ガチャ387回目:水中デート
本日は投稿開始1周年。そして、第二巻の発売日の情報公開記念日です!
詳細は「活動報告/近況ノート」を更新済み!
なので本日も2話投稿します!(1/2)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
昼食を終えた俺は波打ち際に座り込み、特に意味もなくセレンの触手をモミモミしていた。水中戦はセレンの独壇場だし、彼が大暴れしてくれることだろう。
あとはどういう流れでレアを狩り、強化体をどこで湧かせるべきか。マップを見ながら攻略の動線を考えていると、アイラがやってきた。
「ご主人様。メンバー選出が終わりました」
「おー。で、どうなったの?」
「先ほどまでご主人様と修行していた、私を含めた4人……は、お留守番です。それ以外のメンバーで行ってきてください」
「とすると、中衛後衛組と格闘組か。了解した」
「ちなみに選出理由は……。言わなくても分かりますね」
「ああ、まあ。なんとなくは」
俺が手を出してない3人ってことだろうな。
「では、ガッツリとヤって来てください」
「言わなくても分かるって返事しただろ!?」
なんでわざわざ言うかね。まあわざとだろうけど。
「ではショウタさん、行きましょう!」
「にししっ、海中デートの時間よ」
「レッツゴーですわ!」
「ちょ、そんなにくっ付かれたら戦えないじゃん」
左右にアキとマキ、背後からアヤネに抱き付かれる。水着だからいつも以上に柔らかい感触がダイナミックだ。
幸せな感触ではあるが、これじゃ水中で剣が振れない。
「マジックミサイルとか『魔導の御手』があるでしょ。水中でも機能するかの確認よ、確認!」
「まあセレンがいるから問題は起きないだろうけどさ」
『~~♪』
ちらりと後ろを見ると、レンカは準備運動をしていて、イリーナは緊張しているのか深呼吸をしていた。んで、イズミは……。
「お兄様、早く行きましょ☆」
イズミはそう言うと、バブルアーマーを纏い、ひと足先に海へと飛びごんでいった。特に気負ってはいなさそうだな。
「んじゃ、俺たちも行くか」
海の底を歩きつつ、それぞれのペースで魚エリアへと向かう。
バブルアーマーを使っての水中散歩は、昨日の遊びで散々付き合わされたから、彼女達の練度は問題ないことはわかっていた。まあ、遊びと違って今回は本番だから、イリーナだけちょっと緊張しているようだが。
「イリーナ、平気か?」
「あ、申し訳ありませんお兄様。気を使わせてしまいましたか?」
「気にすんなって。初めての環境だし、怖がるのも無理ないさ」
「……お兄様は2度目と聞いています。初めてここに潜った時は、緊張されましたか?」
「あー……」
ちらりと周りを見るとレンカは期待を隠せない様子でワクワクしてるし、イズミも余裕たっぷりと言った様子だ。レンカは好戦的な子だからこの反応も理解できるし、イズミの場合は彼女の性格から考えて、相手が格下だとわかってるから安心してるのかもしれない。
「俺の場合は、レンカみたいにはしゃいでたかもな?」
「そうなんだ? やっぱりお兄さんも戦うの好きだもんね!」
「まあ、好きな方かもな」
「だよねー! お兄さんが強敵相手に戦ってる動画、どれを見ても楽しそうに笑ってるもん!」
「そうだったか?」
強敵との闘いの記録で、自分の顔をまじまじと見る事は滅多にないが、強敵との戦いを思い返せば、確かに喜びの感情が強いかもな。
「うんうん、ショウタ君相手が強いほど燃える性質だよね」
「ショウタさん、『ダンジョンボス』戦の時はいつもすごく良い顔をしていますよ」
「わたくし、そんな旦那様の顔がすっごく好きなのですわ!」
「あたしも!」
「私もです!」
「ああ、ありがとう」
『~~♪』
