ガチャ383回目:十人十色
「お兄ちゃんどこー?」
「お兄様ー?」
「……あっ」
カスミ達の声にハッとなり我に返る。どうやら、予定以上に時間が経過してしまっていたらしい。
『ゴゴ』
『ポポ~』
「悪い、任せたっ!」
プランター作りはエンキ達に任せて、駆け足で家の正面にまで戻ると、そこには水着姿の女性陣が待っていた。多種多様、十人十色な色彩と魅惑の暴力に、その場で立ち尽くしてしまう。
あまりに魅力的かつ衝撃的な光景に言葉が出ないでいると、見かねたアキとマキが率先して近付いてきた。
「どーう、ショウタ君。おニューの水着は」
「ショウタさん、似合ってますか?」
「……最高」
「えへへ、やった」
「にししー」
うちの彼女達が可愛すぎる件。
そしていつもなら真っ先に飛びついてくるアヤネを探してみると、イリーナの腕を引っ張っていた。
「こんなに布面積の少ない水着は、初めてで恥ずかしいですわ……」
「イリーナ。そこは恥ずかしくても、旦那様に喜んでもらえる事を喜ぶところですわ!」
「は、はいっ。アヤネ様!」
2人にも水着が似合ってることを伝えると、アヤネはいつも通り引っ付いて来て、イリーナは茹でダコのように真っ赤になって恥じらった。この子も例の候補なんだよな? いつものシスター服でさえ魅力が抑えきれてなかったのに、水着になった事で色々と弾けすぎている。
高レベルのオーラに加えて、こんな爆弾抱えてたら、普通の耐性の無い異性は理性が吹き飛ぶんじゃないか?
「見ましたかハル。アレがピンク色に脳内が侵されているときのご主人様の表情です」
「勉強になります、先輩。でも私には真面目な事を考えてるようにしか見えません」
「ご主人様はフリがお上手ですからね。慣れればわかるようになってきますよ」
くっそ失礼な事を言われてるので、そのまま流れでアイラとハルの水着も凝視する事にする。アイラはいつもより攻めが強く、人目のある場所には連れていけないレベルの代物だった。逆にハルは白のビキニだったが、柔らかそうなお腹は実は腹筋でそれなりに硬い事を知ってるので、なんだか不思議な気分である。
視線の意味に気付いたのか、ハルが少し気恥ずかし気だ。
「お兄様、視線がエッチですね☆」
「お兄さんのすけべー」
「仕方ないだろ、皆魅力的なんだから」
「ふーん、それでー? あたし、覚悟できてるんですけどー? 呼び出しはまだなの?☆」
「あ、ボクはイリーナと一緒がいいな!」
「あー……」
ちらりと周りを見れば、皆意味深な顔をしてる。イリーナは顔は赤いままだが気合を入れるようにムンッとしていた。
「その辺りはスケジュールを整えますので、ご主人様はその通りに。それまでは全員修行です」
「はーい、待ってまーす☆」
「わかった!」
「お待ちしておりますわ!」
最後にカスミとハヅキだが……。うん。
「うちの妹はほんと可愛いな」
「えへへ」
「兄上、それがしは如何でしょう」
「ああ、凛としてキマってて綺麗だぞ」
「そ、そうですか」
嬉しそうにモジモジするハヅキも可愛い。しっかし、カスミの奴、こんな時でも髪飾りは外さないんだな。
「なあカスミ、それはいつも着けてるのか?」
「だって、思い出の品だもん。片時も外したことはなかったよ」
「確か、夏祭りの出店で取った景品でしたか。昔はよく自慢されたものです」
「にしてもだいぶボロくなってきてるな。海だと湿気るし、せっかく似合ってるのに修行で壊れたら大変だ。あとで外しておけよ。それと念の為、補修しても良いか?」
「お兄ちゃんが? うん、お願いね!」
10人とも、誰も彼も魅力的だが、ここにいる全員が俺の彼女と婚約者か。3人ほどまだ未定ではあるが、見た目だけじゃなく内面も最高な子達に出会えるなんて、ほんとラッキーだよな。
『ゴゴー』
「お、終わったか」
『ポポー』
裏から顔を出したエンキ達を順番に撫でまわした。
「そういえばさっき、お兄ちゃん何してたの?」
「ああ、それなんだが……。皆、ちょっと裏に来てくれ」
そうしてプランター作りをしていた事を伝えると、その規模と種の数に、昨日第二層に先行していたメンバーは驚き言葉を失っていた。
「ショウタさん、もしこれが全て実に成長したら……」
「とんでもなく眩しくなりますわ!」
「多分回収しようとしたら、それだけで1時間くらい持って行かれると思うが、今回はエンキ達がいるからな。そこまで時間はかからんだろう」
「何々? ここから何が出てくるの?」
「お兄様、修行に何日かけるかは分かりませんけど、そんな短期間で収穫出来る代物なの?☆」
「まあそれは、育ってからのお楽しみって事で」
「むー、気になるー」
そうして修行の割り振りが決められていく。
と言っても組み合わせは、『初心者ダンジョン』の時とほとんど同じであり、アヤネとイリーナ。マキとイズミ。アキとレンカ。それからアイラには、残りの3人+俺だ。
その中で魔法を使う修行がほとんどだと思うイリーナとイズミに関しては、優先したい事項がある。なので修行前のこの段階で、ちょっとステータスを見させてもらうか。
「イリーナ、イズミ。ステータスを見ても良いか?」
「構いませんわ」
「お兄様なら大歓迎☆」
「んじゃ、『真鑑定』」
*****
名前:イリーナ=アン=ランドルフ
年齢:18
身長:165cm
体重:58kg
スリーサイズ:93/58/88
レベル:214
腕力:646
器用:645
頑丈:431
俊敏:858
魔力:1423
知力:1423
運:8
SP:1008
装備:六角陣の杖
【
*****
……でかい。
そして『SP』の余りっぷりがヤバイのと、『魔力回復』のスキルが無いのが辛いな。聞けば、今までは戦闘中に市販の不味い魔力回復の飲料をチビチビと飲みながら、なんとかやって来たらしい。
そんでイズミは……。
*****
名前:三俣 泉美
年齢:18
身長:157cm
体重:49kg
スリーサイズ:82/55/81
レベル:228
腕力:689
器用:1032
頑丈:687
俊敏:916
魔力:1144
知力:1231
運:39
SP:1584
装備:パワーコンポジットボウ
【
【
【
*****
イズミはさすが受付嬢と言うべきか。マキと同じ『鑑定』と『鑑定妨害』のLv3を持ってるし、弓と魔法の遠距離型か。そして爆上がりのせいか、『SP』がもっとエグイ事になってるな……。てか今更だけど、SPの残量って見れたりしちゃうんだな。この辺は多分『真鑑定』の効果かもしれないけど。
さて、2人には『魔力回復』のスキルを与えておくか。これがないと始まらないからな。
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