ガチャ229回目:明日のための準備
「じゃあ最後に宝箱だな」
そう言って順番に宝箱を開封していく。まず『銀の宝箱』からは、またしても『勇猛』2個のワンセット。『思考加速』2個のワンセット。そして『勇猛』『思考加速』1個ずつのワンセットだった。
『勇猛』は競売行きとして、『思考加速』はアヤネとアキ、マキに回す。
続いて『金の宝箱』は2本目の『エンペラーペイン』と、青のポーションLv6だった。
そして最後の強化体が落とした『金の宝箱』からは……。
「緑色のポーション??」
「うわ、流石ショウタ君」
「何時かは出ると思っていましたが、もう出て来るなんて」
「しかもLv6ですわ」
「ご主人様はこちらの予想を軽々と覆しますね」
「えーっと?」
これは、巾着袋並みに驚かれている気がするんだけど、そんなにいい物なのか?
「ショウタ君、これはね。赤と青両方の効果を持つ上に、『魔力』も回復するポーションなの!」
「……ふうん?」
「あ、反応薄い!」
「まあ便利なのはわかるけど……。色々効果を持ちすぎてて使いづらくない?」
「まあ、そうとも言えるわね」
「でも、だからこそすっごく高価なんですよ」
万能の薬って感じか。『魔力』も回復できるってかなり凄いけど、よほどのピンチにならないと使う判断が出来なさそうだ。とりあえずこれはアイラに仕舞っておいてもらおう。
「よし、スキルとアイテムの整理も終わったし、俺はガチャでも回すよ」
「では私とアイラさんで夕食を作りますね」
「手伝いますわ!」
「あ、あたしも」
「ふふ、姉さんは休んでていいよ。スキル取得で疲れたでしょ?」
「んー……。そうするー」
3人はテントの外で火起こしをして、エンキが即席でかまどを作り、料理を始めた。家庭料理でもキャンプ飯でも、マキとアイラはそつなくこなしてる感じだ。頼りになるなぁ。
「ショウタ君」
「ん?」
「ガチャが終わったら、少し暇になるでしょ」
「んーまあ、そうだね」
普段なら食事後はお風呂に入ったりして、その後はエンキと遊んだり端末で情報確認したりするけど……。ここでは端末に入ってくる情報はデータ通信量の兼ね合いでごく僅かだし、エンキと遊ぶためのおもちゃも持って来てない。
「なら、あたしが稽古つけてあげるわ。最大値が上がっても、今のままじゃ本当の強敵相手に全力を出せないものね」
「ほんと? 助かるよ、ありがとう」
「お礼は……んんっ。期待してるわ」
「え?」
アキは照れ隠しをするように両手の人差し指をグルグルしている。
……ああ、そういうことか。
どうせ今日の夕食にはオーク肉が出てくるだろうし、ここで拒否する理由もない。ここは黙って頷いておこうか。
俺は『レベルガチャ』を起動し、いつものようにガチャを回した。
『ジャララ、ジャララララ!』
結果は白2、緑3、紫4、赤1だった。
『SR 器用上昇+55』
『SSR 知力上昇+155』
『SSR 魔力上昇+90、知力上昇+90』
『SSR スキル:騎乗』
『SSR スキル:姿勢制御Lv1』
『UR 俊敏上昇+300』
『UR 腕力上昇+190、器用上昇+190』
『UR スキル:空間把握Lv1』
『SUR 俊敏上昇+250、魔力上昇+250、知力上昇+250』
『SUR スキル:空の刻印』
「無料ガチャ」では青色のカプセルが2個、赤色のカプセルが3個。
『R 腕力上昇+22』
『R 魔力上昇+25』
『SR 腕力上昇+60』
『SR 頑丈上昇+60』
『SR 俊敏上昇+60』
*****
名前:天地 翔太
年齢:21
レベル:3
腕力:9986(+4987)(+4993)
器用:9724(+4856)(+4862)
頑丈:9402(+4695)(+4701)
俊敏:9972(+4980)(+4986)
魔力:9640(+4816)(+4820)
知力:9812(+4902)(+4906)
運:4766
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武技スキル:無刃剣、紅蓮剣[飛剣・鳳凰]、紫電の矢[雷鳴の矢]
称号:ゴブリンキラー
トロフィー:★コマンダーゴブリンのトロフィー
管理者の鍵:525(1)、525(2)、810(1)、810(2(1/2))、777
*****
『ボックスの残り 40/140』
「またスキルが増えたな……」
「お、どんなのが増えたの?」
「『鑑定偽装』解くから、好きに見といて」
「そんなに増えたんだ。分かったわ。えーと、どれどれー……」
ここ最近、色んなスキルが増えてってるよなぁ。それもたぶん、この筐体正面に書いてるコレが原因なんだろうけど。
『管理者権限を確認。一部の特殊スキルがアンロックされました』
ちゃんとした鍵が増えたら、また未知のスキルがドーンと増えたりするんだろうか?
まあそのためには、この『初心者ダンジョン』を完全制覇する必要があるんだけど。まだまだ先は長いよなー。『アンラッキーホール』みたいに1層とかで終わるダンジョンを探してみるか……?
「お、『姿勢制御』に『空間把握』。いいもの取れたじゃん」
「そうなの?」
「ええ。効果は文字通りで、パッシブスキルだから、自分の意志でON/OFFが出来るはずよ。夕食を食べたら、早速これらを使って特訓しましょ」
「わかった。でも、折角取得したんだし、OFFにする必要あるのかな」
「何言ってんのよ。もし今日みたいに、不利な条件で戦いを強要してくる敵が現れたらどうするの。もしもの時の為に、スキルが無かったとしてもスキルがあるときと同じ動きが出来るよう、身体に馴染ませるのよ。ほら、ショウタ君も『予知』を使ったり使わなかったりで自己特訓してるでしょ。あれと似たようなものよ」
「なるほど」
「稽古するって言った途端、良い物引き当てるんだから、流石よねー。このスキルがあるおかげで、その手の修業はかなりの時間を短縮できるはずよ」
スキルを馴染ませる、か。確かに、スキルを覚えていないと使えない練習方法だよな。答えが明確に分かった上で練習できるなら、それはきっとすごく効率的な特訓になるだろう。
その後、夕食を食べた俺達はアキ指導のもと、小一時間ほど特訓をし、その後お礼代わりに色々と頑張らされるのだった。
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