ガチャ362回目:特殊ブートキャンプ

「んじゃ改めて『真鑑定』っと」


*****

名前:アサシンカメレオン

レベル:160

腕力:1400

器用:2000

頑丈:1200

俊敏:2000

魔力:1000

知力:2200

運:なし


パッシブスキル】身体強化Lv5、闇耐性Lv2、狩人の極意Lv2、暗殺の極意Lv2、姿勢制御Lv2、重力抵抗Lv2

アーツスキル】隠形Ⅲ、気配断絶Ⅲ、認識阻害、反響定位、暗視Ⅲ、忍び足、壁走りLv4、追跡者Ⅲ


装備:なし

ドロップ:アサシンカメレオンの迷彩皮膜、ランダムボックス

魔石:特大

*****


「おーおー、マジで隠密狩りに特化したスキル構成だな」


 こりゃマジで、実力からして『初心者ダンジョン』の域を完全に超えてるな。

 シュウさんみたいにいくつものチームを集めて強敵と戦うって戦法を取れば、対策することで他の『レアⅡ』は沸かせさえすればなんとかなるし、それを撃破することでレベルも爆上がりするだろう。けど、こいつだけはどうしようもないぞ。どんなに人数を集めようとも、見つからなきゃ意味が無いし、感知出来なきゃ1人1人やられてお終いだ。

 俺でさえ、写真による姿形の特定と『全感知』、更には『運』によって引き上げられた『直感』の恩恵が無かったら見つけられる自信はないくらいだし。


『ゴゴ?』

「おっと、そうだったな。皆、来て良いぞー!」

『プル!』


 イリスが隔壁を解除し、小型化してコロコロと転がってくる。


『プルル?』

「食べちゃダメだぞ。彼女達にも経験値をあげなきゃだからな」

『プル~ン』


 しょんぼりするイリスを撫でてご機嫌を取りつつ、カスミ達に指示を出す。討伐してしまわないように、捕まえた『アサシンカメレオン』の手足に全員で一撃ずつ入れて貰った。


「お兄ちゃん、私も攻撃した方が良い?」

「もうネックレスは無いしな。それに『頑丈』1200の相手だ。どれくらいの硬さか肌で感じておくのは悪くないぞ」

「そうだね、わかった!」


 そうして手足をボロボロにされた2匹の『アサシンカメレオン』をエンキに掲げて貰った。奴らは掴まってからもずっとジタバタともがいているが、エンキの力が強すぎてまるで抜け出せそうになかった。


「そういやカスミ、彼女達には経験値の法則は伝えたか?」

「うん、自分よりレベルの高いモンスターを撃破すると、そのレベル差次第で大幅に経験値が貰えるんだったよね」

「そうそう。あとはそのモンスターの魔石の大きさと、種族、それから同時討伐かどうかでも増減するんだが、そこは置いといて……。ハヅキやハル達は96で、イリーナは88。イズミは30だったっけ」


 全員がこくりと頷いた。そして俺はレベル1である。

 そんな状態でレベル160の『特大魔石』持ちレアモンスターを2体同時に倒せばどうなるか……。


「そっかそっか。んじゃ、特にイズミだが、爆上がりすると思うがよろしくな」

「よ、よろしくって何がですかお兄様」

「覚悟しとけって意味さ。……『雷鳴の矢』『重ね撃ち』!」


 俺は2本の『雷鳴の矢』を放ち、『アサシンカメレオン』を同時に撃ち抜いた。


【レベルアップ】

【レベルが1から234に上昇しました】


 ふむ……。思っていたより上がらなかったな。まあ相手が『特大魔石』じゃこんなもんか。極大なら280くらいは行けそうだったが。そうして煙はすぐに消えて、アイテムがばら撒かれた。

 抽選する様子もなく消えた以上、どうやらこの山に『レアⅢ』はいないらしい。


「なななななにこれー!?」

「わわ、また上がった……」

「え……?」

「!?」

「これが兄上の修行……!?」

「アヤネ様、宜しいのでしょうか。このような……」

「わたくしが許しますわ!」

「はい、アヤネ様!」


 皆驚いてるなー。さて、いくつに上がったんだろ。


「カスミ、レベルは?」

「あ、うん。えっと……172だね」

「まあ今朝の蜂で167まで上がってたから、そこまで伸びなかったな」


 まあこれは仕方ない。低レベルだと爆上がりする分、先に経験すればするほどレベル差が縮まってしまう分旨味が減ってくからな。


「じゃあハヅキ達はいくつだ」

「208です、兄上」

「イリーナは?」

「214ですわ……」

「100レベル台を突破していきなり200。ボクもうわけわかんないよ……」

「レンカ様、気をしっかり持ちましょう。お兄様についていけば道を踏み外すことはありませんわ……!」

「そ、そうだよね! ボク頑張るよ!」


 うん、まあ200もあれば心配はいらないだろ。

 んで、イズミは、と。


「……に、228」


 あまりの衝撃に言葉も無いようだった。彼女達の中で一番低かったからな、レベル。


「あたし、軽い気持ちでついて来ただけのに、まさかこんなことになるなんて……」

「これから大変だぞー。特に力の加減とかが特に」

「お兄様の馬鹿ー! 他人事みたいに言って!!」

「おー、怒るな怒るな。よーしよし」


 まさか怒られるとは思ってなかったので、撫でて慰める事にした。

 まあ彼女は本職の冒険者じゃなくて、受付嬢だもんな。普通はこんなにレベル要らないだろうし、馬鹿みたいにステータスがあっても持て余すだけか。ちょっと反省。

 でもカスミのチームは前衛寄りだからな。イズミみたいな後衛がいた方が安全度は跳ね上がるはずだ。


 さて、イズミ達の成長値は聞いてないけど、1~5の中で平均の3だったとしても、200もあがれば600上昇する事になるし、4なら800、5なら1000も伸びる事になる。それだけ上がればちょっと力加減を間違えるだけで普通の鉄くらいバッキバキにへし折ってしまう。

 今まで持てていた丈夫なボールペンとかも油断するとすぐにバキッとへし折っちゃうから、アキやマキみたいに特注の物を用意する必要がありそうだ。なんなら、俺が魔鉄製の物を作ってあげるか。


「今日帰ったら、戦闘組はアイラとアキ。後衛職はマキとアヤネにコツを聞いておくようにな」

「お兄ちゃんには聞いちゃダメなの?」

「俺はまだ人に教えられるほど調整が上手くいってない」


 なんなら獲得してるステータスの最大値どころか、半分すら満足に扱えてないからな。

 さて、『レアⅡ』も終わった事だし、残るは強化体か。レアはその場に湧いたから、帰り道で湧いてくれるかな?

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