子達には、そういった感情は薄いけど、それは単にお世話も愛情も皆に任せてるっていうのも大きいか。

 そうしてそんな話をしていると、目の前の煙は膨張し、中から見たことのあるレアモンスターが現れた。


*****

名前:マーマン

レベル:65

腕力:600

器用:600

頑丈:300

俊敏:750

魔力:300

知力:600

運:なし


ブーストスキル】剛力、怪力

パッシブスキル】槍術Lv1、水泳Lv2

マジックスキル】水流操作Lv1


装備:魚人の槍

ドロップ:ランダムな装備

魔石:大

*****


『UMMM!!』

「うわ、お前が出るのかよ。しかもこのステータスにスキル、もしかしてスタンピードに現れたのと全く同じか?」

「あっちはレア相当で現れた感じだけど、こっちじゃレアⅡなのね。まあ、あたし達は何匹もぶっ飛ばしたけど」

「以前のデートの時にこのモンスターが出たら、いくらか苦戦していたかもしれないですね」

「でも、今の旦那様なら余裕ですわ!」

「スタンピードで散々録画したし、今更こいつの情報は要らないかな?」

『UMMM!!』

『~~♪』


 セレンが『マーマン』の刺突をひらりと躱し、触手で身動きを取れなくする。


「まああっちは地上戦だったから、本来の戦場である水中戦の映像は欲しいかも?」

『~~?』

「ああ、いいよセレン。そのまま締め殺しちゃって」

『~~♪』


『ボキッ!』


 セレンの触手が暴れる『マーマン』の首に纏わりつき、無理やりへし折った。

 うーんグロい。


【レベルアップ】

【レベルが78から79に上昇しました】


「映像は2匹目か3匹目で撮ることにしようか」

「わかりました。あ、では撮影も、ここからはイズミちゃんとイリーナさんにお願いしましょうか」

「そうですわね。わたくし達の代理ですもの。重要な役目ですわよ」

「はーい、頑張りまーす☆」

「精一杯やらせて頂きますわ!」


 そうしてマキとアヤネがカメラを手渡し、操作方法を説明する姿を眺めていると、アキが何か思い出したかのように手招きした。


「どうした?」

「ショウタ君、そういえばこのダンジョンだけど、マップで再調査はした?」


 アキが言っているのは、スキルが『アトラスの縮図』に進化したことで追加された、埋めたマップの隠された情報を再調査する機能の事だ。第一層や第二層は特に、自分の足で調べ尽くしたと思っていたから、余計に調査し直すという発想に至らなかった。


「……あ、そういえばしてないな。完全に忘れてた」

「ショウタ君、やっぱり自分の足で探したい派だから、無意識に避けてたんじゃない?」

「……そうかも」

「で、どうする?」

「そうだな……。山については機能確認のために使っちゃったけど、三層以降はなるべく使わない方針でいきたいかな。でも、第一層と第二層は使っておこう。答え合わせはしたいしな」

「りょうかーい」

「さーて、何が出るかな」


 マップを広げ、機能を使ってみる。第一層は喜ばしい事に真新しい情報は特になかったが、第二層だけは、少しだけ情報が更新された。


「……へぇ。海の中からでも隣のエリアに移動できたのか」

「前回、ショウタ君が探してなかったっけ?」

「うん。でもかるーくしか見てなかったからな。良い感じに深い場所にあるみたいだし、穴も人一人分くらいしか空いてないみたいだ。これは自力で見つけるのは難しいかもしれないな」

「あ、ねえねえ。この穴を使えば北側の安全エリアも、誰にも見つからずに通過できるんじゃない?」

「お、それ良いね」


 この後、南と東でレアを狩る予定ではあるんだけど、開けてない宝箱は俺達が占有している西エリアにあるからな。強化体の為にもう1度レアを湧かせる事を考えれば、西エリアに沸かせた方が都合が良い。けど、南のモンスターが大量にいるエリアを通れば、どのルートでも絶対にモンスターに絡まれるからな。

 だからといって、北側の地上を通って行くのは、皆の水着を見せる羽目になる訳で、それはそれで避けたかった。


「じゃ、その方向で行こうか」

「まったく、うちのダーリンは独占欲が強いわね。そんなに周りの目なんて気にしなくても、あたし達はあなたの物なのよ?」


 アキがにんまりと微笑みながらしな垂れかかって来る。

 そうかもしれないけど、水着はなぁ……。俺に見せる為に肌面積多めのを選んで来てる子が多いし、そうでなくても俺は嫌なんだよな。彼女達は嫉妬を抑えてまで予備人員なんて用意しようとしてくれてるのに、俺はそういうの、全然ダメだよなぁ。

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