ガチャ271回目:箱の中身は

 俺は1つ目の『金の宝箱』を開けた。

 そこに入っていたのは……。


「石? ……いや、ネックレスか」


 広げてみれば、お土産屋さんにでも売ってそうな、綺麗な小石や獣の牙で構成された、ネックレスだった。


 名前:牙王のネックレス

 品格:≪最高≫エピック

 種別:アクセサリー

 説明:装備者に獣王の『勇猛』と『怪力』、『王の威圧』の力を与えるネックレス。


「……防具じゃないけど、アクセサリーが出たね」

「ト、トリプルスキルですって!?」

「流石ショウタさんです……」

「はわわ、始めて見ましたわ」

「ご主人様の『運』は、正直壊れてるかもしれませんね」

「……そんなに?」


 いやでも、話に聞いてたスキル付きアクセサリーって、基本は1個だったか。『鑑定妨害』付きだのなんだのと。

 それが1個着けるだけで3つもついて来るのは美味しいよな。持ってるスキルばかりで魅力をまるで感じないけど。


「まあショウタ君にとってはそうでも、一般的な冒険者からしてみれば超有能装備だからね?」

「欲張りセットですわ~」

「以前お伝えしたように『勇猛』のスキルは、世間一般ではデメリットよりもメリットの方が目を惹くスキルですからね」

「なるほどね」


 でも俺としてはハズレだよな。そんな気持ちでもう1つの宝箱を開けると、少し色味の違うアクセサリーが現れた。


 名前:妙技の腕輪

 品格:≪固有≫ユニーク

 種別:アクセサリー

 説明:装備者に『ウェポンブレイク』と『アーマーブレイク』の力を与える腕輪。


 これは俺でも分かる。チート装備だ。


「また値段が付けられない装備品を……」

「むしろ市場に出してはいけない類かもしれませんね」

「悪い人の手に渡ったらダメな腕輪ですわ」

「とりあえず、俺はスキルを覚えるから、ここはアイラかな?」

「……丁重に、お預かりします」

「ああ、役立ててくれ」


 アイラならまず問題は無いだろう。

 もしもこいつに自動調整機能なんかがあればエンキに装備させたんだけどな。どう考えても人間の腕にしか入らないだろ。装着部分だけ細くするわけにもいかないしな。

 そう思ってエンキを探すと、部屋の隅に3人が集まっていた。


『ゴゴ?』

『プルプル』

『ポポ』


 彼らは輪になって小さく話し合っている様子だ。どんな会話をしてるのかはわからないが、微笑ましいので邪魔しないようにしよう。


「んじゃ、最後に強化体の『金の宝箱』だな。防具防具防具防具……」


 祈りながら宝箱を開けると、中は……。


「暗闇だ……!」

「「おお!」」

「「わぁ!」」


 中に手を突っ込んでみれば、何やら硬い物が入っていた。

 俺はそれを掴み、思いっきり引っ張り上げる。


「……蛮族チックな靴だな」


 名前:牙王の脚絆

 品格:≪固有≫ユニーク

 種別:防具

 防具レベル:31

 説明:ドレッドボアの力が込められた脚絆。装備者の『腕力』『頑丈』『敏捷』に大幅ボーナス。


 出てきたのは、厚手の毛皮をぐるりと巻いたかのような脚装備だった。正直、脚だけこんな見た目だとアンバランスではあるが、一般の防具と違ってしっかり能力補正もあるのは魅力的だな。

 今の俺はそれなりに知名度のある『A+』ランクの冒険者だし、装備のファッションセンスが多少独特でも、問題は無いだろう。


「問題あります」

「……ダメ?」

「こんな良い装備、あたしとしては着けて欲しいけど……見た目の統一感の無さがダサすぎて気になるわね」


 アイラがバッグからアーマースタンドを取り出して、俺の鎧一式を着せ、そこから脚の部分を『牙王の脚絆』と入れ替えた。


「うわぁ……」


 これは酷い。

 なんだろう、この……。全身スーツなのに足だけサンダル感。


「へんてこですわ!」

「これではご主人様の残念さが目立つばかりです」


 酷い言われようである。

 俺としても多少変であることは認めるが、装備の有用性を考えれば着けざるを得ないぞ?


「ショウタさん、せっかくですから首元や鎧にフェイクファーでもつけますか? この階層では毛皮の調達は出来ないですけど、市販品でなんとか誤魔化せると思います」

「お、いいじゃない。イノシシ連中、毛皮出さないもんねー」

「蛇皮ではファーを作れませんものね」

「装備的価値はなくても、見た目が誤魔化せるのならアリかもしれません」

「手伝いますわ!」

「あたしも! ショウタ君はそこで待ってて!」

「まあ……好きにしてくれ」


 俺のセンスではこの作業に口出ししたところで、邪魔にしかならない。なのでここは彼女達に丸投げする事にした。一人ぽつんとなった俺は、スキルの整理を始めることにした。

 そして配分としては、こうなった。

 

