ガチャ352回目:8回目の更新
スキルの確認をしていると、いつの間にか筐体は輝き始めていた。しかし、しばらく経つと輝きは徐々にしぼんで行き、みるみるとその輝きを失っていく。鮮やかな赤色だった筐体は、またしても脱色するかのように薄れていき、最初の白色へと戻ってしまった。
この現象は、やはり『充電』が必要のようだな。けど、完全な白ではなく、縦の黒ラインは残ったままのようだ。
そして表面の紙には、以下の内容が記載されていた。
『長らくのご愛顧、大変ありがとうございました』
『当レベルガチャは、内包していたレベルエネルギーを全て消費しました』
『再度ご利用される場合は、エネルギーの充電にご協力下さい』
『エネルギーチャージには、正面のボタンをご利用下さい』
『100レベルを1エネルギーとし、50エネルギーのチャージをお待ちしております』
『エネルギー残高 0/50』
「この前15だったのに、要求量爆上がりしたな」
「でも100レベルが1ってところは変わらないのは良い事じゃない? 今までの調子で160が1とかされたら、すごく面倒だったと思うし」
「確かにな」
「では、しばらく旦那様のステータスは成長しないのですわね」
「その間に、『統率』がない状態でどれだけ調整が出来るようになるか。気合の見せ所ですね」
「私達も、全力でサポートしますねっ」
「ああ、頼りにしてるよ」
さて、それはそれとして、まずは『圧縮Ⅲ』で出来るようになったことから試すか。
【スキル圧縮を使用しますか?】
「使用する」
【該当のスキルを確認中……】
【該当のスキルを確認】
【該当のスキルを圧縮中……】
【該当のスキルを圧縮成功】
【SSRスキル『自動マッピングⅤ』、BRスキル『自動マッピングβ』『自動マッピングγ』『自動マッピングΘ』『自動マッピングΛ』『自動マッピングΣ』『自動マッピングΩ』を圧縮。LRスキル『アトラスの縮図』に圧縮成功しました】
「おお!」
今まで散々お世話になってきた『自動マッピング』が進化した!
正直今の機能だけでも十分に助かっていたんだが、何が出来るようになったんだ? 『BR』の更なる上位のランクも垣間見えたし、まだまだガチャは深みがありそうだ。
「それじゃマップを……ん?」
いつものようにマップを呼び出そうとすると、メッセージが表示された。
【使用者のダンジョン攻略情報を検知します】
【アイテムとの連動履歴を確認しました】
【機能を結合しますか?】
メッセージの下には『YES/NO』の選択肢。これは宝玉の事を言ってるのか?
機能の結合……。わざわざ表示してくるって事は重要な意味があるのかもしれないな。俺はYESを押した。
『ブブー』
【対象のアイテムが存在しません】
何処からともなくエラー音が聞こえてきた気がする。
「おっと。アイラ、『転移の宝玉』出して」
「承知しました」
いつもならアイラは空気を読んで用意してくれてるところだが、これらのメッセージは俺にしか見えない俺のスキルの情報だ。だから流石のアイラでも、先回りは出来なかったらしい。
「ありがと」
「はい」
早速『転移の宝玉』を受け取り、空いた手でもう一度YESを押す。
【対象のアイテムを検知しました】
【結合を開始します】
「おおっ!?」
『転移の宝玉』がいくつもの光の粒子となって、俺の中へと吸い込まれて行った。
【結合完了しました】
【マップ機能に座標転移機能、可視化機能が追加されました】
つまり、『転移の宝玉』は俺のスキルと同化したため、俺のスキルからいつでも起動する事が出来るようになったということか。希少価値の高いアイテムだし、手元からなくなるだけでも割とメリットはあるよな。壊れる心配もなくなった訳だし。
そしてしばらく待てども、新しいメッセージは表示されなかった。という事は、結合はこれで終わりか。そんじゃ、改めて……。
「マップ」
スキル名が変わっても起動条件が変わってないのも点数が高いよな。そうして俺の目の前にマップが表示された。
しかし、それは今までの慣れ親しんだマップとはまるで別ものだった。『転移の宝玉』を使用した時のように平面ではなく立体で表示されていて、何よりこのマップには
ということはつまり……?
「……これ、皆にも見えてる?」
全員がこくりと頷いた。
どうやら、メッセージの通り『転移の宝玉』を取り込んだことで可視化されたらしい。これは情報伝達の正確性が爆増したと言っても良いが、デメリットとしては……。
そう考えていると、マップの端に見慣れないメニューのようなボタンがあった。『転移の宝玉』を使用した時にもあった階層の切り替えも出来るようだが、今はそれより新しく追加された物を見て行こう。
*****
階層選択
1F
2F
3F
4F
☆5F
拡張機能
転移(再使用可能/リキャスト0:00:00)
可視化(許可制/☆無制限)
*****
……なるほど?
試しに『転移』を押してみると、転移場所を指定するようにメッセージが出た。もう1度同じボタンを押すとメッセージは消え、リキャストも変化はなかった。
次に『可視化』ボタンを押すと、『☆許可制』となり、皆の視点には映らなくなってしまった。どうにか彼女達にも見えるように出来ないかと試行錯誤を繰り返したところ、どうやらマップを出しつつ、対象の人物に触れながら『許可する』と言う事で『可視化』の対象に出来るようだった。
更には、マップ表示の色も人間は白点だが、『可視化』を許可した対象は俺を含め、青の点で表示されるようだった。
「これでよしと。んじゃ次は、『自動マッピングβ』や『自動マッピングγ』などのスキルが進化に必要であった以上、他にも機能がありそうなところだよな」
「見た感じは以前第三層で見た時と変化ないわよね?」
「『転移』は宝玉の機能として、『可視化』もそうなのでしょうか?」
「宝玉は元々全員に見えていた以上、『転移』とセットで付属された可能性がありますね」
皆で話し合っていると、ウズウズとしていたアヤネが手を挙げた。
「旦那様、旦那様!」
「んー?」
「このマップ、わたくし達も触れるみたいですわ!」
アヤネの小さな指がマップ上の赤点を指し、それに対してマップ上に、今まででは考えられない機能が働くのだった。
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アンケートの結果が出ました。割と面白い結果になりましたね。
1と2が超接戦の結果となり、3と4が一緒なら更に接戦だったかもしれません。
https://twitter.com/hiyuu_niyna/status/1723171165781598352
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