セレンが気持ちよさそうな声をあげるので見上げてみると、彼は触手を使って水中を楽しそうに泳ぎ回っていた。クラゲって基本的に海に漂ってるイメージだけど、セレンの動きはイカやタコみたいだな。
「ひゅーひゅー☆」
「アツアツだよねー」
「愛ですわね」
「……ねえねえアキさん、ほんとにボク達もそこに混ざって良いの? 仲良しなところに割って入るのは気が引けるんだけどー」
アキは、ちらりと俺とマキへと視線を向ける。
「必要な事だもの。もしもの時に、信頼できる人に任せられないのは不安だからね」
「そっかぁ。お兄さんはー?」
「俺は……まあ、彼女達が俺の為を思って考えてくれたことだし、それが必要な事だと理解もしたし、納得も出来たからな。君達さえ問題なければ俺は受け入れるよ」
カスミ達にも、行為に及ぶ寸前ではあったが、同じようなことを確認した。皆しっかりと覚悟をして来ていたようだったし、俺も彼女達を受け入れた。
「お兄様に気に入ってもらえるかは別として、体裁としてはビジネスパートナー兼愛人ってとこですね☆」
「そうなるのか……? まあでも、カスミが仲間にするくらいだからっていう先入観はあれど、俺個人としてもちゃんとイズミ達の事は気に入っているぞ?」
「ほんとですかー? 嬉しいですね☆」
軽く流されてしまった。
今までまともに恋愛でいう駆け引きなんかの経験がないから、何を言えば良いのかまるで分からんが、今の言葉ではイズミに刺さらなかったらしい。
うーん、難しいな。
『~~♪』
「ああ、任せて良いか」
『~~♪』
セレンはどうやら、近くにモンスターの気配を感じたらしく、一足先に狩りを始めてくれるそうだ。俺も追いたいところだが、彼女達の気持ちを再確認しないとな。
「イズミは俺で良いのか?」
「お兄様以上にいい男はいないわよ」
「そ、そうか?」
そんな事はないと思うんだが……。
「レンカは?」
「ボクは男の人の良さがよくわかんないんだー。でも、お兄さんになら良いかなって思うよ。あと、いつかその強さの秘密を教えて欲しいかなー」
「それを伝えるとしたら、カスミ達もまとめて一緒に伝えるよ」
「うん、楽しみにしてるね!」
「イリーナは?」
「わたくしもレンカと同じですわ。実は男の人が少し苦手だったのですが、レンカと一緒なら頑張れると思いますの」
「あー……。無理なら、辞退しても良いぞ? 無理やり手籠めにしたい訳じゃないしさ」
「いいえ、苦手ではありますが、『ボスモンスター』を討伐したお兄様を見た時、不思議な感覚を覚えましたの」
「それは恋ですわ! わたくしの原点もそれに近いものですわ」
あー、確かアヤネに本気で惚れられた時は、『ジェネラルゴブリン』から庇ったからだったっけ。懐かしいな。
「やはりそうなのでしょうか? であれば、お兄様とお付き合いする事に不安はありませんわ。レンカと一緒に可愛がってください」
「よろしくねお兄さん!」
「ちょっとー。あたしを忘れないでよね!☆」
そう言ってイズミ達も引っ付いてきたため、7人分のバブルアーマーが合体して巨大な塊となった。モテるのは嬉しいが、これじゃあ身動きが取れないな。
そう思ってると、セレンが五月蠅い魚を連れながら戻ってきた。
『~~♪』
『ギョギョギョー!!』
「うわ、なにあれ!?」
「キモーイ!!☆」
「お魚の身体に、おじさんの顔、それに手足がついていますわ……!?」
そういえばレアモンスターである『人面魚人』って、こんなモンスターだったな。カメラで軽く撮影を済ませて、さっさとセレンに倒してもらおうか。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この作品が面白いと感じたら、ブックマークと★★★評価していただけると励みになります!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます