ガチャ386回目:遊びも修行も

 昼食を終え、改めて先ほどの修行で得たアイテムを確認する。なんだかんだで雑魚は何百と倒して、レアもレアⅡも5体ずつ撃破した。なので『甲殻騎士』から『金の宝箱』が5つ出てるんだよな。


「カスミ達が回収してたアイテムはどの巾着袋に?」

「私のところにあります。宝箱ですか?」

「そ。『泡魔法』出るかなって」

「承知しました」


 ゴトゴトとアイラが宝箱を並べていくので、俺も勿体ぶらずに一気に開封して行く。中身は『泡魔法Lv1』7個に、『水魔法Lv1』3個。うん、全部で10個のスキルオーブだ。


「相変わらず、ショウタ君は2個ずつ出すわねー」

「いっぱいですわ!」

「うわ、宝箱からスキルが複数個出るの初めて見たかも」

「お兄様すごーい☆」

「じゃ、カスミ達は全員この『泡魔法』を覚えてくれ。遊びにも使えるし、修行にも多分使えると思うから」


 んで、余った1個はアヤネに使わせる。前回は俺が先に使わせてもらったが、Lv2で使えるようになった魔法は攻撃用の魔法だったからな。アヤネが覚えておいた方がいいだろう。


「では修行ばかりでは疲れますし、遊ぶとしましょうか」

「さんせーい!☆」

「良いんですか!?」

「やったー!」


 どうやら、せっかくの海ということもあって主にカスミ達が遊びたくてウズウズしていたらしい。結局その日は、遊びたい盛りな彼女達に連れ回され、砂浜や海、海中なんかで遊び回るのだった。



◇◇◇◇◇◇◇◇



 そして次の日、今度はカスミ達3人には通常版の『金剛外装』を取得させ、俺の本気の攻撃を受けてもらうことになった。『金剛外装Ⅲ』となると、複数回の無敵と無敵時間が発生するのは良いが、消費魔力が50から200へと跳ね上がってしまうからな。

 それだといくら『魔力回復』のスキルがあってもすぐにガス欠してしまうし、今は連続攻撃よりも1発1発を大事にしていきたい。スキル自体有り余ってるし有効活用しないと。

 『金剛外装Ⅲ』は修行が終わってから改めて渡すこととなった。


「ねえお兄ちゃん。このスキルってもしかして、以前オークションでとんでもない値段がついたって噂になってたやつじゃ……」

「お、そうだな」

「お兄様、上位のスキルを取得してしまうと、下位スキルは上書きされてしまうんですよね? こんなふうに使い捨てにして良いのでしょうか」

「別に良いだろ。金なんかよりお前達の方が大事だし」

「お兄様……」

「兄上の期待、無駄にはしません!」

「お兄ちゃんの気持ちは嬉しいけど……。ちなみにこのスキル、幾らするの?」


 そういや、あれからオークション見に行ってないから知らないな。


「……アイラ、結局幾らになったんだっけ?」

「『黄金蟲』はあの後何度か狩られたみたいですが、出現もそうですがドロップもかなり渋いようですね。チームで取得するのが優先され、現状市場には回っていません」

「そうなのか」

「ですので、あの時から再出品を望む声が多くあり、現在では5億ほどになっています」

「「「!?」」」

「ほーん」

「「「!?」」」


 カスミ達は値段に驚いた後、俺の反応の薄さにもう1度驚いた。


「ちなみに『金剛外装Ⅲ』は?」

「値段がついていませんし、付けようがないかと」

「それもそうか。んじゃ、遠慮なく攻撃して行くから、ちゃんと『金剛外装』を纏って来いよ。もちろん防げるなら防いでくれて構わないが、防ぐたびにどんどんギアを上げて行くからな」

「「「はい!」」」


 そんで昨日よりも長くシザークラブとの鬼ごっこと討伐をしたことにより、レアとレアⅡは8体討伐。宝箱からは『泡魔法Lv1』11個と『水魔法Lv1』5個が出たのだった。ちなみに俺のレベルは昨日と合わせて68から78になった。まあ、塵も積もればってやつだな。

 さすがにこの階層で100を超えるのは無理がありそうだが。


 あとスキルも美味しいが、『激流の三叉槍』が13本もあるんだよな。これの扱いをどうしたものか……。


「カスミ、ハル、ハヅキ。手慰みに使ってみるか?」

「え? この槍を?」

「いくら余ってるといっても、それがし達は槍を習熟しておりません」

「結構上等な武器みたいだから、余計に気が引けますね」

「でも『武技スキル』付きだぞ。前衛なんだし、『武技スキル』は使ってみたいだろ?」

「うっ。それはそうだけど……!」

「技ですか。確かに魅力的ですね……」

「使ったからと言って武器の価値が落ちる訳でも中古品になる訳じゃないんだから、好きなだけ使ってみ?」

「そ、それじゃあ……」


 カスミが手を伸ばしたのを皮切りに、ハルやハヅキだけじゃなく他の修業をしていたレンカ達もやって来て、キャッキャと『武技スキル』を使い始めるのだった。まあたまには息抜きもしないとな。


「ご主人様、そろそろスキルが飽和しそうですので、一旦確認しますか?」

「そうだな。あと、午後からは海のレアⅡと強化体を済ませてくるよ」

「畏まりました。メンバーは選出しておきますね」

「ああ、頼む」


 流石に全員で行くほどでもないしな。

 ちなみにスキルは以下だった。


 『身体強化Lv3』18個。

 『剛力』14個。

 『剛力Ⅲ』15個。

 『怪力』14個。

 『怪力Ⅲ』15個。

 『鉄壁』14個。

 『鉄壁Ⅲ』15個。

 『城壁』14個。

 『城壁Ⅲ』15個。

 『統率』22個。

 『体術Lv2』13個。

 『槍術Lv3』13個。

 『投擲Lv2』13個。


 『泡魔法Lv1』11個。

 『水魔法Lv1』8個。


 うん、倍化が良い感じに作用してるな。今のところスキル以外で倍化したのは『黄金の種』シリーズくらいのもので、この階層ではスキルだけだな。綿毛虫の時は魔石も倍化してたみたいだし、この辺も『運』なのかもしれない。割り振りは……また今度で良いか。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


この作品が面白いと感じたら、ブックマークと★★★評価していただけると励みになります!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る