ガチャ353回目:マップの新機能確認
アヤネの指し示す先。赤点はゴブリン地帯の1匹を指していたが、アヤネが指を離すと同時に情報が浮かび上がってきた。
*****
名前:スピアゴブリン
レベル:20
腕力:160
器用:240
頑丈:160
俊敏:120
魔力:100
知力:50
運:なし
装備:鉄の槍、鉄の全身鎧
スキル:槍術師の心得Lv1
ドロップ:ランダムな鉄装備
魔石:小
*****
これは、ゴブリン地帯に現れるスピアゴブリンの情報で間違いなかった。更には……。
「これは、映像か?」
「ゴブリンが動いていますの!」
「まさかリアルタイム映像ですか?」
「じゃあ……。わ、ショウタ君! これ、他の冒険者も出てくるよ!」
「これは、シュウさんか。でもステータスは全部『???』だな」
「私や姉さんは、押したら映像だけでなくステータスも出てきますね。という事は、ショウタさんが今まで直接『鑑定』してきた人物やモンスターしか見れないのではないでしょうか」
「……ふむ。その仮説を裏付けるように、現在第五層にいる内、いくつかの白点は押しても反応しません。これは、ご主人様が一度も目視したことがない人物なのやもしれません」
「俺が一度でも見た事のある相手はリアルタイム映像が見れて、ステータスを覗いた相手なら現在のステータスもオマケでみれると。そういう事だな」
リアルタイム映像取得と、ステータス表示、更には他の人間にも触れる機能など。恐らくこれらはβやγなどのスキルで付加された機能だろうな。そして彼女達があちこち赤点や白点をタップするうちに判明した事だが、情報は同時に5つまでしか有効にならないらしい。誰かが6つ目の情報をタップした瞬間、古い情報から非表示になっていく仕組みらしい。
ただ、これらの機能は言うなれば『自動マッピング』でも使えていそうなアタッチメント機能だ。わざわざスキルの名前が変わった以上、明確に違いあっても良さそうだが……。
「あっ」
「ん?」
考え事をしていると、アキが何かを見つけたように声を上げた。彼女の指は、第五層の空白地帯。まだ探索のできていない山と呼ばれる場所に触れていた。
彼女が指をそっとマップから離すと、メッセージが浮かび上がってくる。
【未確定地域の情報を探査しますか?】
【YES/NO】
これはつまり、『視覚共有』したエンリルを飛ばさずに、マップ情報が確保出来るという事か……!?
デメリットとしては、直接視れないために情報の質が落ちるという点だな。モンスターも、赤点で表示はされても姿を見ていないと他の冒険者同様リアルタイム映像も機能しないだろうし。
それでも新しい機能だ。まずは使って試してみなきゃな!
「YESだ!」
【探査対象の空間情報を計算中】
【探査対象に地下空間の有無を確認中】
【探査対象に生息するモンスターを観測】
【探査対象の知覚妨害機能を検査中】
【探査対象エリアの魔力の流れを観測】
なんだか色々と気になるメッセージが出てくるが、最終的に第五層の全貌が明らかになった。
マップで見る限り、山は絵に描いたような鋭い形状をしていて、第三層のように頂上は平らになどにはなっていないようだった。そして中腹には洞窟が広がっていて、タップすると【幻影壁有】というメッセージも表示された。
どういうものかは直接見ないと判断出来ないが、第三層の洞窟と同類の物だろう。そして山にある赤点をタップしても当然何の情報も出てこないが、代わりに山に生息する全ての赤点が赤い膜のようなものに包まれ、そこから矢印が伸びて山の中腹へと向かっていた。
「……これは何を表しているんだ?」
「今までのマップには、こんな機能は無かったんですよね?」
「ああ」
「となると、これも追加された機能になる訳ですか」
「でもこれ、山だけで森や平原では出なかったわよね」
「このスキルになって、改めて探査する必要があるのではありませんの?」
そういってアヤネは、ゴブリンとゴブリンの隙間を縫うようにして平原をタップした。
【探査済みのエリアです】
【再探査しますか?】
「YESだ」
そうして森も再び探査して改めて確認すれば、このラインが何を表しているのか自ずと理解できた。
「これはモンスター討伐時に、レアモンスターがどこに湧くかを表示するものだったか」
ゴブリンエリアは奥の集落から横に三分割されたラインが入り口近くまでまっすぐに伸びていた。真ん中のラインで100体討伐すれば中央の集落にレアが湧くし、一歩でも上の境界にずれた場所で100体目を討伐すれば上側の集落で湧くんだろう。
逆に森に関しては、探査を終えても一見変化がないように見えたが、よくよく見れば団体の中央に動かない赤点があり、タップすれば巣の情報が見れるようになっていた。
「なるほどね。マップ機能が進化した事で出来ることは格段に増えたけど、現状調べられるのはこのくらいかな」
「レアモンスターの出現地点が1箇所しかないというのは、とってもありがたい情報でしたね」
「そうね。他の層も『再探査』する事はできるみたいだけど……。あ、一昨日のゴーレムのところはどうなってる?」
「ああ、そういえば」
マップを第二層に切り替え、全体を『再探査』してみると、情報が刷新された。そして例のゴーレム地帯は海水が消え去り、全域が泥にまで巻き戻っているようだった。
探査が終わったゴーレムエリアを再度タップしてみる。
【環境モンスター:ゴーレム】
【現在環境:砂→泥】
【環境修復時間:36時間21分40秒】
「どうやら明後日の昼には元通りになるみたいだな」
「これはこれですごい情報ね」
「ご主人様。今日はお疲れですが、後日時間のある時に各階層のマップを写し書きさせてもらえますでしょうか。この情報があれば、今まで協会が冒険者に配布していたのとは段違いに精度の高い地図が仕上がると思います」
「おお、良いね。それを皆に配ってくれるんでしょ?」
「本来であれば秘匿するべきところですが、ご主人様はそういう展望をお望みのようですし」
「さすがアイラ、分かってるね」
「当然です」
さて、マップの確認はこんなところだろうか。
あとはレベルアップした『真鑑定』の詳細も確認したいところだけど、今日は疲れたし明日に回そう。
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