ガチャ279回目:武技スキル

 エンキ達の健闘を皆で称え、改めて第三層で得た全てのスキルと、皆のスキル状況を顧みてスキルの割り振りを考える事にした。特にイリスには制限はないものの、エンキとエンリルは8個までだからな。

 まず『身体強化Lv5』2つを連続で『圧縮』し、『身体超強化Lv1』にした上で『真鑑定』で覗いてみる。


 名前:身体超強化

 品格:≪最高≫エピック

 種別:パッシブスキル

 説明:身体能力を超大幅に上昇させる。Lvに応じて効果量アップ。


 うーん、具体的な事が何も書いてないな。これは誰に覚えさせようか……。

 アヤネは『身体強化Lv4』だし、アイラは『身体超強化Lv1』。アキとマキは未所持だが……。


「あ、イリスはこれ覚えたら強くなれそうか?」

『プル? プルプル』

『ポポ、ポポポ』


 やってみないとわからない、と。

 まあイリスはエンキ達と違ってしっかりステータスが見えるからなぁ。効果があることに期待しよう。


「とりあえず覚えてみてくれ。効果が無かったら教えてくれな」

『プルルル!』


 さて次は、『格闘術Lv5』2つだな。今回は強化体の為に一旦エンキに覚えさせたが……。現状、俺は『格闘術Lv6』だけど今のところ使う予定皆無だし、アキは『格闘術Lv4』だけど優先順位は低くて良いという。なら、今回大活躍したエンキにまとめて覚えさせるべきだろう。

 俺はもう1度連続『圧縮』を試みてみた。


【該当のスキルを確認】

【該当のスキルを圧縮中……】

【該当のスキルを圧縮成功】


【SRスキル『格闘術LvMAX』を圧縮。URスキル『武闘術Lv1』に圧縮成功しました】


「おおー」


 カッコよくなったな!


「ほう、『武闘術』ですか」

「アイラはやっぱ知ってるんだ?」

「はい。『上級ダンジョン』で所持しているレアモンスターを見た事がございます」

「つまり、ドロップはしなかったのか」

「はい。モンスター専用スキルなのかとも思っていましたが、どうやら違うようですね」

「なるほどね。よし、じゃあエンキ、覚えてくれ」

『ゴゴ!』


 改めてエンキの状態を見るか。


 名前:エンキ

 品格:『固有ユニーク

 コア:ゴーレムコアⅣ

 材質:鉄鋼

 魔力:1600

 スキル(8/8):物理耐性Ⅴ、怪力乱神、城壁Ⅳ、武闘術Lv1、自動回復Ⅳ、砂鉄操作Lv1、ウォークライⅡ、震天動地Ⅲ

 武技スキル:覇王爪


 ……んんっ!?


「てかエンキ、いつの間に『武技スキル』を覚えたんだ!?」

『ゴ? ゴー……?』


 知らないらしい。

 というか、エンキ達は自分のステータスが見れないのか。今知った。


「え、うそ。凄いじゃない!」

「エンキ、おめでとう!」

「おめでとうですわー!」

『ポポ!』

『プルル!』

「ふむ……。目出度いですが、なんというスキルを得られたのですか?」

「『覇王爪』だな」

「なるほど。恐らくですが『カムイ』を討伐したことで、相手の『武技スキル』を獲得したのでしょう。本来『武技スキル』とは、そういうルートで入手するのが一般的ですから」

「そうなの? 宝箱からも出るんじゃなかったっけ」

「そちらは稀ですね。討伐の難易度はさておき、入手の確実性としてなら、レアモンスターが持つ『武技スキル』と自身の才覚が一致さえしていれば、討伐時に高い確率で覚えられると言われています」

「そうなのか……。アイラの『武技スキル』も?」

「はい」


 ということは『ガチャ』で得た3つの『武技スキル』も、宝箱から出てくる可能性もあれば、使ってくるレアモンスターがいるかもしれないということだよな。

 『紅蓮剣』はさておき、『紫電の矢』や『無刃剣』を使ってくる相手なんかとは戦いたくないぞ……。絶対強いじゃんそんなん。


「てか、聞いて来るって事はアイラでもエンキの『武技スキル』は見れないの?」

「はい。見えませんね」

「じゃあ、『カムイ』の『武技スキル』も見えてなかったの?」

「いえ、そちらは見えておりましたよ」

「ええ? でも俺、エンキも『カムイ』も見えるぞ。相変わらずアイラの『武技スキル』は見えないけど」

「人間とモンスター、それからエンキ達人造生命体で、それぞれ見破る為の難易度が異なるのかと」

「なるほど……」


 『鑑定』はLv2で相手のスキルが見えるようになっていたんだよな。そしてアキとアイラが『鑑定Lv4』。マキとアヤネが『鑑定Lv3』。全員『カムイ』の『武技スキル』が見えていたのなら、こっちの条件は相当緩そうだな。

 で、他人の『武技スキル』を覗くには『真鑑定Lv5』以上が必要……と。こっちは先が長そうだ。


「ご主人様。『カムイ』はもう1つ『武技スキル』を持っていましたよね。確か『真空斬り』だったかと。相性としてはエンリルがバッチリですが、彼は覚えていたりしませんか?」

「え、ちょっとまって。今見る」


 名前:エンリル

 品格:『固有ユニーク

 コア:ゴーレムコアⅣ

 材質:風雷魔装体

 魔力:1600

 スキル(8/8):物理耐性Ⅴ、自動回復Ⅳ、俊足Ⅲ、迅速Ⅲ、ウォークライⅡ、追跡者Ⅳ、風雷操作Lv1、風魔法LvMAX

 武技スキル:真空斬り


 皆の期待の視線が注がれる中、確かにエンリルにも『武技スキル』の項目が追加されていた。


「……覚えてるみたい」

『ポポ? ポポポ?』


 不思議そうな顔をするエンリルを皆で祝福するのだった。

 しかし、ただでさえ強いエンキとエンリルが『武技スキル』持ちになるとは。……俺も負けてられないな。

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