ガチャ373回目:スキル分配

 んじゃ、確認も終わったしスキルを振り分けるか。


「あ、そういやカスミ。まだ『統率Ⅲ』は彼女達に渡してないのか?」

「うん。アイラ義姉さん達がやめておいた方が良いって言うから、私もまだ取得してないよ」

「はい。あれは全員が取得するとステータスは2.5倍になりますし、ただでさえ倍以上にレベルアップを経験した直後ですから。まずは今の自分達に慣れさせてから、徐々に他のスキルも渡していくつもりです」

「なるほど、了解した。俺だと一気にあげちゃいそうだし、その辺の匙加減は皆に任せるよ」

「はい。任されました」


 レベルアップは俺の仕事で、そこから先の調整は彼女達の仕事だな。まあ、俺もやれる事はやるが。


「えと、義姉さん。よろしくお願いします」

「修行はモンスター相手も悪くありませんが、可能なら人がいない広い場所の方が好ましいんですよね」

「そうですね。外であれば先日ご主人様が走り込みをしたプライベートビーチが候補に上がりますが……」

「ダンジョン内だと、『ハートダンジョン』の第二層とかかしら? 東か西の海岸、どっちか片方貸し切っちゃえば、似たような事はできそう。あそこなら、多少破壊してもダンジョンの力で元通りになるしね」

「旦那様は『金剛外装』を配って安心したいようですし次の攻略先は『ハートダンジョン』の方が良さそうですわね」

「おー。良いねー」


 修行しているうちに俺は『金剛外装』を集めるなり、第二層の魚の強化体を狙うこともできるって訳だ。


「カスミちゃん、水着は持ってきてないよね?」

「え、水着ですか?? 誰も持ってきてないと思いますけど……」

「では今度皆で買いに行きましょう!」

「そうね。その方がショウタ君も喜ぶと思うし」

「……」


 ちらりとカスミが俺に目線を送ってくる。


「お兄ちゃんも、わた……私達の水着、みたい?」

「まあ、見たいか見たくないかで言えば見てみたいけど」

「そっか……。わかった、楽しみにしててね!」

「おー……」


 なんかこの会話、気恥ずかしいな。

 とにかく、今はスキルの振り分けを考えるか。


 俺は『鑑定偽装Lv2』で『鑑定偽装Lv6』から『鑑定偽装LvMAX』に。『気配偽装Lv2』、『瞬迅Ⅳ』、『難攻不落Ⅱ』、『風耐性Lv5』、『闇耐性Lv2』2個、『魔法耐性Ⅲ』、『姿勢制御Lv2』3個、『重力抵抗Lv2』2個、『性豪Lv1』、『隠形Ⅲ』、『気配断絶Ⅲ』、『認識阻害』、『鎧通しⅢ』、『ウェポンブレイクⅡ』、『アーマーブレイクⅡ』、『神通力Ⅱ』を取得。『忍び足』1個で『忍び足Ⅱ』に。『壁走りLv4』2個で『壁走りLv9』に。

 アヤネは『身体強化Lv3』2個で『身体超強化Lv1』に。『隠形Ⅲ』を取得。

 アイラは『身体強化Lv5』2個と『身体超強化Lv1』2個で『身体超強化Lv6』に。『隠形』3個と『隠形Ⅱ』3個で『隠形Ⅲ』。『気配断絶Ⅲ』、『認識阻害』を取得。

 アキは『隠形Ⅲ』、『気配断絶Ⅲ』を取得。

 マキは『槍術Lv5』2個で『神槍術Lv2』に。『隠形Ⅲ』、『気配断絶Ⅲ』を取得。

 エンキは『武闘術Lv1』1個で『武闘術Lv6』に。

 エンリルはなし。

 セレンは『神槍術Lv2』1個で『神槍術LvMAX』に。

 イリスは『狩人の極意Lv2』3個、『暗殺の極意Lv1』、『暗殺の極意Lv2』3個、『隠形Ⅲ』、『気配断絶Ⅲ』、『衝撃Ⅲ』、『鎧通しⅢ』、『巨人の腕』を取得。


 こんなもんかな?

 あ、そうだ。


「そういえば『破壊の叡智』の在庫って、今どうなってたっけ」

「はい。『破魔の叡智』欲しさにご主人様がキープを続けていた結果、無印が10個、Ⅱが2個、Ⅲが6個、Ⅳが2個です」

「あー……。いつまで経っても『魔導の叡智』持ちが出ないし、Ⅲから上げておくか」


 『破壊の叡智』8個、『破壊の叡智Ⅱ』2個、『破壊の叡智Ⅲ』6個、『破壊の叡智Ⅳ』2個を使って俺の『破壊の叡智Ⅲ』を『破壊の叡智Ⅴ』にした。


「じゃ、残りは在庫行きで」

「畏まりました」

「旦那さまっ」


 アヤネが飛びついてくる。


「終わりましたの?」

「ああ、終わったよ」

「宝箱はどうされますの?」

「うーん……それは帰ってからのお楽しみにしようかなって」

「では、今から行ってしまいますのね……?」

「そうだなー。こういうのは早めに済ませておきたいし。終わったらまた数日くらいお休みを入れようか」

「はいですわっ! では数時間分の旦那様パワーをチャージしますわっ」


 アヤネが力強く抱き着いてくると、アキとマキも両隣からくっついてくる。


「ショウタさん、今日も1時間ほどでしょうか?」

「どうかな。例のアレでちょっと時間がかかるかもしれないし、すぐ終わるかもしれないけど。聞きたい事とかは前回と変わらずで良いかな?」

「良いと思うよー。ショウタ君が出発したら、すぐお母さんに連絡入れるね」

「ああ、よろしくな」


 3人が離れたので、次はアイラと軽くハグをして、続いてカスミを手招きして抱き寄せる。


「お、お兄ちゃん?」

「ちょっと行ってくるな」

「あ、さっき言ってた『ダンジョンコア』だよね? わかった、行ってらっしゃい。気を付けてね」


 そうして家を出た俺は人目につかない家の裏手に回り込み、彼女達が見守る中で宣言をした。


「管理者の鍵を使用する」


【所持者の意思を確認】


【管理者キー 起動】


【管理No.525】

【ダンジョンコアへ移動します】


 さーて、『楔システム』の他に、何が出来るようになったかな。

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