ガチャ348回目:おすそ分け
カスミをテントに帰し、俺は真っ先にガチャを回した。
『ジャララララ!』
結果は前回のも併せて黒1、白2、緑4、紫3だった。
『SSR 頑丈上昇+180、俊敏上昇+180』
『SSR スキル:魔力譲渡Ⅱ』
『SSR スキル:自動マッピングⅣ』
『UR 頑丈上昇+400』
『UR 腕力上昇+280、器用上昇+280』
『UR スキル:スキル圧縮Ⅱ』
『UR スキル:空間魔法Lv1』
『SUR ステータス6種上昇+250』
『SUR スキル:並列処理Ⅱ』
『BR スキル:自動マッピングΩ』
「無料ガチャ」では赤5。
『SR 腕力上昇+100』x2
『SR 器用上昇+100』x2
『SR 俊敏上昇+100』
*****
名前:天地 翔太
年齢:21
レベル:21
腕力:31472(+15712)(+15736)
器用:31480(+15716)(+15740)
頑丈:31788(+15870)(+15894)
俊敏:31288(+15620)(+15644)
魔力:31636(+15796)(+15818)
知力:33178(+16567)(+16589)
運:13638
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武技スキル:無刃剣[双連・無刃剣]、★閃撃[閃撃・剛]、紅蓮剣[飛剣・鳳凰]、紫電の矢[雷鳴の矢]
称号:ゴブリンキラー、神殺し
トロフィー:チャンピオンゴブリン、★キラーハイブのトロフィー
管理者の鍵:525(1)、525(2)、525(3)、525(4)、810(1)、810(2(1/2))、777、1086
『ボックスの残り 10/110』
今度はΩか。直感的にこれが最後な気がするし、丁度良く『自動マッピング』もⅤにランクアップしたが……。うーん、『圧縮』は相変わらず反応がないな。最後だと思ったんだが。
あ、もしかしてこれは、極意シリーズと同様『圧縮』のスキルが強化されないとだめなのかもしれないな。次のガチャで『スキル圧縮』が出て、レベルアップする事を祈っておくか。
『並列処理』もⅢになった事で、安定して『魔導の御手』を操作することができるようになったな。処理速度が上がった感じだろうか。今なら全力で戦いつつ、黒腕2本と魔法の同時運用も可能そうだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇
そうして、黒腕の試運転も兼ねた夜を越えて翌日。
朝食を終えた俺は、少しのんびりとした時間を享受していた。丘の上から一望できる景色を眺めていたら、日ごろの殺伐とした空気を忘れさせてくれる気がした。今日は蜂の再戦のみを予定している為、そこまで急ぐ必要がないことから昼までぼーっと過ごすことにしていた。
「本来の使用目的とは違うはずなんだが……活躍しちゃうなぁ。黒腕」
昨日の午前中、あんな激戦を乗り越え疲労は溜まっていたが、結局ダンジョン中は夜のアレはスキップしない方針で固まった。元はと言えばアイラが始めたものではあるが、レベルが上がり基礎ステータスが爆増したことと、俺の何百とモンスターを倒し続ける行軍について来れる、地力のある婚約者達だ。夜のアレがないと色々と発散できないらしく、昨日のアキのように力を持て余し過ぎて、危ないことをされたら俺のメンタル的によろしくない。
彼女達の実力を思えば、あの程度全然無茶でも何でもないし、危険かどうかは自分で判断もできるのは分かってはいるんだけど、ダンジョン内では俺の見える範囲にいてほしくもある。束縛がきつい気がしないでもないけど、そういうのを未然に防ぐ為にも夜のアレはスキップしない方針にしたのだった。
「やあショウタ君。何か困り事かい」
シュウさんが俺の隣に腰を下ろした。
「俺でよければ悩みに乗るよ」
「悩みって……。そんなふうに見えちゃいました?」
「君がモンスターも狩らずに黄昏てるから気になってね。違ったかい?」
まあ、確かに少し前までの俺なら、何か考える暇があったらモンスターに戦いを挑んでいたかもしれないが……。そう考えると丸くなったか?
いや、彼女達を放っておいて、そんな真似は出来なくなったというのが正しいか。
『ゴ』
「おや、エンキ君もいたのかい?」
『ゴゴー』
俺の股の間からエンキが起き上がり、シュウさんに挨拶をしていた。
「本当に何でもないんですよ。ただ、今日は昼まで自由時間としたら、彼女達が蜂のドロップ素材を使って料理ができないか試行錯誤を始めちゃいましてね。見ているのも何だったので、エンキと2人でぼんやり過ごすことにしたんです」
『ゴ!』
「蜂の素材……。ということは、森の攻略は順調のようだね」
「順調というか、レアモンスターの調査は全部終わってるんですけどね」
「そうなのかい? 流石だ。けどその顔、なにか腑に落ちない点があったんだね」
「わかります?」
「ああ、俺も『嗅覚』を頼りにこの生活を送っているからね。実際の現象と食い違いが起きると、そんな風に納得いかないって顔をするんだ。まあ、アヤカに写真を撮られて見せられるまでは俺も知らなかったんだけど」
2人で笑い合った。
……しかし、顔に出てたか。そりゃシュウさんに心配されるよな。
「実は、ちょっと蜂連中は、弱体化前のゴブリンと比べても難易度が高すぎるんですよ。だから、俺の攻略手順が、何らかの罠を踏み抜いたとしか思えなくて。なので、森のレアモンスターはもう全部倒したと思いますけど、その状態で他の冒険者に公開しても誰も挑戦できないと思いましてね。なので再調査するんです」
「なるほど。……君は俺と同じ種類の人間だからわかるんだが、この調査は、君の自己満足の為なんだろう。けど、それでも言わせてくれ。何度も危険な調査をしてくれて、その上その情報を無償で公開してくれて、本当に助かっている。俺達は皆、君には返しきれないほどの恩がある。何か困ったことがあったらいつでも頼ってくれ。力になるよ」
俺達はどちらからともなく手を伸ばし、握手を交わす。
俺は本当に、良い友人とも出会えたんだな。
「ああ、そういえばお土産といってはなんですけど」
懐の腰巾着からいくつかの『丸蜂の蜜』と『キラーハイブの特濃蜜』を取り出しシュウさんに渡した。
「これは……?」
「蜂連中から取れるハチミツです。彼女達が料理に使えないか四苦八苦してるんですけど、とりあえずオーク肉のステーキに使うと滅茶苦茶美味しくなったのでオススメです」
現在俺達の拠点では、イリスが審査員となって、ハチミツを使った彼女達の料理を採点していた。イリスの味覚は俺と同じみたいだから、俺に喜んでもらうために頑張ってくれているらしい。最初は俺が採点するべきかと悩んだんだが、彼女達の作る料理の数が俺の胃袋を容易く超越する量になることを察したので、イリスに丸投げしたのだった。
ちなみにエンキは物を食べられないので俺についてきたが、エンリルとセレンはイリスの付き添いで残っていた。たぶんつまみ食いしてるんだろう。
「おお、わざわざありがとう。仲間と大事に食べるよ」
「まあ細々と使わなくても、数日以内にはなんとかなると思いますので、豪快に使ってしまっていいと思いますよ」
「はは! アヤカにもそう伝えておこう」
そうして昼食の時間になるまで、俺とシュウさんは談笑を続けるのだった。
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Twitter(X)にて初心者ダンジョン攻略後に行くダンジョンの予定地アンケートしてました。
https://twitter.com/hiyuu_niyna/status/1723171165781598352
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