 俺は『怪力乱神』『ウェポンブレイク』『アーマーブレイク』『チャージアタックⅢ』1個取得。

 アイラは『阿修羅』3個で『阿修羅Ⅱ』に。

 アキは『城壁Ⅱ』1個で『城壁Ⅲ』に。

 マキは『迅速Ⅲ』1個取得。

 エンキは『阿修羅』を『怪力乱神』と入れ替え。

 イリスは『ウェポンブレイク』『アーマーブレイク』『チャージアタックⅡ』1個取得。


 イリスは『巨大化』することで、転がって移動が可能であることが判明したため、『チャージアタック』が有効そうなので覚えさせた。まあ、もし効果が無かったとしても特に痛手じゃないのでよしとしよう。


 そして最後にガチャを回す。2回分の結果が以下だ。


『ジャララララ!』


 結果は白6、緑8、紫6だった。


『SSR 腕力上昇+130、器用上昇+130』

『SSR 魔力上昇+130、知力上昇+130』

『SSR 俊敏上昇+180』

『SSR スキル:弓術Lv1』

『SSR スキル:恐怖耐性Lv1』

『SSR スキル:体術Lv1』

『UR 腕力上昇+350』

『UR 頑丈上昇+350』

『UR 頑丈上昇+230、俊敏上昇+230』

『UR 魔力上昇+230、知力上昇+230』

『UR スキル:元素魔法Lv1』

『UR スキル:魔石操作』

『UR スキル:狩人の極意Lv1』

『UR スキル:暗殺の極意Lv1』

『SUR 腕力上昇+300、器用上昇+300、頑丈上昇+300』

『SUR 俊敏上昇+300、魔力上昇+300、知力上昇+300』

『SUR スキル:視界共有』x2

『SUR スキル:並列処理』x2


 「無料ガチャ」では赤6、青4。


『R 腕力上昇+30』

『R 器用上昇+30』x2

『R 魔力上昇+30』

『SR 腕力上昇+80』

『SR 頑丈上昇+80』

『SR 俊敏上昇+85』

『SR 魔力上昇+80』x2

『SR 知力上昇+85』


*****


名前:天地 翔太

年齢:21

レベル:25

腕力:14730(+7337)(+7365)

器用:14158(+7051)(+7079)

頑丈:15056(+7500)(+7528)

俊敏:14816(+7380)(+7408)

魔力:14514(+7231)(+7257)

知力:14596(+7272)(+7298)

運:9172


ユニークスキル】レベルガチャⅡ、真鑑定Lv4、鑑定偽装Lv4、自動マッピングⅣ、鷹の目Ⅱ、★魔石操作(2/3)、弱体化、スキル圧縮Ⅱ、充電

ブーストスキル】金剛外装Ⅲ、剛力Ⅴ、怪力Ⅳ、阿修羅Ⅱ、★怪力乱神、金剛力Ⅱ、俊足Ⅳ、迅速Ⅳ、瞬迅Ⅲ、鉄壁Ⅴ、城壁Ⅳ、金剛体Ⅱ、金剛壁Ⅱ、力溜めⅡ

パッシブスキル】身体超強化Lv4、物理耐性Ⅴ、知覚強化Ⅱ、思考加速、★並列処理(2/3)、二刀流Ⅲ、★体術Lv1、格闘術Lv6、剣聖Lv3、盾術Lv2、槍術Lv8、★弓術Lv4、★狩人の極意Lv4、★暗殺の極意Lv2、姿勢制御Lv1、空間把握Lv2、精力増強LvMAX、★恐怖耐性Lv1

PBパッシブブーストスキル】統率Ⅲ、破壊の叡智Ⅱ、魔導の叡智、万象の刻印

アーツスキル】予知Ⅱ(1/3)、克己、看破、気配感知、生体感知、魔力感知、危険感知、跳躍Lv4、暗視、衝撃、鎧通し、★ウェポンブレイク、★アーマーブレイク、重ね撃ちLv2、縮地、忍び足、★チャージアタックⅢ、ウォークライⅡ、追跡者Ⅴ、騎乗Ⅱ、反響定位、魔力定位

マジックスキル】★視界共有(2/3)、念動力Lv1、★元素魔法Lv4、外典魔法Lv1、空間魔法Lv2、泡魔法Lv1、水流操作Lv3、砂塵操作Lv5、風塵操作Lv2、回復魔法Lv1、極光魔法Lv4、宵闇魔法Lv2、混沌魔法Lv2、魔力超回復Lv2、魔力譲渡Ⅱ

スペシャルスキル】王の威圧Ⅳ、決闘Ⅲ


武技スキル:無刃剣、紅蓮剣[飛剣・鳳凰]、紫電の矢[雷鳴の矢]


称号:ゴブリンキラー

トロフィー:オロチのトロフィー、ドレッドボアのトロフィー

管理者の鍵:525(1)、525(2)、525(4)、810(1)、810(2(1/2))、777


*****


 『ボックスの残り 70/100』


 『レベルガチャⅡ』になってから、1回のガチャで各ステータスが300~500くらい上がるようになってきたな。『頑丈』『魔力』『知力』の3種は上がった時の恩恵が大きいけど、他の3つは俺の技量依存なところがなあ……。

 贅沢な悩みだ。


 しかし、『恐怖耐性』か……。ガチャから出たって事は『勇猛』とは違って、正常な判断力は失われないのかな?

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