レベルガチャ～ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件～【書籍第４巻 発売決定！】

ガチャ378回目：宝箱の開封

「じゃあ宝箱、開けて行こうか。まずは『レアⅡ』のからだな」

　パカリと開けると、１つ目の宝箱には暗闇が続いていて、中から出てきたのは鎖帷子だった。

　そして２つ目の宝箱には、暗闇こそ無かったものの、巨大な布……。いや、マントが入っていた。

　名前：アサシンメイル

　品格：≪遺産≫レガシー

　種別：防具

　防具レベル：４０

　説明：暗殺者用に作られた漆黒の鎧。影の無い場所でも相手の視界から隠れる効果を持つ。装備者の『腕力』『頑丈』『俊敏』『知力』に大幅ボーナス。

　名前：ミラージュマント

　品格：≪固有≫ユニーク

　種別：防具

　防具レベル：３８

　説明：装着者の姿を惑わす力が備わったマント。魔力を込めると他者から認識されにくくなる。装備者の『腕力』『頑丈』『知力』に大幅ボーナス。

「あー……。高性能だし、今までの防具とは被ってない部位の装備ということもあって評価は出来るが……。どうにも俺の戦闘スタイルとは真逆の物が出たな」

「真っ黒で格好良いですわ！」

「蛮族だったりキザったらしい兜だったり、果てには暗殺者か。ちぐはぐね」

「見た目も良いですし、高性能なのは間違いないですね」

「私が思うに、ご主人様の戦闘スタイルとは、そこまでかけ離れていないと思います」

「そう？」

「はい。１対１ならともかくとして、集団戦では盾役をエンキに任せてご主人様は遊撃やトドメ役に回ることもございますから、暗殺者風でも問題は無いかと」

「言われてみれば……」

　そうかもしれない。

　知覚されてない状態からの『雷鳴の矢』や、高速で飛来するマジックミサイルは、脅威だもんな。相手の意表を突けるし、その分命中率も高くなるだろうし。

「んじゃ、次は強化体が出した『エメラルドの宝箱』だな」

　全員でサングラスを装着して、開封する。

　案の定、中は暗闇となっていて中に手を突っ込み引き上げると、夜を切り取ったような漆黒の槍が出てきた。

　名称：夜の魔槍

　品格：≪遺産≫レガシー

　種別：武器

　武器レベル：４５

　説明：着用者の身体機能と槍術に関する技能を向上させ、武術の素人でも歴戦の戦士となれる魔槍。ただし、着用者のステータスが基準値を満たしていない場合、精神が苛まれる。使用者の魔力を２００消費して武技スキル『黒閃槍』が使用可能。

「有用そうだけど、それに比例して滅茶苦茶危険な事が書いてるな」

「基準値ですか……。ご主人様が持っていても問題ないようですが、ご主人様のステータスは参考になりませんからね」

「そうだなぁ……。よし、『真理の眼』」

　名称：夜の魔槍

　品格：≪遺産≫レガシー

　種別：武器

　武器レベル：４５

　説明：着用者の身体機能と槍術に関する技能を向上させ、武術の素人でも歴戦の戦士となれる魔槍。ただし、着用者のステータスが基準値を満たしていない場合、精神が苛まれる。使用者の魔力を２００消費して武技スキル『黒閃槍』が使用可能。

　★条件：全ステータスの合計値が２０００未満の場合、『恐慌の呪い』を受ける。

　見えた。

　やっぱり『真理の眼』は、『真鑑定』で見ることの出来ない隠された秘密を解き明かすのに必要なスキルなのかもしれないな。他に、不自然に見えてないスキルやアイテムは何かあったっけ？

　おっとそうだ、皆に内容を伝えないと。

「お、たったの２０００？　案外緩いわね」

「一般的な冒険者であれば、Ｌｖ８０程度あれば到達出来そうな数値ですね」

「わたくし達なら何の問題もありませんわ！」

「というわけでマキ、メイン武器交換だな」

「はいっ、ありがとうございますっ！」

「マキ様は『激流槍』のスキルを自前で撃てるようになっていますからね。良いタイミングだったのではないかと」

　んじゃ、最後に『アメジストの宝箱』か。『モーセの杖』なんかが出た『ダンジョンボス』の宝箱だし、期待が高まるが……。

　ぱかりと蓋を開け、紫の光の奥へと腕を突っ込もうとして、すぐに金属にぶつかった。どうやら、今回は暗闇ではないらしい。

「これは……」

　手に触れた物をよく見れば、銀に輝く腕輪だった。

　それをひょいと拾い上げ、『真鑑定』と同時に『真理の眼』を使用する。

　名前：倍化の腕輪

　品格：≪伝説≫レジェンダリー

　種別：アクセサリー

　説明：装備者がモンスターを討伐時、ドロップするアイテムのうち、どれかが２倍になる。

「ほぁ！？」

　な……んだこの、壊れ性能のアイテムは。

　どれか、というのは気になるが、本来１つしか手に入らないアイテムが２つになるというのは非常に大きい。特にレベルの高い『レアⅡ』や強化体。『ダンジョンボス』から得られるスキルや宝箱は希少性が高い。それが２つになるというのは得難い効果だろう。

「これ、凄いけど、あたし達が倒しても２倍になるのかな」

「可能性は高いですね。私達やエンキが倒しても、今のところご主人様が倒した判定になりますから」

「ドロップアイテムが少なくてスキルオーブを落とすモンスターは狙い目ですわね！」

「何が２倍になるのかもショウタさんの『運』に左右されるとしたら、スキルオーブばかりが２倍になるかもしれないですね」

「それ、ヤバイわね」

「ヤバイですわ！」

「ご主人様の『スキル圧縮』が進化したおかげでスキルが沢山出ることによる弊害はあってないようなものですからね」

「だな。とにかく、『ハートダンジョン』で『金剛外装』がドロップ２倍で出ることを期待しようか」

　いや待てよ。ドロップが２倍というのは、１回で複数個ドロップする『黄金の種』も対象になるんだろうか？

　そうしたら、出てくる種もえらいことになるんじゃ……。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

この作品が面白いと感じたら、ブックマークと★★★評価していただけると励みになります！