ガチャ270回目:新スキル確認

 第二層に戻ってきた俺達は、コンテナハウスで戦利品の確認をすることにした。


「まずスキルのドロップですが、こちらになります」


 『怪力』3個。

 『怪力Ⅲ』3個。

 『阿修羅』2個。

 『怪力乱神』2個。

 『迅速』3個。

 『迅速Ⅲ』3個。

 『城壁Ⅲ』2個。

 『怒髪天』3個。

 『怒髪天Ⅱ』2個。

 『怒髪天Ⅲ』1個。

 『破壊の叡智』2個。

 『破壊の叡智Ⅱ』1個。

 『チャージアタック』3個。

 『チャージアタックⅡ』2個。

 『チャージアタックⅢ』1個。

 『ウェポンブレイク』2個。

 『アーマーブレイク』2個。

 『王の威圧Ⅱ』2個。


 そして『金の宝箱』が『レアⅡ』から2個と、強化体から1個だ。


「ショウタ君が『視界共有』を覚えてくれたおかげで、イノシシ地帯の探索は1日で済んだのが大きいわね」

「基本エンキの手の中とは言え、やっぱり疲れる?」

「そうでもないわ。それに、基本的に座りっぱなしのおかげでヘビシリーズと『ドレッドボア』の動画編集は終わらせることが出来たわ。あとは『グランドボア』と強化体が残ってるくらいよ」

「おおー」

「それと、ボア系列の出したスキルの詳細も調べ終えています。1つ1つ解説していきますね」

「お願い」


 まずは『怒髪天』。

 これは珍しくも、使用者の見た目に変化を起こすスキルで、モンスターなら頭部、人間なら髪の毛が真っ赤になるスキルだ。もちろん効果はそれだけでなく、『腕力』と『頑丈』に補正が付く反面、目の前の敵以外目に入らなくなるらしい。まさに猪突猛進を体現したようなスキルな訳だ。

 ステータスの上昇量は、複数に効果があるにもかかわらず高い上昇量を持ち、基礎的な『パッシブスキル』と併用すればかなりの効果が見込めるのだろうが……。デメリットが邪魔過ぎる。『克己』がどうにかしてくれないか考えたが、俺の直感がダメだと言ってる気がするし、手を出すのは止めておくことにした。

 自動発動じゃなく手動発動だから、自分の髪が赤くなった姿も見てみたいところではあるが……。戻らなかったら嫌だしな。うん。


 続いて『チャージアタック』。

 これは前方の敵目掛けてダッシュ攻撃を仕掛けることで、全ての近距離攻撃にダメージボーナスが入る効果があるらしい。詳細な倍率は不明らしいが、『真鑑定』で見たところ無印で1.3倍。『Ⅱ』で1.5倍。『Ⅲ』で1.8倍だそうだ。

 基本的にダッシュ攻撃を仕掛ける事自体ほとんどないのだが、マイナス作用がない為『Ⅲ』を1つだけ取得する事にした。


 次に『怪力乱神』。

 これは『剛力』『怪力』『阿修羅』に続く『腕力』系統の四次スキルのようだ。効果としては『阿修羅』が効果時間3分00秒 再使用10分。効果中『腕力』3倍に対し、『腕力』が4倍になるようだ。

 その為、現在俺が覚えている『腕力』系スキルの『剛力Ⅴ』『怪力Ⅳ』『阿修羅Ⅱ』『金剛力Ⅱ』と合わせて使用した場合、俺のスキルは……2倍+2.8倍+3.5倍+2.8倍+4倍で……大体10倍か。『頑丈』系を併用しなければ腕がもげるな。


 最後に『ウェポンブレイク』と『アーマーブレイク』。

 こっちはスキル持ちのレアモンスターの存在こそ知られているが、ドロップ報告がほとんどないとの事で検証が進んでいないらしい。

 こちらも『真鑑定』で確認したところ、恐ろしい事が記載されていた


 名前:ウェポンブレイク

 品格:≪遺産≫レガシー

 種別:アーツスキル

 説明:攻撃時、武器レベル10以下の武器を100%の確率で破壊し、武器レベル20未満の武器を30%の確率で破壊し、70%の確率で破損させる。


 名前:アーマーブレイク

 品格:≪遺産≫レガシー

 種別:アーツスキル

 説明:攻撃時、防具レベル10以下の防具を100%の確率で破壊し、防具レベル20未満の防具を30%の確率で破壊し、70%の確率で破損させる。


 俺の武器はレベル33だし、防具もギリギリ20~22だ。その為、今のところは問題無いのだろうが、この先ブレイク系のⅡ以上を取得している敵が現れた場合は注意が必要だな。最悪、丸裸にされるぞ。それはちょっと勘弁願いたい。


「そっか、武器はこの前おじ様経由で新調したけど、防具は『上級ダンジョン』前の協会で普通に売られてるものだもんね」

「オークションに出ているような、高性能防具と取り換えるべきでしょうか?」

「でも、旦那様でなければ武器レベルや防具レベルの確認は出来ないのではありませんこと?」

「サクヤ様であれば可能でしょうが、あまりあの方に借りを作りたくありませんね……」


 サクヤお義母さんに頼るのは……。うん、俺も最終手段な気がするな。


「そういえば、武器は結構宝箱から出るけど、防具類は出ないの?」

「一応出るわよ。出現比率としては武器が2、アクセサリーが5、防具が3ってところね」

「へぇ……。それは、協会で統計取ってる感じ?」

「そうそう」


 でもそれ、色んなレアモンスターの宝箱からの統計だから、あまり参考になら無さそうな気がする……。


「ただ、今のところショウタさんが出してる装備品は武器ばかりですが……」

「確率が一番低いからこそ、一番排出しているのかもしれません」

「流石旦那様ですわ!」

「嬉しいけど、そういう偏りはあまり嬉しくないかもな」

「旦那様が望めば、この宝箱から防具が出るかもしれませんわ!」


 アヤネが指した先には、ボアの『レアⅡ』と強化体からドロップした『金の宝箱』があった。

 宝箱から得た武器はどれも高性能だし、俺の弓、アキの拳、マキの槍などメイン武器級もちらほら出て来てくれている。それが今後出なくなるのは困るが、そればかりになられるのも困る。しかし……願った所でそう簡単に変わるのか?


「いやー……流石に、どうかな?」

「ご主人様、信じる者は救われるそうですよ」

「ショウタ君の『運』なら、きっと引き寄せてくれるわよ」

「開けてみましょう、ショウタさん!」

「じゃあ……やってみようかな」


 俺は防具の事を強くイメージしながら、1つ目の宝箱に手を伸ばした。

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